【BUGY CRAXONE】カッコ付けずに追求した結成21年目の音楽

【BUGY CRAXONE】カッコ付けずに追求した結成21年目の音楽

  • OKMusic
  • 更新日:2017/09/22

“ミラクル”と題したベストアルバムから8カ月、札幌出身の4人組ロックバンド、BUGY CRAXONEが早くもニューアルバム『ぼくたち わたしたち』をリリース! すずきゆきこ(Vo&Gu)が新作に込めた想いを語る。

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L→R 笈川 司(Gu)、旭 司(Ba)、すずきゆきこ(Vo&Gu)、ヤマダヨウイチ(Dr) (okmusic)

──今回、アルバムを作るにあたっては、どんな作品にしたいと考えたのでしょうか?

「20周年にまつわる表立ったことは1月にリリースした『ミラクル』ってベストアルバムで完結させて、新たな気持ちで新しいことにトライするアルバムにしたいと思いました。この何年かは私が全体像を見て、こういう曲が足りないとか、この曲はいらないとか、結構ジャッジしていたんですけど、それをやめようと。ギターの笈川くんも曲を作るし、私も作るし、バンドでも作るしっていうバンマスがいるバンドではないし、メンバーそれぞれに持ち味があるのに、すずきの描いている全体像にはめ込んでいくだけだとつまらないので、そこから脱しようと。そのために私が黙る(笑)。黙って、その分の力を歌詞とヴォーカルに注ぐという方法で作ろうっていうのが、最初に決めたテーマでした。あとは、世代的に若手からは煽られ、上の世代はどっしりしていて全然手が届かない…というか、子育てもしつつ、親の面倒も見つつみたいな、いろいろな意味で、30代から40代って挟まれている世代だなって思うんです。そういう同志というか、バンドのメンバーとか、会社で言ったら同僚とか、そういう人たちと仕事でむしゃくしゃした時の帰り道に“ビール飲みながら帰らない?”って、そういう気晴らしができるようなアルバムを作ろうと思いました。」

──結果、どんな作品になったと感じていますか?

「年相応のものになったというのもありつつ、自分たちの音楽になっていると思います。わりとミディアム調の曲が多いんですけど、いつもだったら“もうちょっと速いのを入れようぜ”って言ってたと思うんですよね。でも、ミディアムの曲ばかりできるってことは、そういう気分なんですよ。今の自分たちはそんなに速さを求めていないんだなって。」

──「シャララ」の《生きることは暮らすこと だから今日も精一杯》という歌詞が印象に残りました。今回のアルバムもしっかりと暮らすことに根差しているような作品ですよね。

「だって、一日ってあまりにもあっと言う間で、大騒ぎしている暇もないでしょ? それでもやっぱり、ふとした時に親でもない、子でもない、自分っていうのがいるわけですよ。どこかの会社に勤めている自分でもない、ただの自分に出くわす時間がある。そこにできるだけ寄り添えるような音楽を作りたいと思っているんです。「シャララ」は地元の北海道に月曜から金曜まで夕方にやっている報道番組があって、それの金曜日のエンディングテーマを書きませんかってお話をいただいて、書き下ろしたものなんですけど、年齢のわりと近い女性のプロデューサーからいくつかリクエストがあったんです。一週間の締め括りに、来週また頑張ろうと思える曲で、夕方の番組だから夜ほどおやすみ感はない。一週間いろいろなことがありましたって映像がバックに流れるけど、楽しいこともあれば、悲しいことや悲惨なことも流さなきゃいけなくて…でも、それでも!って思える曲が欲しいんです…と言われた時、このバンドがやろうとしていることそのままじゃないかって思ったんです。金曜日の夕方、その番組を観ているってことは、家にいて、家族のためにご飯作っている人たちだなとか、仕事から早く帰ってきた人たちかなとか、そういう人たちが何者でもない、ただの自分になった時に寂しくないような曲を書けたらいいと思いました。だから、組み合わせで面白くはしているけど、そんなに珍しい言葉も使っていないんです。」

──《未来の前に 明日がくるよ》という歌詞も、僕はメッセージと受け取ったのですが、そこもいいですね。

「それ、自分でもよく書けたなと思いました(笑)。未来ってすごくいいんですけど、同じぐらい明日だっていいぞって。甲子園もいいけど、毎日の練習も良くない?って。幸せもすごくいいけど、それよりもすごくリラックスしていることのほうが意外に重要かもしれないというか、別にそんなにおおごとじゃなくても人生って良くないかなっていう。なんでか知らないけど生まれてきて、しかも死ななきゃいけないでしょ?(笑) 何年かかるか分からないけど、その間、いろいろなこともあって、えぇ!って思いますよね。すごく大変なんですけどぉ〜って(笑)。それを粛々とやっていくだけで立派じゃないか。そういう自分たちをもっと褒めようと思いました。」

──今回、歌にはどんなことを意識しながら取り組んだのですか?

「無駄に力まないことと声を鳴らすこと。みんなが楽器を鳴らすことで腕を上げてきている分、同じようにヴォーカルを鳴らしにいかないと負けちゃうんですよ。今、まさにそこを特訓中なんですけど、歌詞を書いて、思いの丈ってだけじゃなくて、そこもしっかりやりながら、できるだけエモーショナルなところも残しつつレコーディングするようには心掛けました。ヴォーカルはマネージャーがディレクションしてくれるんですよ。もっと大袈裟に歌ったほうがいいとか、音程は気にせず派手に歌ったほうがいいとか。そんなふうに自分以外の耳で、しかも完成を信用しているメンバーじゃない人に聴いてもらいながら録音できる環境が今はあるので、そこは自分にとってすごく良い学びになっていますね。」

──そして、7月28日に下北沢SHELTERで行なったライヴを収録したDVDが初回盤に…

「いえ、全部に有無も言わさずに付くんです(笑)。ライヴって1回こっきりのものだから、映像に残しても、そこにいた人にしか分からないものって絶対あると思うんですよ。それを重んじてるから“ライヴに来て!”って言うんですけど、でも、みんながみんな来られるわけじゃないから、音源とはまた違ったお手紙っていうか、“私たち、こんな調子なんだけどさ、どう? これを観て、渋谷CLUB QUATTRO(11月19日の20周年記念ワンマンライヴ)来てよ”っていう宣戦布告でもあるんです(笑)。」

取材:山口智男

アルバム『ぼくたち わたしたち』

2017年9月20日発売
テイチクエンタテインメント

TECI-1564 ¥3,500(税込)
※ CD+DVD

『BUGY CRAXONE 20周年記念ワンマン"100パーセント ナイス!"』

11/19(日) 東京・渋谷CLUB QUATTRO

BUGY CRAXONE

ブージー クラクション:1997年5月に札幌にて結成。99年3月にビクターエンターテインメントよりメジャーデビュー。2003年4月にレーベルとマネージメントを兼ねた『ZubRockA RECORDS』を設立。以降、多彩なアイテムのリリース&ツアーをコンスタントに重ね、07年に増子直純(怒髪天)主宰のレーベル『Northern Blossom Records』での活動を開始。17年、『Imperial Records』に移籍。同年1月に結成20周年記念ベストアルバム『ミラクル』をリリース。

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