ジョジョ実写版、原作の平行世界かも、と思いきや100%三池ワールドだった

ジョジョ実写版、原作の平行世界かも、と思いきや100%三池ワールドだった

  • THE PAGE
  • 更新日:2017/08/17
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8月4日から公開されている『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない第一章』

8月4日から公開されている『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』を劇場で鑑賞した。初の実写映画化に原作ファンからは「独特の世界観が壊されてしまうのでは?」「キャストが設定やイメージとあわないのでは?」「原作のイメージ壊されたくないから、観に行かない」などと不安の声が多数上がっていた。

7日に発表された5、6日の映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)によると動員約11万7000人、興行収入約1億6600万円を記録し、初登場で5位。そこには大々的なマスコミ試写会がなかっただけに、気になって観に行った私のようなメディア関係者も含まれているかもしれない。

原作とは全く別物の三池ワールド100%

映画全体のトーンはなぜか暗めだ。スペイン・シッチェスで行われたロケは、海沿いのきれいな街並み、大きな古い洋館など、日本では容易に準備できるような場所ではなく、「奇妙な」雰囲気を醸し出すには十分だ。しかし、それが原作の持つ「ジョジョ的世界観」なのかと問われると、そうではない気がする。全体を俯瞰してみたときの画面全体が淡くて、登場人物の肌の質感が気になってしまうほどの接写と暗めの露出が全体を貫いている。原作ジョジョってこんな色彩感覚? ではないと思う。

主人公・東方仗助(山崎賢人)とその甥・空条承太郎(伊勢谷友介)が少々元気がない。人気作の人気キャラを演じるにあたり、多少の緊張があったのか、控えめで思い切りが感じられないのが残念。仗助の「グレートだぜ」、承太郎の「やれやれだぜ」という口癖はまだなじんでいない。

似ているようで似ていない、でもこういうのもあるかもという、もしや平行世界(パラレルワード)的な作品かと思いきや100%三池監督の世界観に仕上がっている。原作ファンが想像する実際のジョジョ感とは、「似て非なる」というよりも「全く別物」のジョジョが展開されている。

悪役2人の伸び伸びとした演技 流れはやや単調か

一方、悪役として登場する、片桐安十郎(山田孝之)と虹村形兆(岡田将生)に関しては、原作にはないシーンが創作され、丁寧に描かれていることも手伝ってか伸び伸びと役に没頭している様子が見えた。仗助が「この街を守る」というのがひとつの大きなテーマであるためか祖父亮平(國村隼)のエピソードについてもきっちり描きこまれている。この映画全体を貫くテーマを語るには十分すぎる設定で、同作品で初めてジョジョを知る人のためには、しっかりとしたコンセプトの説明があっていいだろう。しかし、原作を知る人にはやや流れが単調に感じるところだ。

形兆の弟の億泰(新田真剣佑)が予想外によかった。イケメンのはずの新田が、おバカキャラの億泰に近づこうと努力の形跡が感じられた。とはいえ、第一章でのおバカ度合いは、まだ控えめだ。

気になる「スタンド」バトルはどうか。スタープラチナ、クレイジー・ダイヤモンドなど、掛け声、スピードともに迫力はある。なかでも形兆の操る小型だが本格的な軍隊のスタンド、バッドカンパニーの動きが面白く、この映画の最大の見せ場といっていい。クレイジー・ダイヤモンドはメタル感がしっくりきていたが、スタープラチナは表現が難しかったのか、そこだけアニメっぽい仕上がりになっている。

DIOの説明は無駄と判断? 尺の都合上、登場しないキャラもアリ?

今回、映画化されたのは原作の4部だが、順を追って読まずとも単体でも楽しめる。しかし、「奇妙な冒険」のそもそも始まりは、1部の主人公ジョナサン・ジョースターとその宿敵ディオ(のちにはDIO)との対決。歴代ジョジョに受け継がれるその血統の運命において、DIOとは切っても切れない関係があり、4部ではその接点が、形兆の持っていた「弓と矢」がそれだ。唯一のDIOとの接点についての説明があいまいなところに、DIOファンは少々がっかりするかもしれない。

三池監督の容赦ない「無駄無駄無駄」攻撃は、同作のラストに近いところで顕著にあらわれる。次章以降がつくられるならば、サクサクとエピソードや登場人物が削られていき、急な展開が予想される。4部のラスボス、吉良吉影や漫画家の岸辺露伴、杜王町の謎のカギを握る杉本鈴美は省かれることはないと思うが、出てきたら面白いと思われるキャラクターが登場しないことも十分考えられる。

そしてこの先、同映画が第二章、三章と続いていくならば、まず注目すべきは誰が人気キャラを演じるのかという点だ。原作ファンから100%の納得を得るのは難しいかもしれないが、原作への敬意を払いつつ、三池ジョジョを続けてほしいと願う。

(THE PAGE編集部)

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