元気がないのが取り柄 トリプルファイヤー吉田が語る「タモリさんと星野源さんのこと」

元気がないのが取り柄 トリプルファイヤー吉田が語る「タモリさんと星野源さんのこと」

  • 文春オンライン
  • 更新日:2018/06/10

独特の存在感でじわじわと注目を集めているミュージシャン、吉田靖直さん。生粋のテレビ育ちの才能が開花して、現在はバラエティ番組でも活躍するほどです。そんな吉田さんに「タモリに気に入られてる説」のこと、お笑い観を聞いてみました。聞き手はてれびのスキマさんです。(全3回の3回目/#1#2より続く)

聞き手・てれびのスキマさんのプロフィール

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トリプルファイヤー・吉田靖直さん

『共感百景』は自分には合ってるなって思います

―― 音楽以外の活動として、大喜利イベントにも出られていますよね。

吉田 大森靖子さん主催で近くのバンドマンを集めた大喜利大会みたいなのがあって、それが初めてですね。

―― やってみてどうでした。

吉田 自分できるじゃんっていうか。高校の時にも友達とやってたんですけど、答え出すのめちゃくちゃ恥ずかしかったし、この時も大丈夫かなぁと不安だったんですけど、結構できるんだなと思いましたね。

―― テーマに基づいた「あるあるネタ」を“共感詩”として発表する『共感百景』のイベントにはどんなきっかけで参加することになったんですか。

吉田 作家の方が何かで音楽を聴いてくれて、歌詞が『共感百景』に合ってんじゃないかって呼んでくれたみたいなんですけど。

―― 毎回のように「優秀共感詩」に選ばれてますけど、やっぱ自分でも得意だなって感じですか。

吉田 そうですね、力を無駄なく伝えてるって感じがこう、これは打ち方わかるなっていう(笑)。打てない時もあるんですけど。でも、お客さんたちの反応見ても『共感百景』は自分には合ってるなって思います。

―― 自分の中で手ごたえのあった共感詩って覚えてますか。

吉田 最初にイベント出た時に、「飲み会」っていうお題で。2個あるんですけど。1個目が、「向こうの席に移った途端 水を得た魚のようだ」っていう。

―― あははは。

吉田 それがまぁ、「吉田さんそんな感じっぽいですね」みたいになって。「それでみんなどっか行っちゃったらどうするんですか」とか、そういう話になった時に、2個目で「周りに誰もいなくなっても この席を動かないプライド」っていうのを出しました。

あのウケた時の、あぁよかったみたいな感じ

―― ストーリーになってる。

吉田 すごいウケたんですよ(笑)。なんか自分がやったことで人が喜んでるっていうのが、嬉しかったですね。

―― お笑い系のライブでウケた時と、音楽のライブで反応があった時ってやっぱり違うものなんですか。

吉田 そうですね、新曲をやる時は、反応がどうなるかわからないというのがあるんですけど、音楽ライブって基本、演奏したことのある曲をやるから、だいたいこのぐらいの反応かっていうのがつかめてくる。あとは質を高めるよう頑張ろうみたいな。でも大喜利とか、その場その場の一回きりなので、めちゃくちゃヤバくなる時もあるんですよね。あのウケた時の、あぁよかったみたいな感じ。ちょっとどうなるかわかんないドキドキ感みたいなのがありますね。

テレビで、知名度の広がり方が0から100になると思ってたけど

―― 『共感百景』では、芸人さんとか作家さんとか、異業種の方と一緒になると思うんですけど、そういう方たちとは何か交流とかってあるんですか。

吉田 そうですね……、ある作家の方とは一緒に格闘技を今習ってます。

―― 格闘技って何を習ってるんですか。

吉田 ブラジリアン柔術とかグラップリングとかです。体鍛えたいなと思って。自分がこんなに何もしないのは、まず根本的な体力がないからじゃないかって思ったんですよ。でもただの筋トレだと続かなそうだから、やってたらいつの間にか筋肉ついてたみたいな感じがいいなと思って。それで少人数でできるものは何かって考えてたら、格闘技かなと思って。

―― 『共感百景』はのちにテレビになったじゃないですか。やっぱりライブとは反響も違うと思うんですけど、どうでしたか。

吉田 うーん、どうなんですか。まぁ地元の友達に「観たよ」って言われるとか、そのぐらいですけどね(笑)。

―― そうですか……(笑)。一番最初にテレビに出たのって、『未来ロケット』ですか。

吉田 たしかそうだと思います。

―― 今注目のアーティストという感じで紹介されていたと思うんですが、その時は周りから何か言われましたか。

吉田 いやないですね。

―― そうですか……(笑)。期待はしてました?

