ファイナルファンタジーXIV推奨の音をシアターバーで聴く - パナソニック「SC-HTB01」レビュー

ファイナルファンタジーXIV推奨の音をシアターバーで聴く - パナソニック「SC-HTB01」レビュー

  • マイナビニュース
  • 更新日:2019/03/20
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●パナソニックとスクウェア・エニックスが共同開発

シアターバー(サウンドバー)といえば、“テレビ周りの音”の向上を狙った細長いアンプ内蔵スピーカーですが、名前以上に多くの役割を期待されています。地上/衛星波といったテレビ放送の音に迫力を与える役割はもちろん、Blu-rayディスクなどに収録されたサラウンド音声を再生すること、スマートフォンなど携帯機器の音楽をいい音で聴かせることは、現在のシアターバーには必須の機能といえるでしょう。

そのような役割・機能は、オーディオ各社がユーザーの声を拾い集めることで実現されてきましたが、従来のシアターバーは基本的に映画重視の設計でした。確かに、映画館のような大迫力の音、サラウンドの音を家庭で手軽に楽しめれば最高です。しかし、動画配信サービスなどソースの種類が増えた現在、それで? という気もしますよね。

ここで紹介するパナソニックの「SC-HTB01」は、ゲーム用途を強く意識して開発されたシアターバーです。それも、ただゲーム向けのサウンドモードを追加するのではなく、スクウェア・エニックスとの共同開発によって音を作りこみ、「ファイナルファンタジーXIV」の検証基準をクリア、推奨を得るという気合いの入りよう。ファイナルファンタジーXIVといえば、5.1chサラウンドによる包み込まれ感、そこから生まれる没入感がウリのRPGですから、FFファンでなくても気になるはずです。

シアターバーとしてのスペックもなかなかのもの。スピーカーは4cmフルレンジと1.4cmツイーターが左右に各1基、8cmウーファーが上面に1基、上下対向の8cmパッシブラジエータが計2基の2.1ch構成で、最大出力は80W。サブウーファーを内蔵していながらも、約430×52×130mmと小ぶりで、最近流行りの奥行きが短いテレビ台にも置けます。

サラウンドフォーマットとして、Dolby ATMOSとDTS:X、DTS Virtual:Xに対応することもポイントです。HDMI端子はHDCP 2.2で4Kパススルー対応ですから、Ultra HD Blu-rayプレイヤーの4K映像/HDR信号もそのままテレビへ映し出せます。HDMI端子のうち1基はARC(オーディオリターンチャンネル)に対応するため、テレビの音声をSC-HTB01で出力することも。Bluetoothスピーカーとしても利用できるので、スマートフォンやパソコンで再生する音楽をワイヤレスで楽しめます。

○スクウェア・エニックスの中の人に聞きました

昨今、オブジェクトオーディオついての技術が話題になったりしますが、ファイナルファンタジーXIVはゲーム内部ですべての音をオブジェクト化させ、5.1chにまとめて出力をする最新技術を備えています。

SC-HTB01の音質をチェックするにあたって悩んだのが、「ファイナルファンタジーXIV」のどの部分を聞くべきかということ。シーンごとに曲が変わるうえ全編5.1chサラウンドですから、どのシーンを選ぶかによって印象が変わるはずだからです。

RPGは目的のシーンにたどり着くまで時間を要するため、これは作り手側に直接訊ねるしか……ということで、スクウェア・エニックスのファイナルファンタジーXIV運営スタッフに“おすすめシーン”を教えていただきました。

最初に訪れた場所は、ファイナルファンタジーXIVの舞台となる世界・ハイデリンのどこかにある森。プレイヤーがチョコボとともに森の中を散策し、ときどき敵と斬り結ぶというプレイをスタッフにお願いして、我々取材陣はひたすら聴くことに集中しました。

森には、確かに“包み込まれ感”があります。チョコボやプレイヤーの足音には奥行きを、小鳥のさえずりには距離と高さを感じさせ、それが広々とした森の気配として我々プレイヤーに伝わります。一方、剣を振ったときの「ザシュ」という音は、プレイヤーの前方かつ画面中央から聞こえてきます。生身の自分を軸に音場が形成されるリアルサラウンド環境とは異なり、自分の少し前方にドーム状の音場が形成され、そこでいろいろな体験をする、と表現すれば伝わるでしょうか。

次に案内していただいたのは「監獄廃墟 トトラクの千獄」。ここはいわゆるダンジョンで、広がり感ではなく閉塞感を音で表現しようとする制作意図が伝わります。走り回る音にしても剣を振るときの効果音にしても、森のときとは異なり軽くエコーがかかったような印象。奥行きや高さも縮まった感じです。ファイナルファンタジーXIVのサウンド関係の開発は、5.1chのサラウンドシステムを利用して進められたそうで、作り手の細部へのこだわりが感じられる部分です。

