ポスト家電時代を迎えた「CEATEC」で注目を集めたものとは?

ポスト家電時代を迎えた「CEATEC」で注目を集めたものとは?

  • @DIME
  • 更新日:2017/10/12

2017年10月3日から10月6日まで幕張メッセで開催した『CEATEC JAPAN2017』。今年で18回目を迎える『CEATEC JAPAN』は、「つながる社会、共創する未来」をテーマに、ITやエレクトロニクスの分野だけでなく、さまざまなジャンルの業種と産業の企業が参加し、これまでより幅広い先端技術を見ることができた。かつての家電見本市的な展示というよりも、複合的な技術の提案やコンセプト重視の展示が多かった印象だ。

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今年の出展社数は昨年比+2.9%の667社/団体。新規出展社数は327社だった。

会場ではエリアごとに「社会・街エリア」、「家・ライフスタイルエリア」、「特別テーマエリア」、「デバイス・ソフトエリア」と分けられ、そのテーマに合った先端技術を展示。出展の傾向としてはIoT、ロボット、人工知能(AI)などを活用した技術が多く、家電メーカーのブースでは1社の中で方向性がまったく違う技術の出展も多かった。そんな中で、いくつか気になった技術をピックアップしてみた。

三菱電機のブースでは、車の予防安全(自動運転)技術があると思えば、快適な浴室を提供する「IoT浴室コンセプト」の展示もあった。「快適」という視点から、いろんなジャンルの製品コンセプトが生まれている。個人的には「IoT浴室コンセプト」が実際に入浴して楽しくなるのか気になった。

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「社会・街エリア」に出展していた三菱電機は、自動運転の技術から家の快適なくらしの提案となる技術などを展示していた。

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参考出展だった「IoT浴室コンセプト」は、ベースユニット、プロジェクター、照明、ミストなどを複合的に活用して、ボイスコマンドやスマートフォンによるシンプルな操作で浴室における多様なニーズに対応する。

「社会・街エリア」ではパナソニックもさまざまなジャンルの技術を出展していた。メイク技術のデジタル化を実現した「メイクアップデザインツール」や近赤外光を用いた独自技術による栄養測定をする「カロリー/栄養素チェッカー」など家電に直結しそうな技術を出展する一方で、2種類のカメラで感情や眠気や温冷感を推測する「感情・体調センシング」のような技術も出展していた。「感情・体調センシング」を使えば、社員のストレスチェックや顧客の好みやイライラを推測することができ、より快適な提案が可能になるという。実際に計測してもらったら取材中だったため感情の動きはあまり見られなかったが、リアルタイムで自分の状態が表示されているのは、不思議な感覚でシュールな気分になった。

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パナソニックは、3つの展示エリアとイベントエリアを展開。シニア向けの技術から幼児向けロボットまで展示。家電に直結しそうな技術も多い。

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パナソニックの「感情・体調センシング」。カメラとサーモカメラによって、表情、瞬き、脈拍、皮膚温度、放熱量を測定。人間の感情や体調を推測し、画面左上の円にある「顔」と「心」のアイコンで今の状態を知ることができる。

アスカネットは、空中に立体表示する「AI Plate」を使ったさまざまな技術を出展。「iMATCH」と呼ばれる技術では、独自開発した「AI Plate」とカメラとモーションセンサーを組み合わせた自然な対話が可能で、今回はエアーホッケーゲームの対戦をすることができた。画面を触って操作する感覚は、まさに未来感覚だった。他にも物体をCG化して遠隔地に物体の大きさ、形状、色調などを知らせることができる画像転送を想定したシステム「Telepo」や双方向のコミュニケーションが可能な「3D-DELZO」なども体験できた。

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「iMATCH」の筐体。この中に空中映像が映し出される。お互いが映っている映像の上でエアホッケーゲームの対戦ができた。指で触ったものを動かせるのも驚きだった。

レノボ・ジャパンのブースには、さまざまなデバイスの展示があったが、やはり気になったのは『Star Wars/ジェダイ・チャレンジ』。「ライトセーバー」型のコントローラーを持って、対応スマートフォンと接続して使用する『LenovoミラージュARヘッドセット』を装着すれば、そこはまさに『スター・ウォーズ』の世界そのもの。ライト・セーバーを振れば、気分はジェダイ騎士です。今回はダースモールと対戦したが、かなり手強くて負けてしまった(泣)。とにかくライトセーバー・コントローラーの完成度が高くて、そこに感動した。

