とあるきっかけで売り上げが17倍に! 大ヒット靴下の秘密とは?

とあるきっかけで売り上げが17倍に! 大ヒット靴下の秘密とは?

  • ハーバー・ビジネス・オンライン
  • 更新日:2017/11/14
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名前を変えて17倍以上の売り上げを記録した『まるでこたつソックス』

「缶入り煎茶」から変わった伊藤園の「お~いお茶」、「WEST」から変わったサントリーの「BOSS」、「豆ダッシュ」から変わったタカラトミー(旧タカラ)の「チョロQ」……など、商品名を変更したことにより、国民的なヒット商品となった例は限りがない。

最近でも、商品自体は全く変えずに商品名を変えただけで、売り上げが17倍以上になった靴下があるのをご存知だろうか?

「もともと‘13年に『三陰交をあたためるソックス』という商品名で発売していたのですが、’15年に全く同じ機能のまま、『まるでこたつソックス』という商品名で新発売したんです。すると、発売年度(’13年度)と昨年度(’16年度)の数量ベースで比べると、17倍以上の売り上げになっていました。今年度はさらに伸びると予想しております」

そう語るのは、年商387億の国内トップシェアを誇る靴下専業メーカー 岡本マーケティング戦略室 広報担当の淺井有希氏。そもそも商品名を変更したきっかけはなんだったのだろうか?

「当初はターゲットをシニア層に向けて、『漢方』をイメージしていたのですが、実際のシニアの方々はマインドが若く、なかなか売り上げを伸ばすことができませんでした。そこで、そもそものブランドのコンセプトやターゲットを見直すことから始め、市場や生活者のマインドを分析し、商品の機能が伝わりやすいネーミングを検討したんです。」

「社内でのミーティングを重ねる中で、『まるでこたつ』という案が出てきて、それがチーム全員の心に響きました。商品自体の機能も、靴下を脱いでから60分間はあたたかさを持続できると実証されており、自信を持って『まるでこたつソックス』と言えるということからこの名前に決めたのです」

そして商品名変更の結果、17倍以上売り上げるという大成功を収めた『まるでこたつソックス』。もともとの商品名『三陰交をあたためるソックス』が消費者に響かなかった理由を、シニア層を意識し過ぎていたことのほかに、“足首にあるツボの三陰交をあたためる”という独自の機能を前面に押し出しすぎていたこともあると淺井氏は反省する。

「弊社は自社内に研究開発部門を持ち、靴下はもちろん、足の健康についても研究、さらには糸や靴下を編む機械の開発までも自社で行っています。さらに、『まるでこたつソックス』は、明治国際医療大学と共同開発し、東レ、東洋紡、弊社の3社共同開発の特殊保温と発熱素材を使用し、今までよりあたたかい靴下を実現した渾身の商品でした。このように、多くの企業や団体と共同開発した自信の商品がゆえに、(商品名を考える上でも)靴下の機能を伝えることばかりが先に立ってしまっていたんです」

「機能はそのままに、お客様にわかりやすい商品コンセプトで再検討」したことが、今回の大ヒットへとつながったという。商品名を変えた直後から、消費者は即座に反応したそうだ。

「『まるでこたつ』という名前がお客様にとってわかりやすかったことで、商品名をリニューアルして発売した当初から予定数量をオーバーし、欠品するほどの人気商品となりました。商品の機能も実感していただいているようで、インスタグラムなどのSNS投稿を見ますと、『今年も買いました!』という声も上がっています」

どんなに優れた製品でも、機能面ばかりをアピールするだけでは消費者の目には留まらない。そこに消費者の心に刺さるネーミングがあるからこそ、大ヒット商品へとなっていくのだ。

<取材・文/赤地則人>

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