言うことを聞かない子どもに効果絶大 「鬼から電話」より怖いマツコ仮面

言うことを聞かない子どもに効果絶大 「鬼から電話」より怖いマツコ仮面

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  • 更新日:2017/09/26
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杉山・奈津子(すぎやま・なつこ) 1982年、静岡県生まれ。東京大学薬学部卒業後、うつによりしばらく実家で休養。厚生労働省管轄医療財団勤務を経て、現在、講演・執筆など医療の啓発活動に努める。1児の母。著書に『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』『偏差値29でも東大に合格できた! 「捨てる」記憶術』『「うつ」と上手につきあう本 少しずつ、ゆっくりと元気になるヒント』など

うつ病を克服し、偏差値29から東大に合格。ベストセラー『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』の著者・杉山奈津子さんが、今や3歳児母。日々子育てに奮闘する中で見えてきた"なっちゃん流教育論"をお届けします。

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以前、息子が通うための幼稚園を見学に行ったとき、そこの園長先生が「うちでは先生たちになるべく大声を出さないようにしてもらっています」と言っており、なるほどと感心したことがあります。注意するときに大声を出すと、子どもがそれを真似して大声を出すようになるからです。子どもは自分の小さな世界を、身近な大人たちの真似をして広げていきます。つまり、もっとも身近な大人である親は、真っ先に真似されやすい対象なので、少し注意が必要だと思います。

心理学で、子どもの「真似」に関する実験があります。まず親が、指でパカッと簡単に開く単純な作りの箱を、棒や紐を使い、わざと複雑で面倒くさい方法で開けました。するとそれを見ていた子どもたちも、指で開けずに、わざわざ棒や紐を使って箱を開けていったのです。子どもたちは「そうやって開けることに、きっと意味や目的がある」とまで考えて真似をするのです。

アメリカの子育て専門家であるドロシー・ロー・ノルトさんが書いた「子は親の鏡」という有名な詩があります(ウェブでも読めます)。この詩には、親が褒めてあげれば明るい子が育つ、とげとげした家では乱暴な子が育つとあります。悲しい話ですが、家庭内暴力を受けて育った子どもは、自分の子どもにも暴力をふるってしまうことが多いということは統計的に明らかにされています。「真似」をプラス方面に向かうようにして、「怒るときは感情的に大声を出すもの」という認識が頭の中に組み込まれなければ、子どもの中にもそんな常識は芽生えないわけです。

私の母親は怒るとすぐ大声になるのですが、それはやはり姉や私にも伝染しました。そのことについて「なんですぐ大声で怒るの」と母親に文句を言って突き詰めたことがあります。結果、母方の祖母がよく怒鳴る人だったと気づきました。そんなうちとは反対に、非常にもの静かな家庭で育った夫は、ほとんど怒ったところを見たことがないほど穏やかです(まあ、そんな夫とでさえ現在別居中なわけですが、そこはおいておきましょう)。

感情的に大声を出して怒るのは、威嚇と同じ。相手をおどして萎縮させるための行為です。子ども側にだって考えていることがあり、言いたいことがあるでしょうが、大人である親の怒鳴り声に勝てるわけがありません。ハッキリ言ってしまえば、事前に勝負の決まっている一方的な戦いです。過去に、大江健三郎先生も講演で、「親による子への力で押さえつける行為は、将来的なイジメや戦争の縮図だ」とおっしゃっていました。

そのため、私は日頃から「なるべく大声を出さないで注意する」ということを心掛けています。将来の息子を、感情的かつ一方的に、相手を責めたてるような人間にしたくないからです(蜘蛛を素手でぶったたいたときはさすがに悲鳴に近い大声が出ましたが)。

だからといって、親の言うことを聞かず好き勝手にイタズラをしてもいい、わがまま言い放題で育って構わない、というわけにはいきません。「ご飯よりも、もっとお菓子を食べたい」「帰る時間だけどまだ遊びたい」、そう言い張ってきかない子どもに、「畏怖する対象」は必要だと思っています。ただ、その対象が親でなくてもよい、もっと言うなら「人間でなくてもよい」のです。親が怒って、てんやわんや声を荒らげて言うことをきかせるより、何かに対し自発的に怖がってもらうほうが、すんなり言うことを聞いてくれるし、喧嘩にもならないし、大声を出さなくてすむし、とってもラクチンです。

うちの場合は、鬼と魔女を利用しています。夜にまだ寝たくないとごねたら、「もう9時かぁ、夜遅いねぇ……、鬼が散歩してる時間だね」「あっ! 今そこの窓から鬼がのぞいていたんだけど!?」と、我ながら迫真の演技で息子を怖がらせます。鬼は夜に寝ていない子を食べてしまう設定です。ちょうど良いことに、スマホには寝ていない子どもにむけて「今から行くからな!」と電話をくれる「鬼から電話」という素晴らしいアプリがあります。

魔女は、言うことを聞かない子どもをさらっていく設定です。息子は「魔女はキラキラする粉を出すもの」と勝手に思っているようなので、リアリティーを出すために、たまにマニキュアや糊のグリッター(ラメの入ったもの)を机や床につけておきます。そして「はっ! これは……、近くに魔女が来ていたようだね……」と呟き、ちゃんと存在するのだということをアピールしておきます。

最終兵器は、飲み会のとき酔っぱらった編集者さんがくれた「マツコ・デラックス」の被り物マスク。持って帰るのが邪魔すぎてすごくいらないと思っていましたが、現在これが非常に役に立っています。マツコのマスクをかぶると、大人でも、「うわっ!」と声を出してビックリするくらいのインパクトがあります。息子がどんなに寝ないでまだ遊びたいと駄々をこねても、マツコが出てくると大号泣。「もう寝ますから! もう寝ますから!」と自分で支度を始めます。息子は比較的頑固なほうだと思いますが、マツコのおかげで非常にラクになりました。

そんなマツコをくれた編集者さんには、感謝してもしきれません。あのときはレシートまで取り出して返品しようとしてすみませんでした。(文/杉山奈津子)

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