「忍の里」に東急電車? 各地で復活する「懐かしの車体色」、そのインパクトとは?

「忍の里」に東急電車? 各地で復活する「懐かしの車体色」、そのインパクトとは?

  • 乗りものニュース
  • 更新日:2017/11/13

たまたま? 伊賀鉄道であらわになった「東急色」

東急の中古車両が走る三重県伊賀市の伊賀鉄道で2017年11月4日(土)から、ステンレス車体に赤い帯という東急時代の塗色そのままの車両が登場。これが、鉄道ファンのあいだで話題になっています。

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「東急色」となった伊賀鉄道200系は、元・東急1000系(画像:伊賀鉄道)。

伊賀鉄道で使われている200系電車は、かつて東横線などを走った東急電鉄の1000系電車を、改造のうえ譲り受けたもの。2009(平成21)年から5編成が導入され、伊賀忍者にちなんだ「忍者列車」などのラッピングが施されています。今回なぜ、東急時代の色が復活することになったのか、伊賀鉄道に聞きました。

――なぜ東急時代の塗色を復活させたのでしょうか?

厳密には「復活」というわけではありません。広告としてのラッピングを施していた車両で契約期間が満了し、ラッピングをはがしたことで、譲受時の姿に戻ったのです。

――これまで東急時代そのままの色では走っていなかったのでしょうか?

はい。200系電車は5編成ありますが、すべて導入時からラッピングされていましたので、譲受時の姿で走るのは今回が初めてです。ただし、次の広告主が決まるまでの限定的な措置になります。

――利用者などからどのような反応がありますでしょうか?

地元のお客様にはあまりピンとこないかもしれませんが、鉄道ファンの方々は「おおっ!」と反応されているようです。写真を撮りに来られる方も増えています。

※ ※ ※

たまたま広告の契約が満了したための時限的な措置ではあるようですが、伊賀鉄道はこの「東急色」復活を記念したグッズの販売も行う予定とのこと。「こんど出展する『きんてつ鉄道まつり』には間に合わせるつもりです」と話します。同イベントは2017年11月11日(土)と12日(日)、近鉄名古屋線の塩浜検修車庫(三重県四日市市)で開催されます。

一畑電車ではかつての車体色を「復刻」

地方の鉄道では、かつての大手私鉄(公営含む)の譲渡車両が数多く走っていますが、その譲渡前の車体色が意図的に再現されている例もあります。

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「京王色」を復刻した一畑電鉄2100系は、元・京王5000系(画像:photolibrary)。

島根県松江市と出雲市を結ぶ一畑電車では、元・京王電鉄の5000系電車(初代)を2100系として4編成導入していますが、うち1編成で2012(平成24)年から、京王時代のアイボリーホワイトにえんじ色の帯という車体色を再現して運行しています。これについて一畑電車に話を聞きました。

――京王時代の車体色をなぜ再現したのでしょうか?

「話題性が生まれ増収に寄与するのでは」という現場の運転士からのアイデアを受けて実施しました。学生時代に京王沿線に住んでいたという方から、懐かしいという声をいただいています。

――ほかの車両で、譲渡前のオリジナルカラーを復刻した例はあるのでしょうか?

2017年1月に引退した3000系電車、元・南海電鉄の21000系電車ですが、これも末期には一部編成で緑色のオリジナルカラーを再現しました。「京王色」の再現と同様、現場の運転士によるアイデアです。この車両は当時すでに、当社線と大井川鐵道(静岡県)でしか走っておらず、かつ南海電鉄は関西の私鉄であることから距離的にも近いため、懐かしいとおっしゃる方や、わざわざ写真を撮りに来られる方もいらっしゃいました。

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一畑電車では伊賀鉄道と同様、東急1000系電車も導入していますが、こちらには一畑電車のオリジナル車両であるデハニ50形をイメージした、オレンジ色に白帯のフルラッピングが施されています。「1000系の色は公募で決まったもので、今後も変更は考えていません」といい、ほかの車両についても現在のところ、復刻塗装を追加で行う予定はないそうです。

長野県を走る第三セクターのしなの鉄道では、2017年に入り「懐かしの車体カラー」を次々に復活させています。

しなの鉄道の車両は、国鉄時代に製造され、JR東日本から譲渡された115系電車です。1960年代から国鉄・JRの関東甲信越、静岡、山陽エリアなどで広く使われ、各地域の車体色が存在しましたが、しなの鉄道では基本的に同社オリジナルの塗色で運行していました。

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しなの鉄道が復刻した「初代長野色」の115系(画像:しなの鉄道)。

こうしたなか、2017年4月にアイボリーホワイトと緑を基調とした「初代長野色」(1980年代から90年代に長野エリアのJR線で採用されていた塗色)、5月にはオレンジと緑からなる「湘南色」(かつての東海道本線の車体色に由来)、7月には青とクリーム色からなる「横須賀色」(かつての横須賀線の車体色に由来)という復刻塗装を相次いで導入。さらには、しなの鉄道線の前身であるJR信越本線で約30年前に走っていたという「『コカ・コーラ』レッドカラー」も復刻すべく、インターネットのクラウドファンディングを通じ、その資金を集めているといいます。

「クラウドファンディングは10月14日から開始しましたが、塗り替えに必要な資金290万円はわずか5日で集まってしまいました。『車体色への関心がこれほど高いのか』と、改めて驚いています」(しなの鉄道)

「懐かしの車体カラー」は、SNSなどでの評判も高いといいます。11月5日(日)には115系にちなみ、北しなの線で「115フェスタ」と題したさまざまな車体色の115系電車を走らせるイベントを開催。ここで走らせた「初代長野色」と「横須賀色」の編成を連結した特別列車も好評を得たそうです。

「当初、外から写真を撮られる方がメインかと思っていたところ、300人以上の方にご乗車いただきました。当社のイベントではかなり多い動員数です」(しなの鉄道)

これら「懐かしの車体カラー」復刻は、それぞれ車体塗り替えのタイミングにあわせて行ったもので、2、3年後に訪れる次の塗り替えタイミングまでは、そのままの塗色で走る予定だそうです。しなの鉄道は、「全国で115系の廃車が進むなかで、当社線を『115系の聖地』にしたい」と意気込みます。

長年にわたり親しまれてきた車体色の復刻、それが人を呼び込む側面も確かにあるようです。

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