吉田 テレビに出ることで、知名度の広がり方が0から100になるくらいの違いがあったりするのかもなと最初は思ってたんですけど、でもやっぱそこまでみんな観てない(微笑)。2人くらい、友達から放送されてる時間にLINEきたとか、そんなことはあったかもしれないですけど、本当にそのぐらいですね。

『タモリ倶楽部』で見たタモリさんのカッコよさ

―― でもさすがに『タモリ倶楽部』に出るとちょっと反応は違いませんでしたか?

吉田 『タモリ倶楽部』は大きめでしたね。地元でもやってるし。あとはタモリさんの存在が大きいです。親の世代でも、タモリさんにはリスペクトがあるっていうのがわかりました。『タモリ倶楽部』に出て、実家の態度も少しやわらかくなったかなって感じましたから。

―― 実家を継がない長男への態度が軟化したんですね(笑)。『タモリ倶楽部』に出演するきっかけは何だったんですか。

吉田 おそらく『共感百景』の番組をスタッフの方が観てて呼んでくれたんだと思います。

―― そのオファーがきた時ってどう思いましたか。

吉田 ホントにいいんだ、俺で? って思いましたね。だって『タモリ倶楽部』って、ある意味テレビ界の一つの山のてっぺんぐらいの感じで思ってたので。もういいんっすか、みたいな(笑)。

―― 実際に出られて、驚いたこととかはありましたか?

吉田 僕ら楽屋とかで準備して、ここで立っといてとスタッフの方に言われて待ってるんです。するとタモリさんがどこからか歩いてきて、そのままスッと「それでは」みたいな感じで始まるのが、おぉ、カッコイイなって(笑)。

―― へぇー。番組には何度も登場していて、「芸人に向いてるよ」「元気がないのがいいねえ」なんて言われるくらい毎回タモリさんにすごく気に入られていますよね。その実感みたいなのってありますか?

吉田 あんまりないんですよ(笑)。観た人から「気に入られてるね」ってよく言われるんですけど、僕としては「あっ、俺気に入られてるな」って感じは特別ないです。まぁ、ありがたいことに結構番組に呼んでくれてるから……、って別にタモリさんが呼んでくれてるわけじゃないんだけど(笑)。

『LIFE!』のコント収録はすごい怖かった

―― タモリさんは、トリプルファイヤーの曲を聴いたことはあるんでしょうか。

吉田 あぁ、言ってましたね、聴いてくれたって。CD渡したんですよ、初めてお会いしたときに。それで2回目か3回目にお会いした時に「聴いたよ」みたいな感じで言ってくださいました。まぁ、どんな感想だったかあまり覚えてないんですけど(笑)。悪いことは言ってなかったと思う。

―― なんか気に入りそうな気がするんですけど。

吉田 「むちゃくちゃ気に入ったよ」とは言われてないんですけど、「あんな感じなんだね」とか、そんな風なテンションだった気がします。

―― 『LIFE!』でコントをやられましたけど、やってみてどうでしたか。

吉田 ドラマの撮影以上に「こうしろ」っていうのをはっきり求められるところがあって、すごい怖かったですね(笑)。「もうアドリブとかどんどんやってくれていいから」とか言われるんですけど、それでスベったら恥ずかしいじゃないですか。役者の人ってそこまでやってるんだなって。とにかく演技指導がけっこう入りましたね。「今どういう気持ちで声をかけたの?」みたいな。

―― ドラマ(『卒業バカメンタリー』)の時はアドリブとかは入れてたんですか。

吉田 セリフを間違えたのを、間違えてない風にしたりとかはしました(笑)。「そこ適当に喋って」とか言われる時もあるので、その時はまぁ喋ってましたけど。そういう時のセリフってたぶん音声としてほとんど入ってないんですけどね。

―― 現場の雰囲気ってどうでした。

吉田 全然ピリついてないというか、あったかい感じでよかったですね。

―― ジャニーズのおふたり(藤井流星と濱田崇裕)の印象はどうでしたか。

吉田 最初は遠くから見ていたんですけど、だんだん同じ人間なんだなっていうのが会話から感じるようになってきて、いい人たちでした。まぁ、今でも会うほど仲がいいとかはないですけど(笑)。

初対面なのに、何でこんなひどいこと言われなきゃいけないんだ

―― 最近好きな番組とかはありますか。

吉田 最近観てるのは『にちようチャップリン』とか『ゴッドタン』。あと『ドキュメンタル』とかですかね。あっ、『フリースタイルダンジョン』も観てますね。

―― 『フリースタイルダンジョン』といえば、吉田さんも「LIVERARY LIVE“RAP"Y in 森道市場」で呂布カルマさんとMCバトルされてますね。

吉田 そうですね。ビデオ公開されて、それでもいいなって思われる感じのものではあったんで、よかったですね。こんなずっと残るって思ってなかったですけど。

―― ああいうフリースタイルみたいなのってやられたことあったんですか。

吉田 いや、ないですね。飲み会とかではありましたけど、ディスりあったことはなかったんで。初対面なのに、何でこんなひどいこと言われなきゃいけないんだって思いながらやりました(笑)。

