トランプ氏の経済運営、エコノミストは概ね評価

トランプ氏の経済運営、エコノミストは概ね評価

  • WSJ日本版
  • 更新日:2018/01/12
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ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が実施したエコノミスト調査によると、ドナルド・トランプ米大統領は就任後1年で米経済成長や雇用、株式相場におおむねプラスの効果をもたらしたとみられている。

エコノミストらはまた、2018年の経済成長は堅調となり、失業率の低下が続くと予想している。その一因は、昨年12月にトランプ氏が署名して成立した税制改革法による減税だ。これにより少なくとも数年は景気が押し上げられると大半のエコノミストはみている。

全般的に、大方のエコノミストはこのところの景気の力強さに鑑み、トランプ氏の大統領選出は少なくともある程度評価できるとした。

現在までのトランプ氏の政策や措置についての評価は、雇用創出や国内総生産(GDP)成長率、株式市場に対していくらか、または大いにプラスとの見方が大勢だった。また、長期の米成長軌道については中立かプラスとの評価が大半となる一方、金融安定性に対するトランプ氏の影響は中立との見方が大多数を占めた。

全米製造業者協会(NAM)の首席エコノミスト、チャド・モートレイ氏は「実業界は間違いなく、税制や規制を巡る大統領の措置が一段と成長促進的な事業環境をもたらしたと感じている」と指摘した。

だがトランプ氏の功績を評価するにはまだ早い。何年もにわたる失業率低下と緩やかながら息の長い成長を続けてきた経済は、継承したものだからだ。

エコノミック・アウトルック・グループのバーナード・ボーモール氏は「景気の強さについてトランプ氏を高く評価しすぎないよう慎重になるべきだ」とし、「雇用創出と企業の設備投資は大統領就任前から上向いていた。トランプ氏の措置が経済を以前に比べどれほど前進させたか、判定はまだ下されていない」と述べた。

1年前の調査では、8年にわたる在任期間の終了直前だったバラク・オバマ前大統領はまちまちな評価を受けていた。オバマ氏の政策に関する17年1月の調査では大半のエコノミストが、金融安定性ではプラス、雇用創出にはプラスか中立的、GDP成長率はマイナスか中立的、長期の潜在成長率はマイナスと評価した。

直近調査では18年への高い期待が浮かび上がった。

平均すると、エコノミストらは今年のGDP成長率を健全な水準の2.7%と予想。昨年12月に4.1%だった失業率は今年半ばまでに3.9%、12月には3.8%へ低下するとみている。雇用増ペースは一段と鈍化し、18年の非農業部門就業者数は月間平均16万5000人増になるとの予想を示した。米労働省によると、就業者数は17年が月間平均17万1000人増、16年は同18万7000人増だった。

今月の調査では、向こう1年にリセッション(景気後退)入りする確率は13%と、15年9月以来の最低となった。エコノミストの3分の2余りが、成長見通しには上振れリスクがあるとの見方を示した。

18年の見通しが明るい理由の一つは、先月成立した税制改革法にある。エコノミストの9割以上は、減税によって向こう2年間のGPD成長率が高まるとの見方を示した。これは法案の詳細がまだ流動的だった時期からほぼ変わっていない。

それでも、景気押し上げ効果が長く続くとは確信していない。GDP成長率の予想平均は19年が2.2%、20年が2%と先細りで、長期平均は2.1%となっている。エコノミストの半数は税制改革について、景気の長期トレンドを少なくとも小幅に押し上げるとみる。残りの半数は、何の効果もないか、成長が現行軌道をやや下回る結果を招くと予想した。

ジョージア州立大学経済予測センター長のラジーブ・ダワン氏は「理論的には法人減税が潜在成長率を押し上げる可能性があるものの、まだ満たすべき投資需要がそれほど積み上がっているかは疑わしい」と首をかしげた。

政策当局者は、米法人税を35%から21%へ引き下げるという目玉の減税条項について、誰が恩恵を受けるかを議論してきた。

今回のWSJ調査ではエコノミストの4分の3が、法人減税は従業員ではなく株主により大きな恩恵をもたらすとの見解を示した。ボーモール氏は「利益の大半は自社株買いや増配、あるいは(企業買収などの)資金に充てられるだろう」と述べた。

WSJは今月5〜9日に68人のエコノミストを対象に調査を実施した。全員が全項目に回答したわけではない。

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