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『Star Wars/ジェダイ・チャレンジ』の実際の画面では、ライトセーバーのビームは出てます。予約販売は2017年10月中旬からスタートし、価格は3万800円(税別、Web直販レノボショッピング価格)。ダース・ベイダーたちと戦う「ライトセーバー・バトル」の他に、「戦略バトル」や「ホロチェス」などのゲームもプレーできる。

「社会・街エリア」に出展していたKDDIのブースでは3つの展示に注目した。時間と空間を超えて遠隔操作できる「テレイグジスタンス」は、人間の動きに合わせて人型ロボットが動く。ゴーグルをつけた人間とロボットが同じ動きをする姿は、『攻殻機動隊』を彷彿とさせて面白かった。

au 4G/5Gを搭載した「スマートドローン」は、従来のWi-Fiで飛ばしていたドローンと違い、携帯電話の回線を使って遠距離からの操作が可能。5G回線なら4K動画にも対応。Wi-Fiよりも飛躍的に遠距離での操作が可能で、しかも4K動画の高画質で状況を見ることできる。遠距離と高画質の組み合わせは、これまで以上にドローンの使い方の可能性は広がりそうだ。世界初のロボット月面探査レースにおける日本唯一の民間月面探査チーム「HAKUTO」は、auがサポートするチーム。その機体は思ったより小さい。

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「テレイグジスタンス」のデモ風景。ゴーグルでロボットからの映像を見ながら手を動かすと、それをトレースしてロボットも手を動かす。

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auが提供する「スマートドローンプラットフォーム」は、さまざまなジャンルでの活用が期待されている。

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「HAKUTO」が参加しているのは、GoogleがスポンサーになってXPRIZE財団によって運営されている月面探査の国際レース。月面で3つのミッションを成功させるために設計されている。

IoT、ロボット、人工知能(AI)を活用した展示は多かったが、複合的な技術なので、ちょっとわかりにくかった。ただ全体的に生活や社会に密着した技術展示が多く、地味な印象ながら、ちょっと先の未来を感じることはできた。個人的に興味があった4K/8Kテレビがシャープ以外に盛り上がっていなかったのが残念だった。8Kのコンテンツをもっと見たかった。

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「家・ライフスタイルエリア」で8Kを前面に打ち出していたシャープのブース。8Kを活用した利用例などの展示もあった。注目度も高かった印象だ。

会場全体を通してみると、IoT、ロボット、人工知能(AI)を活用した展示は多かったが、これらはさまざまな技術を複合的に組み合わせており、ちょっと見ただけでは、そのすごさが分かりにくいものもあった。ただ全体的に住居や都市で活用するものが多く、新しい技術による「未来の社会」の生活を感じた。そんな中で空中映像を映す「iMATCH」や人間とロボットが連動して動く「テレイグジスタンス」は、見た目にもSF的なインパクトがあった。個人的にはこういった近未来感のあるコンセプトの製品やサービスをもっと見たかったが、住宅や店舗などで活用する実用的な技術も多く、ビジネス寄りで全体的には地味な印象だった。イベントの性格上、仕方がないのかも知れないが、せっかくの技術をアピールするうえで、もう少しエンタメ性のあるコンセプトの展示があってもいいのではないか。

また、会場をテーマごとにエリア分けしていたが、これもあまり意味を感じなかった。興味があった8Kテレビはシャープのブースで見ることができたが、テレビ自体の展示は会場内でほとんどなかった。改めて家電としてのテレビの求心力が低くなっていることを実感した。

『CEATEC JAPAN』は2016年に脱・家電見本市を宣言しており、CPS/IoT総合展へのシフトを目指している。今年は金融、旅行、印刷、繊維など家電と直接関係ない幅広い業種のメーカーが出展。会場ではデジタル通貨やさまざまな認証技術などの展示もあったが、IoTやAIの技術が進んだことによる家電メーカーと他業種との連携やボーダレス化を感じることはできた。IoT化が加速すれば、さらに幅広い業種のイベント参加が増えていくだろう。今後も家電のカテゴリーに入らない出展メーカーは増えていきそうだ。

取材・文/久村竜二

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