自転車で南極点到達の会社員 お盆は自転車でデスバレーへ!?

自転車で南極点到達の会社員 お盆は自転車でデスバレーへ!?

  • THE PAGE
  • 更新日:2017/08/18

「こうした旅は今回で最後に」

昨年、有給休暇を使って、夢だった自転車での南極点到達を果たした神戸市須磨区在住の会社員、大島義史さん(33)が11日、米国で最も暑いとされるデスバレー国立公園への自転車旅へ出発した。今回は会社のお盆休みを利用しての自転車旅ということだが、大島さんは「こうした旅は今回で最後にします」と語っている。

学生時代に自転車旅に魅せられる

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[写真]デスバレーへの出発準備を自宅で行う大島義史さん=10日、神戸市須磨区で(撮影:柳曽文隆)

大島さんは高校時代に国内各地の遺跡を自転車で回ったことをきっかけで自転車旅に魅せられ、大学時代にマウンテンバイクを購入後は国内から世界へと広がっていき、北極海からアメリカ、オーストラリアの砂漠などを自転車で走り続けるなどした。

大学時代に地元の図書館で南極旅の本を見て以来、南極を自転車で走るという夢を持ち、会社員になってもその夢を持ち続け「仕事をしながら、有給休暇で行ける範囲で旅をしたい」という目標をたて、約5年にわたり会社や家族と話し合いを重ね、昨年1月にとうとう自転車で南極点到達を果たした。

扇風機がついた服などを用意

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[写真]アメリカ合衆国 デスバレー国立公園 サブリスキー・ポイント(写真:アフロ)

妻と子ども2人という家族を持つ大島さん。南極では1200万円の借金をしたが、大手企業の経理マンという仕事の腕を生かし、家族の生活には支障をきたさない計画を立てて旅をしてきたため、南極から帰国後も自分の小遣いは「ほとんどなし」にし、仕事や家族サービスをしながら借金は順調に返済を続けている。また、テレビなどでもこれらの旅が取り上げられ、講演活動や書籍の出版なども行うなどし、それらも返済に充てているという。

チューブは破裂すると思うから予備を持っていく

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[写真]大島さんが大学2年のときにオーストラリアの真夏の砂漠で撮ったもの=「会社員自転車で南極点に行く(小学館クリエイティブ)」より

しかし、あれだけの大きな旅を成し遂げ、なぜ再び世界で最も暑く、乾燥もしており「死の谷」として知られるデスバレーへ自転車で旅を続けるのだろうか。10日午後、自宅でデスバレー自転車旅の準備をしていた大島さんを訪ねてみた。

自転車はすでに成田空港へ配送済み。部屋には旅で着る服などが積まれており、緊急事態の時などに備えた衛星携帯電話などもあった。

また、筆者はなにやら小型の扇風機が装着された服を見つけた。聞けばこれは「空調服」だという。「南極は僕が言った時は氷点下40度でしたけど、デスバレーは気温50度を超えるところもあるところなんで」と話す。

最近、どこかの工事現場で扇風機がついた服を着ていた作業員を見かけ「その方に聞いたら『空調服』を教えられ、ホームセンターで揃えました。メーカーに確かめたら、気温的には大丈夫だろうということです」と続けた。

着るものは熱をはじくため、あえて会社などへ着ていっている白のYシャツなどを着て走るなど、笑顔で話す大島さんだが、不安も募る。海抜下86メートルの灼熱砂漠から標高3368メートルの高山まで、様々な場所を持つこの公園、砂地にはガラガラヘビやサソリもいるなど、やはり「怖い」という。それに、気温50度を超えるなら、地面がアスファルトの場合はさらに熱い。「おそらくタイヤはとけて、チューブは熱で膨張して破裂すると思うんで、予備をたくさん持っていく」という。

通常のマウンテンバイクで行く、普通の装備で旅を続ける

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[写真]「もちろん、お盆休みを終えたら、家族サービスもしっかりする」そうだ=(撮影:柳曽文隆)

また、砂漠地帯を走る場合は、タイヤが回らないため手押しになるという。以前、南極へ行った際は、自転車後部に大型のソリをつけ、そこに荷物を置いて走ったことから、砂地の場合は同様の方法で運ぶことも考えたが、熱と岩場などもあるため、それを断念し、荷物はすべて自転車後部に積むことにした。これらの地を共にする自転車は、通常のマウンテンバイクで、特別な装備などはまったくない。

なぜ危険な場所へ「これは『中毒』ですね」

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[写真]デスバレー、カリフォルニア州の道路標識(写真:アフロ)

しかし、灼熱・乾燥、危険な生物との遭遇の可能性など、どれをとっても「過酷」というイメージが強いが、なぜそこまでして、こうした冒険を続けるのだろうか。大島さんにその質問をぶつけると「これは『中毒』ですかね。もうやめられないんですよ」と苦笑しながら即答した。

旅が終われば会社で重要な会議が待つ

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[写真]扇風機の付いた「空調服」にワイシャツという服装で走るという=10日、神戸市須磨区で(撮影:柳曽文隆)

今回もチケットはずいぶん前から取っており、妻の由佳さんら家族の承諾を得ての旅だそうだが、さすがに由佳さんからは「(大きな自転車旅は)今回で最後にしてくださいね」と念を押されたという。

「これがひとつの節目になりますね」と大島さん。ただ、旅の最終日翌朝には、会社の重要な会議が控えており、旅をしながらも「そのことも気になります」と語る。

あくまでも「僕は冒険家じゃない、サラリーマンですから」と話す大島さんらしい一面もみられた。

■大島義史(おおしま・よしふみ)1984年広島市出身、神戸市在住の会社員(主に経理など担当)。大学1年の時に初めてマウンテンバイクを購入し、4年間で国内や北米、ヨーロッパオーストラリアなど14か国、5万2千キロを走る。社会人になってからも10か国1万キロを走り、2016年には有給休暇を使って、夢だった自転車での南極点到達を果たす。同年10月にはその経験をつづった書籍「会社員自転車で南極点に行く」(編:THEPAGE編集部・小学館クリエイティブ)を出版。今年7月には第2弾「とまらない好奇心! ~次の旅を夢見て~」(小学館クリエイティブ)を出版した。

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