汚染されるハワイの水、健康被害で観光に影響も

汚染されるハワイの水、健康被害で観光に影響も

  • WSJ日本版
  • 更新日:2018/02/13
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【ホノルル】楽園ハワイが下水問題に悩んでいる。人間の汚物を処理しないまま地下の穴に埋める「汚水だめ」が、飲料水を危機にさらしている。

一部地域では下水が周辺の海水へと流出し、飲料水の安全性に影響が出ているほか、サーフィンやスノーケリングを楽しむ人々が感染症にかかるなどの事例が報告されており、美しい珊瑚礁やビーチといったハワイの経済を支える観光業界を脅かす状況に陥っている。

主要8島から成るハワイ州には約8万8000の汚水だめがあり、全米でも最多だ。地元保健当局によると、毎日、計5300万ガロン(約2億リットル)の汚物が処理されないまま地下に埋められている。ハワイの飲料水の9割以上が地下の井戸水経由だ。

ハワイ州議会は2016年、新たな汚水だめの建設を禁止したが、既存分への対応に苦慮している。

保健当局は、州内の汚水だめを代替の汚水処理システムと取り替えるには、17億5000万ドル(約1900億円)以上の費用がかかると推測している。

問題の多くは、ホノルル郊外に集中している。

地元当局者は、大半のビーチは遊泳しても安全であり、公共用水も飲料水として適切な水準を維持していると話している。また、ビーチの汚染に関する報告はあるが、観光産業は毎年、拡大を続けている。だが人口が増え続ける中で、問題は悪化する一方だと当局者は明かす。

マウイ島の中央に位置するアップカントリー・マウイでは、飲料水の井戸が汚水だめによって最も脅かされており、当局が水質を監視をしている。

ある井戸では、硝酸エステルが法定上限の1リットル当たり10ミリグラムを大幅に超える8.7ミリグラムに達している。硝酸エステルは肥料や下水に含まれる化学物質で、環境問題の専門家は、場合によっては生命が脅かされるとして、とりわけ幼児への影響を懸念している。

ハワイ州上院議会のカラニ・イングリッシュ議員(アップカントリー・マウイ選出)は、汚水だめを取り替えるのに10万ドル(約1085万円)の費用がかかると指摘、大半の所有者には手が出ない金額だと述べる。アップカントリー・マウイだけで、約8000の汚水だめがある。

ハワイの汚水だめ問題は、まだ多くの場所で電気が通っていなかった過去の農業慣行のなごりだ。マウイ島で生まれ育ったイングリッシュ氏自身、汚水だめの穴を掘り、苛性アルカリ溶液とともに埋めていっぱいになると、新たな穴を掘ったと話す。

ハワイ州は中心部のホノルルを除いては、総じて未開発の地域が広がっており、山岳地帯のため下水管を汚水処理施設につなぐ費用が高いうえ、多くの地域で接続工事を行うことができないという事情がある。

ハワイ州では、禁止されるまで、毎年およそ500件の汚水だめ設置申請があった。同州は昨年、2050年までにすべての汚水だめを取り除く新法を成立させている。

だが住民の一部は、費用を懸念して、汚水だめの除去に抵抗している。アップカントリー・マウイの住民は1月、保健省の会合で、費用負担の大きさに対する不満を爆発させた。

同省で環境衛生の副責任者を務めるキース・コワオカ氏は「環境を守りたいが、そのコストを負担する経済的な余裕がない」とし、「本当にジレンマだ」と話す。

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