新技術で名作が当時を上回る衝撃作に!3Dの常識を覆す『ターミネーター2 3D』がスゴイ

新技術で名作が当時を上回る衝撃作に!3Dの常識を覆す『ターミネーター2 3D』がスゴイ

  • Business Journal
  • 更新日:2017/08/11
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(1)入場料金が高くなる (2)メガネをかけるのが煩わしい (3)見ているうちに目や頭が痛くなってくる (4)立体効果に気持ちが行き過ぎてドラマに集中できない……などの理由で日本の映画ファンからはなかなか好意的に受け止めてもらえない節がある立体視=3D映画。アメリカ本国では3Dなのに国内は2Dのみで公開される作品も増えてきているし、テレビに至ってはすでに2017年度から3D機能のついた製品を作らなくなっているようだ(そういえば3D映画はソフトも値段が高くなるから、みんな敬遠してしまいがちなのだ。おうちで3Dって、実はすごく楽しいのにね)。

私個人は3D映画の大ファンである。なぜなら映画は見世物としての精神を大事にすべきという考えであることと、そもそも幼い頃に見た東映まんがまつりなどのヒーローものの立体映画で、主人公が「さあ、ここでみんなもメガネをかけて僕らを応援してくれ!」みたいな合図とともにこちらも赤青メガネをかけて、映画に参加しているようなイベント感が今も忘れられず、それは自身の映画観賞の原点にもなっているのだ。

3D映画が今ひとつ定着しない理由の第1は(1)にあると思う(その伝では4D映画も同様ですね)。(2)に関しては技術の進化を待つとして、それとともに(3)の問題も徐々に解消されることだろうし、(4)に関しても、そもそも映画なんてものは批評するのではなく「感じればいい」などとブルース・リーの名言みたいなものを思い起こしながら見ている次第である。

とはいえ、最近の3D映画もかなり技術が進化していて、たとえばシリーズ最新第5弾『トランスフォーマー/最後の騎士王』などを見ると、細かくめまぐるしいカッティングのつるべ打ちながらも、さほど3D酔い的な状態に陥らなかったのは(もっとも、今回も酔ったという人も周りに若干います……)、やはり3D映画に毎回積極的に取り組むマイケル・ベイ監督の姿勢の賜物ではないかと思う。

その意味では、09年に『アバター』を発表し、3D映画ブームを築き上げたジェームズ・キャメロン監督は、その後も3D映画の技術向上に邁進しているが、その一環として今回製作された『ターミネーター2 3D』(以後、『T2 3D』)を見て、正直驚いた、いや、ぶったまげた!

これがもうすごいのだ! 正直、1991年にもともとの『ターミネーター2』(つまり2D劇場公開版)が日本初公開されたとき、その内容の面白さもさながら、どこまで作り物かわからなくなるほどに圧倒的なSFX技術に驚嘆させられたものだが、それから時を経てキャメロン自ら最新技術で3D変換作業を成した3D版は、当時以上の新鮮さをもたらし、作品そのものの魅力を増大させることに成功している。

今回の3Dは、91年の劇場公開137分版を3D化したもので、154分完全版でないのだけはちと残念だが(さすがに少しでも時間が短いもののほうが作業を完遂しやすいと思ったか)、もともと3Dを意識せずに作られていた作品なだけに、正直さほどの期待を抱いていなかったのも確か(キャメロンは『タイタニック』もかつて3D化しているが、そのときもさほど必然性を感じられなかった。まあ、それでもジョージ・ルーカス監督の『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』3Dに比べれば、かなりマシなほうではあったが)。

しかし、今回の『T2 3D』を見て驚かされたのは、まず何よりも映像の奥行きの深さである。

もともと2D=平面でしかない映画は、その中でいかに演出で奥行きを出すかに監督たちは腐心してきたものだが、3D映画はそれをいともたやすく克服したように思えたものの、実際は作り手の意思がきちんとしていない限り、奥行きがあろうがなかろうが関係のない、そんな無駄な奥行き3D映画が多いのも事実で、それがちまたの3D離れを加速させている要因にもなったと思える。

しかし、今回の『T2 3D』を見ると、オリジナル版の段階でキャメロン監督がいかに奥行きを重視した演出を施していたか、そしてそれが立体視されることで、その効果がひときわ際立ち、ひいては映画そのもののダイナミズムまで増幅させていることに気づかされる。

一方、3D映画と聞いて誰もが思い描く飛び出し効果に関しては、もともとそういった描写が少ない作品で、また今回のために新しくそういったアレンジなどは一切施していないので、そちら方面での「アッと驚く3D!」的なものはあまり求めないほうがよろしかろう。とはいえ、悪役の液体金属製人間型T-1000がグニョグニョ変形していくあたりのぬるぬるした立体感など、実にリアルで気持ち悪くできていて楽しい。

アーノルド・シュワルツェネッガーのごつごつした体躯も立体視のほうがより映えるというのも発見であった(つまりシュワちゃんは3D映画向きの俳優であった!?)。

また、先ほどSFXと記したが、当時の特撮はまだCGをメインとしたVFXではなく、ミニチュアや手作りの視覚効果を重視したSFXの時代であった。それが今回の3D化にあたって、むしろその立体感を際立たせることにつながったのかもしれない(その意味では、『スター・ウォーズ』も『ファントム・メナス』ではなく、77年に作られた最初の『エピソード4新たな希望』を3Dしたほうが良かったのかも?)

もし今後『ターミネーター2』を劇場で見る機会があるのなら、ぜひともこの3D版がスタンダードになってほしい。そのことでキャメロンの演出意図も明らかになり、映画そのものの魅力も貫録も奥深いものになるからである。

現在、キャメロン監督は『アバター』の続編シリーズ製作に取り掛かっているが、それらは何とメガネレスの3D映画として発表される予定と聞く。

かつて『ゴジラ』を撮った本多猪四郎監督は「いずれ、すべての映画はメガネなしで見られる立体映画になっていくことでしょう」と予見していたが、そのきっかけとなる作品を自分が生きているうちに見られるのかと思うと、待ち遠しくてたまらない。すごい時代になってきたものである。
(文=増當竜也)

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