中国の女性が口紅を塗る日に備えよ!

中国の女性が口紅を塗る日に備えよ!

  • JBpress
  • 更新日:2017/12/06
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中国の化粧品市場はますます拡大が見込まれる(写真はイメージ)

中国人観光客が日本で購入するお土産といえば、「一に家電、二に化粧品」といっても過言ではないでしょう。日本の化粧品は家電製品に負けず劣らず中国国内で高い人気を博しています。これまでずっと赤字だった日本の化粧品貿易の収支が黒字転換するなど、中国の化粧品市場の近年の拡大は日本の化粧品業界にも大きな影響を与えています。

そこで今回は、成長著しく将来性も高い中国の化粧品市場の現状を解説するとともに、今後の発展に関するキーワードについて紹介したいと思います。

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日本の倍以上の市場規模と成長速度

まず、マクロデータから見ていきましょう。下のグラフは近年の中国の化粧品市場規模と成長率をまとめたものです。

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中国の美容・スキンケア商品の市場規模推移

(出所:中商産業研究所)

(* 配信先のサイトでこの記事をお読みの方はこちらで本記事の図表をご覧いただけます。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51748

2011年に2桁成長を記録したあとは1桁成長が続き、伸び幅もやや鈍化してきています。一見すると「成長著しい」ようには見えないかもしれません。

しかし、2016年度における日本の化粧品市場規模が前年比2.9%増の2兆4715億円(矢野経済研究所発表データ)であるのに対し、中国の2016年度の市場規模は前年比6.5%増の3360.61憶元(約5.68兆円)です。市場規模は日本の倍以上あり、なおかつ日本の倍以上の成長速度を維持していることとなります。日本円に換算して比べたときは、筆者も数字を間違えたのではないかと一瞬目を疑ってしまったほどの成長ぶりです。市場規模はすでに日本を超え、米国に次ぐ世界第2位の大きさに達しています。

ただし、1人当たり消費額を見てみると、まだ低水準にとどまっています。いくつか公開されているデータを調べたところ、2014年時点における中国の1人当たり化粧品消費額は日本の約6分の1程度と分析されています。

現在はこの差はもう少し縮まっていると思われますが、まだまだ日本と中国では化粧品の個人消費額に大きな差があります。

ただ、これは逆に言えば、今後中国の化粧品消費額はまだまだ大きく伸びる余地があるということです。これらを総合すると「きわめて将来性が大きい市場」と判断できるでしょう。

依然として主流は海外ブランド

次に、ミクロ分析へと移ります。

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中国における10大化粧品ブランド

(出所:十大品牌網)

上の表は中国のブランド批評サイトで「化粧品の10大ブランド」として挙げられたブランドです。

見ての通り、日本の資生堂を含め海外ブランドが多く入り、中国ローカルブランドは「佰草集」「百雀羚」「相宜本草」の3つだけにとどまっています。

実際、中国の化粧品市場では欧米や日韓系のブランド化粧品の消費が多く、先進各国では15%程度あるとされるローカルブランドのシェアが中国ではわずか2%程度に過ぎないと分析されています。

特に近年は日系、韓国系ブランドの化粧品が「同じ東洋人向け製品なので肌に合いやすい」と支持を得ています。筆者も周囲の中国人女性から話を聞く限り、これらの日系、韓国系のブランド化粧品を常用しているという人が多いようです。

流行の韓国、ブランド力の日本、製造の中国

こうした中国市場における各国の化粧品ブランドの特徴と勢力図について、業界関係者のM氏(日本人)に話を聞いてみました。

M氏によると、まず中国での販売量は韓国系ブランドが日系ブランドを上回っており、最も普及しているそうです。韓国系ブランドが普及する背景には、「流行を作るマーケティングがうまい」ことがあるといいます。その一例として、中国で最近流行している、パフにリキッドファンデーションを染み込ませた「エアクッションファンデーション」を挙げてくれました。この商品形態は韓国系ブランドが編み出し流行させたものだそうです。

一方、日系ブランドは「販売量では韓国系ブランドに劣っているものの、ブランド力は高く、中・高価格帯での支持は高い」そうです。その要因としては、広告や体験店舗、製品包装などによって高級感を高める方法に日系ブランドは長けており、所得に余裕のある女性ほど日系ブランドを支持しやすい傾向があるといいます。

また、中国ローカルブランドの動向について聞くと、M氏は「流行作りやブランド力に関してはともかく、生産能力や技術は侮れないレベルに達している」と教えてくれました。

メーカーの名前はなかなか表に出てきませんが、中国の多くの化粧品工場では、日系、欧米系の有名ブランド化粧品のOEM生産を既に手掛けており、ローコストで生産する運営力と相まって高い生産能力を有しているとのことです。

また、中国メーカーの化粧品工場を訪問すると、日系大手化粧品メーカーにいた日本人技術者が働いていることも珍しくないそうで、「人材スカウトなどによって技術を獲得することにも非常に熱心」だとも指摘しました。

「メーキャップ」と「内陸部」が今後のカギ

続いてM氏に中国の化粧品市場の展望について聞いてみました。

M氏が真っ先に述べたのは、「今、中国で売れているのは化粧水や乳液など肌を整えるための基礎化粧品ばかりなので、今後、口紅やマスカラ、アイシャドーなどのメーキャップ化粧品が使われるようになれば、さらに市場は拡大するだろう」ということでした。

確かに、中国で口紅をつけている女性に会うことはめったにありません。ネット上の広告も化粧水や乳液ばかりで、販売される商品構成にはまだ偏りがあると感じます。

続いて日系ブランドの課題について聞いてみたところ、「今は営業活動や拡販が所得の高い中国沿岸部に集中しており、内陸部がおざなりになっている」と指摘しました。

内陸部はまだ所得も低く、化粧品を使用する習慣もほとんどありません。しかし大量の人口を抱えていることから将来は巨大な市場になることが予想されます。M氏は「まだよそが手をつけていない今のうちに積極的に拡販して、内陸部でのブランド認知を高めるべきだ」と主張します。

日本からの化粧品輸出が輸入を逆転

最後に、直近における日本の化粧品貿易統計について紹介しましょう。

下のグラフは横浜税関が発表した過去10年における化粧品の輸出入額統計データです。見ての通り、これまで日本では化粧品の輸入額が輸出額を超過する貿易赤字状態が続いていましたが、今年上半期に初めてこれが逆転し貿易黒字へと転換しました。

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日本の化粧品の輸出入額推移

(出所:横浜税関)

黒字転換の背景には、香港や中国をはじめとした東アジア市場への輸出の急拡大があるとされます。実際に下の「国・地域別にみた化粧品出額の推移」をみる限り、2014年以降から香港と中国向けの輸出が急増し、大きくけん引していることが分かります。

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国・地域別にみた日本の化粧品輸出額の推移

(出所:横浜税関)

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国・地域別にみた日本の化粧品輸出額シェア(2017年上半期)

(出所:横浜税関)

これまで自動車業界を取材することの多かった筆者にとって、今回の化粧品市場の取材は新鮮で、かつ、その発展余地の大きさに驚かされました。

今回、越境ECや男性用化粧品市場については書き切れませんでしたが、化粧品は間違いなく将来性の高い市場ですので、こちらについては別のライター、できればやはり男性より女性の目でレポートしてもらえるとありがたいな期待しつつ、本稿を終えたいと思います。

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