原作は新書、テーマは「お金」 映画「決算!忠臣蔵」はどう新しい?

原作は新書、テーマは「お金」 映画「決算!忠臣蔵」はどう新しい?

  • J-CASTニュース
  • 更新日:2019/11/22

令和元年も、あと1カ月余りとなった。この時期、日本の風物詩の1つといえば「忠臣蔵」だろう。舞台は江戸時代中期。江戸城殿中の松之大廊下で、赤穂藩藩主の浅野内匠頭が、高家肝煎の吉良上野介の暴挙に耐え兼ね、殿中にもかかわらず刀を抜き、傷を負わせたことに端を発する。

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浅野は即日、切腹を命じられ、一方の吉良にはおとがめなし。赤穂四十七士は亡き主君の無念を晴らすために結束、吉良邸を襲撃して仇討ちを果たす...というストーリーだ。討ち入りの時期が雪の降る12月だったこと、また日本人が「勧善懲悪」を好む傾向もあり、年末には必ずと言っていいほどテレビで放映される。

上限9500万...「仇討ち中止」にするか「予算内で戦う」のか

忠臣蔵を題材とした作品はこれまで無数に作られ、さまざまな切り口が試みられてきた。実は吉良上野介が善人だった、といった立場逆転ものから、背後に幕府上層部の陰謀が、といった権力暗闘もの、四十七士の妻などに焦点を当てた女性もの――もはや、普通に思いつくようなアレンジはやり尽くされた感さえある。

そんな中、さらに違った角度から迫った忠臣蔵映画が、2019年11月22日、全国で封切られる。その名も「決算!忠臣蔵」。これまでの作品は「仇討ち」がテーマだったが、同作は「討ち入りには超、お金がかかる!」というもの。亡き主君の弔い合戦に向かいたいが、予算の上限は9500万。「行く?」「やめる??」といったお金にまつわるやりとりがコミカルかつ軽妙にされ、仇討ちなのに思わず笑ってしまう内容に仕上がっている。

これを現代風に置き換えると、江戸時代における「優良企業倒産事件」的なことになる。藩=会社、武士=サラリーマンという図式に置き換えると分かりやすいかもしれない。つまり、社長を失った中での社員による「一大プロジェクト敢行」ともいえよう。

しかし藩士たちは日々の生活費、江戸までの往復旅費、討ち入りするための武具費...数え上げたらキリがなく、その間にもお金は出て行くばかり...という泣きそうな状況が続く。そんな困難なプロジェクトを主導するのが、ダブル主演が演じる2人のメーンキャラクターだ。

堤真一さん、岡村隆史さんの「関西コンビ」がダブル主演

主人公である赤穂藩筆頭家老の大石内蔵助役は俳優の堤真一さん、勘定方の矢頭(やとう)長助役はナイナイ岡村隆史さんが演じる。堤さんが兵庫県西宮市出身、岡村さんが大阪府茨木市出身ということで、2人による関西弁の息の合ったやりとりが売りとなっている。

「江戸詰」と言われる江戸在住の赤穂藩藩士は「このままでは江戸中の笑い者です」、一方で赤穂在住の定年間際藩士は「退職金、出ないの?」、若手藩士は「討ち入りしないの?」と、意見がバラバラ。勘定方の矢頭は、そろばんをはじきながら「そんな予算、ありまへんで」。大石は「え!?金ないの?」。また、矢頭が「銭の勘定できひん侍は、何をさせても『でくの坊』」と切り返すと、大石は「なんやと!」とキレ返したりする。

同作品は、東大教授の山本博文氏の「『忠臣蔵』の決算書」(新潮新書)が原作。実際に、大石が書き残した決算書「預置候金銀請払帳(あずかりおきそうろうきんぎんうけはらいちょう)」に基づいて書き上げたそうだ。

関係者によると「忠臣蔵は、これまで300をゆうに超える映像作品となっていますが、こんなユニークな作品は史上初です」と話している。

(J-CASTニュース編集部 山田大介)

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