週休三日制のメリット、デメリットを考える

週休三日制のメリット、デメリットを考える

  • @DIME
  • 更新日:2017/11/12
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週3日は出勤しない、週休三日制。ヤフーも導入を検討していることで話題になっている。すでにユニクロ、大和ハウス工業など週休三日制を導入する企業は多数。しかしこの制度、各社で導入の目的には違いがあるようだ。

そもそも、週休三日制は、企業と社員にとってどのようなメリットやデメリットがあるのだろうか。そしてその導入目的も重要になる。社会保険労務士の意見を元に、週休三日制について考察してみよう。

■すでに週休三日制を導入している企業

「働き方改革」が今、日本企業の大きな課題になっている。その背景として大きなものとして、「長時間労働の抑止」がある。また、育児や介護などと仕事のバランスを取る「ワークライフバランス」も関係している。

このような中、ユニクロ、大和ハウス工業、シーエーセールススタッフらが、各々のスタンスで「週休三日制」を導入している。ただ、いずれも全社員が利用しているわけではない。そんな中、先日はヤフーが全従業員を対象に週休三日制を導入することを検討中であることを明らかにした。柔軟な働き方を導入することで、労働生産性を上げるねらいだ。

すでに導入している企業について、それぞれの導入目的をみてみよう。

ユニクロ(ファーストリテイリンググループ)
「地域正社員」約1万人に対して、働き方の多様性に対応するために導入。出勤の日は1日10時間働き、休日は週に3日。社員には家族と過ごす時間や自己啓発のための時間に費やしてもらい、仕事とプライベート共に充実させることがねらい。

大和ハウス工業
生涯現役制度の「アクティブ・エイジング制度」において、週休三日制を導入。シニア人財を確保し、その活用を図るために設けられた、65歳以降も現役として働き続けやすい制度。

シーエーセールススタッフ
「職場環境を向上させて、優秀な人材の退職を防ぎ、さらに活躍してもらおう」という発想のもと、「気分で出勤」制度を導入。社員のモチベーションを上げるねらい。土日の2日に加え、3日目の休日を設定するのではなく、もう1日の休日を「自由に勤務できる日」と定義。やり取りが必要な場合には、オンラインやテレワークで対応するというもの。

シグナルトーク(週休4日)
クリエイター向け。クリエイター特有の、「効率的で自由な制作」を応援するために、会社外での勤務や、週3日からの勤務を認める「FreeWorking制度」を導入。

このうち、「FreeDays (少日数勤務)」では、子育てやプライベート時間の確保、副業のために設けられた。

いずれも、「週休三日制」といいつつ、同じ目的ではないことがわかる。ライフワークバランスのほか、社員のモチベーションを高めて生産性を上げる目的も目立っている。

■週休三日制のメリットとデメリット

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この週休三日制は、果たして会社と社員にどんなメリットをもたらしてくれるのだろうか。

また、デメリットも気になるところだ。そこで、実際に、週休三日制を導入するドリームサポート社会保険労務士法人の代表を務める、特定社会保険労務士・安中繁さんにメリットとデメリットを聞いた。

<メリット>
・育児・介護・持病・資格勉強中などの時間が確保できる
・プライベートが充実すれば、それが仕事に活きる
・育児や介護などで自ら欠勤する後ろめたさがない
・休みが増えれば、短時間で仕事を終わらせないといけなくなるため、結果的に長時間労働の回避につながり、生産性が向上する

「メリットの中でも、生産性向上は特に重要です。

OECD加盟国中、日本の労働生産性は21位。GDPは世界第3位なのですから、1時間あたりに稼ぐ力が、日本は圧倒的に弱いことが、国際的に見ても明らかです。

それでもなお国際競争で生き残ってこられたのは、家庭での役割を家族に任せて、すべての時間を会社のために使うことができる、そういう環境の人が「日本の正社員」の典型だったからです。

しかし少子高齢化がすすみ、女性も高齢者もみんなが活躍していける環境を整備する必要に迫られている今、「時間に区切りをつける」という概念を職場に普及させることは急務です。そのために週休三日制度を導入することが、大きな推進力になります」

<デメリット>
・労働時間が圧倒的に短くなる
・収入が減る
・平日に休みがあることで、顧客や取引先とやりとりのタイミングが合わないことがある。

「特に、収入が減るのは大きなデメリットです。

残業代をアテにして、いわゆる「生活残業」をしている人は少なくありません。そういった方からすると、勤務時間が減ったことにより、収入が減ることは受け入れがたいものです。そこで、既存社員向けに週休三日制を導入するにあたっては、生産性と収入の維持を抱き合わせた「社内人事(賃金)制度」を構築することが求められるでしょう。勤務時間が減っても生産性が維持向上していれば、賃金も維持向上するというしくみを作り、社内によく周知することが重要です」

■そもそも週休三日制は、どのような目的で導入するのが良い?

すでに週休三日制を導入している企業は、それぞれの目的を持っている。そもそも週休三日制は、どのような目的で導入することが良いのだろうか。安中さんにその考えを聞いた。

「従来の「正社員」「非正規社員(パート・アルバイト・嘱託・有期契約・派遣)」の二極分化した雇用形態のあり方では、これからの日本は行きづまります。健康で働き盛りの男性だけが正社員として活躍することができるというのでは、政府が推奨する「一億総活躍社会」には程遠い。

この二極分化を是正するためには、現在、非正規社員で働いている人には、正社員に登用される道を、現在正社員で働いている人には長時間労働の是正をすることで、お互いの歩み寄りが必要です。その一歩として週休三日制が活きてくると考えています。

また、固定化された正社員の働き方(週5・残業あり)から、柔軟で多様な働き方を考えるきっかけとして、週休三日制を検討することにも意義があると考えます」

週休三日制は、多様な働き方のバランスを取るために、既存の働き方の固定概念を取り払う、意識改革としても重要になりそうだ。

今後ヤフーが導入することで、他企業にも広がっていき、いよいよ自分も週休三日になる可能性もある。そんな日が来たら、ぜひ働き方について検討してみたい。

(取材協力)
安中 繁さん
特定社会保険労務士。「週4正社員制度」を初めとする多様なワークルールの策定支援が専門。現在月刊:人事実務にて「週4正社員のススメ」連載中。来春単行本化も決定している。
https://dream-support.or.jp/

取材・文/石原亜香利

※記事内のデータ等については取材時のものです。

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