ノムさん、U-18W杯で不振の広陵・中村奨成に変わらぬ高評価「遠くへ飛ばすのは天性だ」

ノムさん、U-18W杯で不振の広陵・中村奨成に変わらぬ高評価「遠くへ飛ばすのは天性だ」

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  • 更新日:2017/09/15

サンケイスポーツ専属評論家の野村克也氏(82)が、野球のU-18(18歳以下)W杯の日本代表で不振だった中村奨成捕手(広陵高)について、変わらぬ評価を口にした。

中村は今夏の甲子園で、いずれも大会新記録の6本塁打、17打点をマーク。チームを準優勝に導いた。野村氏は準決勝、決勝での中村に「肩は一級品」と舌を巻いていた。一方、バッティングについては「飛ばす力は天性のもの」と評価しつつも、「典型的な金属バットの打ち方。甲子園も終盤で疲れもあったのだろうが、上体頼みなのが気になった。プロに入った当初は木のバットに苦労するんじゃないか」と懸念していた。

中村は木製バットを使用するW杯で通算25打数3安打の打率・120、本塁打、打点はゼロに終わった。

「木のバットではやはり、下半身を使えないと難しいなあ。でも、まったく気にする必要はない。遠くへ飛ばすのは天性だ。天性というのは、努力してつかめるものでもないけれど、失われるものでもない。木のバットで正しい打ち方さえ身につければ、天性は自然と生かされていくものだからね。希望の方が大きいんじゃない?」

野村氏は「打撃から入った捕手」「守りから入った捕手」という区分をする。端的にいえば強打、強肩のどちらを買われて最初のチャンスをつかむか、ということだ。ざっくり分ければ、野村克也や田淵幸一らは前者、森昌彦や古田敦也らは後者に当てはまるだろう。

野村氏は1954年のプロ入り後にボールの正しい握り方(フォーシーム)を学んだ。「縫い目に沿って握っていたんだから、そりゃボールも真っすぐ行かずに曲がるわな」と笑って振り返る。配球を学んだのは、57年に最初の本塁打王を獲得してから、相手に研究されて不振に陥り、それを克服するため。後に監督として守備重視を唱えたが、プロ入り直後はどこまでも打者目線だったのだ。

教え子の古田は逆。監督だった野村氏にリードを口酸っぱくたたき込まれながら、打席に活用して強打者へと成長していった。

中村は、強肩と強打を併せ持つ、21世紀型のハイブリッド。苦言も多い野村氏だが、若い才能が大好きだ。

サンケイスポーツ評論「ノムラの考え」でも、2012年にダルビッシュ有(当時日本ハム)を「外面的要素は本格派と技巧派がミックスした『未来型エース』。内面的要素は打てるものなら打ってみろという『古きよきエース』。これこそがダルビッシュの正体」と評したことがある。

8月末に発売された新著「私のプロ野球80年史」(小学館、税抜き1500円)では、デビュー当初は否定的だった大谷翔平の二刀流に対して、素直に脱帽している。プロ野球の歴史をひもときながら、「大谷ほど投打の両方でこれだけ高いレベルのパフォーマンスを見せた選手は過去にはいなかった」「栗山英樹でなくても二刀流をやらせたくなる。私が監督でもそうだ」-。

これを、変節だとか、ツンデレだとか呼ぶのはたやすい。ただ、野村氏にとって、いいものはいい、のである。野球の進歩、進化を誰よりも願っているから、新たな才能の出現を喜びつつ、まだまだボヤく。

「俺の野球はもう古くなったのかなあ。球場の記者席に座っているOB連中で、俺より年上の人なんていなくなったなあ。同世代だっていないじゃん」

御年82歳。鶴岡一人に学び、川上哲治の打撃を盗み、稲尾和久と一投一打を懸け、長嶋茂雄、王貞治と覇を競い、江夏豊と革命を起こし、古田敦也、田中将大を育てた。戦前・戦中から21世紀までの野球人が、野村克也と関わっている。プロ野球の歴史とともに生き、野球を言葉で表現してきたノムさんは、いまもなお、中村奨成をはじめとした新星を待ち望んでいる。

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野村氏は新著「私のプロ野球80年史」で大谷の二刀流を賞賛している

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