日の丸半導体・ルネサス、ここへきて「株価急落」している意外なワケ

日の丸半導体・ルネサス、ここへきて「株価急落」している意外なワケ

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2019/05/27
No image

ルネサスの「根深い経営問題」

日本株市場は「令和ブーム」など遠い昔、ここのところの日経平均株価は3週連続安になるなど精彩を欠く展開を続けている。

No image

〔photo〕gettyimages

直近では米中貿易戦争が再燃する中、中国の大手通信機器メーカー・華為技術(ファーウェイ)を排除するなど不穏な動きが活発化。さらに、イギリスではメイ首相が辞任を表明するなど世界的に政情不安が高まる中、海外情勢に翻弄された日本株市場は方向性を欠く展開から抜け出せないでいる。

そんな日本株市場にあって、ズバリ的中率80%を超える『Phantom株価予報AIエンジン』(財産ネット社開発・運営、詳細はhttps://phantom-ai.com/)が導き出した「今週の注目銘柄」を紹介しよう。

まず、今週の『Phantom株価予報AIエンジン』がピックアップした大本命銘柄はルネサスエレクトロニクス (6723)である。

そもそもルネサスエレクトロニクスといえば、NECエレクトロニクスとルネサステクノロジーが経営統合した「日の丸半導体会社」の代表格として知られる。車載用マイコンに強みがあり、世界トップ級のシェアを持つ超優良企業だが、じつはここへきて厳しい局面に直面している。財産ネット企業調査部長の藤本誠之氏が言う。

「ルネサスが5月14日に発表した19年12月期第1四半期決算が、ひどい内容だったのです。本業の利益を示す営業利益が約12億円の赤字で、7年ぶりに赤字転落。前年同期が233億円の黒字であったの比べると、急激な悪化です。じつは株式市場ではこの決算発表後にボトムアウト期待で一旦株価が急騰したが、それも一時的に終了。アナリストの目標株価引き下げなどによって、同社の株価は再び反落へ転じたのです」

ルネサスの不調は「一時的」なものではなく、「根深い」ものである――。

要するに、マーケットは同社の経営についてそんな視線を持ち始めたわけだ。

落ちたシェア

ルネサスの経営悪化の一因が、需要豊富な中国市場が米中貿易戦争の影響で低迷していることにあるのは確か。しかし、そうした外的要因だけが原因ではないところに、現在のルネサスの不調の「根深さ」がある。最大の懸念材料は、ルネサスのシェアが落ちているということに尽きる。

「ルネサスの製品は世界トップクラスの技術力で評価されてきたが、ここへきてシェアをライバルたちに奪われ始めている。実際、今回の決算会見でその点を突かれると、ルネサスの経営陣が『シェアを落としているのは事実』と認める一幕があった」(アナリスト)

しかも、である。ルネサスにとって稼ぎ場となり得る電気自動車(EV)などの車載分野で苦戦しているという現実があるのだ。

「ルネサスの幹部によれば、ここの需要を『十分に取りこめていない』という。しかし、EV市場はこれから急成長が望める最優良分野の一つ。ここでライバルたちの後塵を廃すれば、将来的に経営の重大問題となりかねない」(前出・アナリスト)

こうした事態を受けて、同社の株価は5月に入ってから100円以上急落。今週の『Phantom株価予報AIエンジン』も同社の株価について下落相場を予想しており、当面苦しい局面が続きそうなのである。

No image

拡大画像表示

前出・藤本氏も言う。

「ルネサスの収益環境は厳しい。そのため希望退職を募るなど構造改革を実施していますが、その成否も見通せません。安値模索の展開に入ってしまった株価については一旦反発した分、さらに上値の重い展開が続きそうです」

もちろんルネサスとしても指をくわえているのではなく、今春に米半導体大手企業を買収するなど、苦境打開の一手は打ってはいる。

しかし、米中貿易戦争の悪化でさらに市況が悪化しかねない中、同社の経営の先行き不透明感は増すばかり。「今春には大手証券会社が同社の目標株価を大幅に引き下げた」と前出のアナリストが言うように、しばらく同社の経営から目が離せなくなってきた。

強い「追い風」

そんなルネサスエレクトロニクスとは対照的に、今週の『Phantom株価予報AIエンジン』が上昇相場を予想するのが三井不動産 (8801)である。

No image

拡大画像表示

三井不動産といえば、三菱地所と双璧の総合不動産会社として知られる。目下の不動産市況に乗って、業績好調なのである。前出・藤本氏が言う。

「三井不動産はこの5月、2020年3月期決算で最高益を更新する見通しだと発表したばかりです。同時に、自社株買いを発表したことがマーケットで好感され、同社の株価は上昇しています」

それだけではない。同社にはいま強い「追い風」が吹いている。藤本氏が続ける。

「米中貿易摩擦が大きな課題となる中、現在のマーケットでは為替相場に左右されにくい内需の好業績株を物色する動きがある。同社はその流れに乗ることができる。しばらくは上値追いの展開が続きそうです」

優勝劣敗が鮮明

最期に、今週の『Phantom株価予報AIエンジン』が今週注目するもう一つの銘柄を紹介しよう。

大和ハウス工業 (1925)がそれ。三井不動産と同様、上昇相場が予想されている。

No image

拡大画像表示

前出・藤本氏が言う。

「大和ハウス工業は戸建て住宅に強みを持つが、賃貸・商業・事業施設まで幅広く事業展開を行っています。5月13日の2019年3月期本決算発表で、9期連続の最高益と前期の増配、今期の増配見通しを発表。株価が上昇相場入りしたうえ、安定した好業績を再評価する投資家の買いが今後も期待できそうです」

企業の優勝劣敗が鮮明化してきた令和の日本株市場。今週はルネサスエレクトロニクス、三井不動産、大和ハウス工業の3社に注目だ。

「今週のAI株価予報」とは

財産ネット社(https://zaisan.net/)が独自開発した株価予測AI『Phantom AI』が、トレンド分析し、未来の株価を計算しています●「目標株価」は、翌営業日に80%以上通過すると期待される範囲になります(225銘柄でバックテスト検証済)●「押し目買いゾーン」、「吹き値売りゾーン」は、一般的には上髭下髭エリアです。一時的に値が動いた場合、その後目標株価へ収束する可能性が高いゾーンです。ゾーンを超えて推移した場合は、当エンジンの想定を超えるイベントが発生した可能性が高くなります●この予測をもとに個別銘柄の売買を勧誘・推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

経済カテゴリの人気記事

グノシーで話題の記事を読もう!
LIXIL暫定CEO候補は、リコー凋落招き「1万人リストラ」を主導した戦犯だった
“2人の愛人”問題の飯田HD・婿社長 株主総会を前に大株主が続投反対
軽くて履き心地抜群!ティンバーランドのDNAが埋め込まれた「プロジェクト ベター」コレクション
東武鉄道、2020年秋に新駅開業 ホンダ工場に隣接
もはや二輪車!最大時速48kmの強力電動アシスト自転車「SMUG Cycles」がやって来た
  • このエントリーをはてなブックマークに追加