―― 今は基本的にはお笑い番組が好きなんですか。

吉田 そうですね。でも『ドキュメント72時間』とか、ああいう普通に町に生きる人々を捉えている番組も好きですね。

ジャルジャルのコントってなんか思考実験っぽい

―― 最近、好きな芸人さんとかっていますか。

吉田 アインシュタイン。稲田さんがマジですごいなって思ってます。こんな面白い人っているんだ、くらいの感じで。あと、ジャルジャルも結構前から好きですね。

―― それはどういうところが好きなんですか。

吉田 ジャルジャルのコントってなんか思考実験っぽいの多いじゃないですか。同じことをやり続けてたら怖くなってくるとか。

―― そういう意味では、吉田さんの歌詞の世界と近い気がするんですけど。

吉田 たしかにちょっと影響を受けてるかもしれないです。僕、大学の時にジャルジャルのDVDを観てて。バンドの作風が変わるというタイミングだったので、こういうことを言葉にしたらどうなんだろうなって思った気がしますね。なんかカッコイイなと。

―― 歌詞の中で言うと「結局 関根勤が一番面白い」(3rdアルバム「エピタフ」収録曲「SEXはダサい」)というのがでてきますね。

吉田 あれは『稲中卓球部』に「今日、関根勤がテレビに出るよ」って言ったら、みんなが「やったー」ってめちゃめちゃ喜ぶシーンがあって、その影響です。僕は、関根勤さんをあまり注視してこなくて。でも『稲中』ではすごく尊敬されていた。それで『稲中』がそこまで言うならそうなんだろうって思ったんですけど、結局いまいち分からなかったんですよね。「自分もすごいと言ってみたいけど、本当はいまいちわかってないもの」の代表みたいな感じで歌詞に入れました。

―― 『M-1』のような大会とかは観てますか。

吉田 観ますね。好きですね。

―― そういう時って自分で点数とかつけたりして観たりするんですか。

吉田 いや基本しないですけど。友達からLINEきて、3人のグループで点数つけあった時はありました。そういうことをやってるのって、ばれたら一番恥ずかしいんですけどね(笑)。

「ポスト星野源」って「俺が言ったわけじゃない」って言いたい

―― ちょっと失礼な話なんですけど、今、吉田さんが「ポスト星野源」みたいに言われてるのってどう思いますか。

吉田 なんか「ポスト星野源」って言われた後に「いや全然違うよ」みたいな当然のことを言ってくる人がいるので、その人に対しては、「俺が言ったわけじゃない」ってことを伝えたい(笑)。

――『LIFE!』や『タモリ倶楽部』は星野さんもお馴染みの番組ですから、いつか共演しても不思議ではない感じもします。

吉田 星野さんは音楽的にもう、SAKEROCKの頃からずっと、すごく力のある人だと思うので、僕も比べられても恥ずかしくないぐらいに頑張りたいなって思ってます。でも今はとりあえず、ホントすいませんっていう。まぁ、みなさんネタで言ってるんでしょうけど。

―― 今後何か出てみたい番組とかってありますか。

吉田 あぁ、なんかめちゃめちゃハードルの低い旅番組とか、ホントにただメシ食ってるだけでいいみたいな番組がいいですね(笑)。

―― 基本、仕事したくないっていう。

吉田 なんか怖くなるんですよね、いつも。今から気の利いたことを言わなきゃいけないんだと思うと、すごい怖くなってくる。なんでもいいよっていうものに出たいです(笑)。

#1 “ポスト星野源”トリプルファイヤー吉田が明かした高1時代の「黒歴史」
http://bunshun.jp/articles/-/7674

#2 トリプルファイヤー吉田のダメっぷり「寝過ごして『いいとも!』観てた大学時代」
http://bunshun.jp/articles/-/7675

写真=榎本麻美/文藝春秋

よしだ・やすなお/1987年香川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。2006年に結成されたトリプルファイヤーでボーカルを務める。2012年5月「エキサイティングフラッシュ」、2014年2月「スキルアップ」、2015年9月「エピタフ」、2017年11月「FIRE」を発表。バラエティ、ドラマなどテレビ番組にも多く出演し、『タモリ倶楽部』では「バイトで怒られっぱなし!?  リプルファイヤー吉田の適正バイトを探す」で全編にわたって特集を組まれた。

(てれびのスキマ)

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