○FFといえばリヴァイアサン

インパクト大だったのは、「真リヴァイアサン討滅戦」。海に突き出した「艀(はしけ)」のような場所で、360度どの方向から攻撃してくるかわからない敵と一戦交えるシーンです。画面の右から左から、あるいは上から下から、リヴァイアサンが水中から姿を現すとき、その気配を音の方向で察することができるという仕掛けは、ゲームプレイに大きな影響を与えるはず。効果はわかりやすく、なんともサラウンド映えするシーンです。

それにしても、SC-HTB01で聴くファイナルファンタジーXIVの「音場感」は、画面の状況に対してしっくりくるというか、違和感がありません。爆発音などのサウンドエフェクトは要所要所で効かせつつも、広がり・奥行き・立体感というサウンドステージの表現は抑制的でこれ見よがしなところがなく、全編を通じて自然な印象を受けます。

スタッフにその理由を訊ねてみると、ファイナルファンタジーXIVの音に関する基本方針は「プレイヤーを包み込むような音場」と「聴き疲れの少なさ」だそう。プレイヤーがフィールドの中央に立って移動するという構図上、前者はともかく後者はやや意外な気もしましたが、「RPGは長時間プレイされることが多いので」と聞いて納得。映画やアクションゲームと異なる音へのアプローチには、なるほどと思わせるものがありました。

なお、スクウェア・エニックスとパナソニックが共同開発したSC-HTB01のゲームモードには、ロールプレイングゲームを想定した「RPG」と、銃を撃ちまくるゲーム用の「FPS」、キャラクターの会話を聞きやすくする「ボイス」というプリセットが用意されています。ゲームモードを選択しているときに付属のリモコンで「ゲーム」ボタンを押すと、この3つのプリセットが順に切り替わります。

●小さいながらも豊かな低域と高さ方向の表現力が

SC-HTB01のもうひとつの目玉は、Dolby ATMOSなどの「オブジェクトオーディオ」。LRなどチャンネル別に音を流し続ける従来のオーディオ再生に対し、音の位置を立体的な座標で示し単発的に再生するというもので、Dolby ATMOSやDTS:Xが代表的な存在です。NetflixやiTunes Storeなど、オブジェクトオーディオをサポートする動画配信サービスは増加中ですから、ディスク再生はあんまりしないけどストリーミングであれば話は別、というユーザーにとっては興味津々なところでしょう。

ただし、現在のところ動画配信サービスのオブジェクトオーディオ対応にはひとクセあります。たとえばNetflixの場合、最近発売された4KテレビであればATMOS再生がサポートされますが、そうでないテレビやSTB(セットトップボックス)ではHDMI(ARC)にATMOSのデータは出力されません。ATMOS対応コンテンツも多いとはいえないため、確実にATMOS再生を楽しみたければ、ディスク(BD・UHD BD)が現状もっとも手軽な方法といえます。

そこでUHD BDプレイヤーをSC-HTB01のHDMI(ARC)端子に接続し、ATMOS再生を試してみました。選んだタイトルは「マッドマックス 怒りのデス・ロード」。オープニング部分を確認しましたが、砂漠を疾走する改造車の群れ、四方八方から聞こえるマックスの心の声、白塗りのウォーボーイズに追われる通路の狭さ……テレビの前にポンと置いただけのシアターバーとは思えない、かなり臨場感のある音です。特に高さ方向の表現力は秀逸で、平板的なになりがちなシアターバーのサラウンドとは趣が異なります。

その理由をパナソニックに訊ねたところ、サブウーファーを内蔵したことが大きいといいます。SC-HTB01のサブウーファーは上向きに配置され、前面のスリットから音が出る構造ですが、それが定位感と高さ方向の表現力につながっているのだそう。なお、3Dサラウンドの効果をもっとも感じられる距離はテレビから3m以内、ゲームの場合は近めの60cm程度とのことです(24インチテレビの場合、パソコン用モニターでゲームをすることも想定されています)。

SC-HTB01の実売価格は35,000円前後と(2019年3月中旬時点)、2.1chのシアターバーとしてはやや高めの印象もありますが、むしろコストパフォーマンスは良好ではないでしょうか。RPG・FPS・ボイスと3つのプリセットを持つゲームモードを装備していること、高さ方向の音場表現に長けているうえDolby ATMOSなどオブジェクトオーディオをサポートしていること、サブウーファー内蔵ながらコンパクトなことは、同価格帯のシアターバーにない特長です。遊び慣れたゲーム、繰り返し見た映画が、改めて新鮮に感じられるはずですよ。

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LOGO ILLUSTRATION:(c) 2016 YOSHITAKA AMANO

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