【意外と知らないバイクのこと】昔は多かった「キャブレター」って何?

【意外と知らないバイクのこと】昔は多かった「キャブレター」って何?

  • @DIME
  • 更新日:2018/10/10
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A:機械式の霧吹きです。

燃料タンクに注ぎ込まれたガソリンは、そのままエンジンに送り込まれるわけではありません。霧吹き的な機器によって霧化され、ほどよい割合で空気と混ぜられて混合気となり、エンジン内部に送り込まれます。わざわざ混合気にするのは、エンジン内部で力強い爆発を起こすため。液体のままのガソリンは意外にも燃えにくく、爆発力は発揮しません。空気と混ざることで爆発するのです。

この霧吹き的な機器のことを気化器と呼び、英語ではキャブレターと言います。その構造は複雑で、種類もさまざま。とてもではありませんが、ここではすべてを説明できません。そこで簡単に覚えておいていただきたいのは、キャブレターはバイクのエンジンに向いた優れた仕組みだった、ということです。

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「だった」。過去形です。つまりキャブレターは過去の技術。今や自動車もバイクもほとんどすべてがキャブレターを使っておらず、フューエルインジェクション(FI:燃料噴射装置)が採用されています。電子制御することによってきめ細やかに燃料噴射を制御でき、安定した動作、低燃費、クリーンな排ガス、メンテナンスフリー性など、さまざまなメリットがあるからです。

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小排気量二輪車用FIカットモデル

キャブレターは乗り手の感性にフィットする

キャブレターは、FIの逆。不安定でセッティングが決まりにくく、低燃費やクリーンな排ガスを実現しづらく、例えば長期間乗らずに放置しているとガソリンが詰まってエンジンがかからなくなるなど、なかなかの手間がかかります。しかし、ことバイクに搭載される分には、大きなメリットがありました。それは、機械的に作動する仕組みゆえのアナログ感が、乗り手の感性にフィットする、という点です。

バイクは非常に繊細な乗り物で、スロットル操作に対してエンジンがどう反応するかが、乗り味を大きく左右します。そしてスロットルレバーを回した時、キャブレターはほどよくボケた反応をしてくれるのです。言葉にするのは難しいのですが、スロットルレバーをひねった時に、エンジンがマイルドに応えてくれます。ほどよいボケ反応を利用することで、よりうまくバイクを操る、なんていうテクニックもありました。気むずかしい反面、セッティングが決まり、うまく走らせた時の気持ちよさには得も言われぬものがあったのです。

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一方、フューエルインジェクションはデジタル的。「燃料を噴く! 噴かない!」といった、1か0かのような2進数的印象で、実際のところバイクに採用し始めた頃は、「ドンツキ」というギクシャクした反応が問題になりました。現在は進化と熟成によりフューエルインジェクションの出来映えもよくなりましたが、メーカーの技術者からは「今でもキャブレターのフィーリングをお手本にしながら、フューエルインジェクションを作り込んでいる」なんて話を聞くこともあります。

キャブレターは確かに古い仕組みです。電子制御キャブレターもありましたが、低燃費やクリーンな排ガスが求められる時代に、キャブレターが復権することはまずあり得ないでしょう。でも、キャブレターを搭載したバイクには、フューエルインジェクションでは決して得られない気持ちよい操縦フィーリングがあるのも確か(セッティングが決まっていれば)。機会があれば、ぜひ1度キャブレター車に乗っていただきたいものです(ただし、セッティングが決まっていて調子がいい車両に限る)。

文/高橋 剛

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