自動運転インフラの開発急げ、米国で競争加速

自動運転インフラの開発急げ、米国で競争加速

  • WSJ日本版
  • 更新日:2017/11/13
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米フロリダ州中部の都市はテーマパークや観光スポット以外にも収入源を確保しようと、自動運転車に力を入れている。

オーランド郊外にあるフロリダ・ポリテクニック大学の400エーカー(約1.6平方キロメートル)の敷地では、試験道路のほか都市や地方の車道を模した走行路が建設中だ。プロジェクトの規模は1億ドル(約113億円)。米航空宇宙局(NASA)のケネディ宇宙センターにも別の実験施設が建設される予定だ。そこでは企業各社が洪水や煙、霧などの危険な環境で車をテストできる。

「クリエーティブな人材を引きつけ、新興のテクノロジーを活用し、ここにテクノロジーのエコシステムを構築したい」。オーランド市のスマートシティー・プログラムの責任者を務めるチャールズ・ラムダット氏はこう話す。

全米の都市や州、研究機関が、成長著しい自動運転技術の分野で商機をつかもうと競っている。試験場を新たに建設するケースもあれば、既存の施設を拡張し、テストに最適な隔離された環境を提供しているケースもある。あるいは、自動運転車に技術者を乗せて公道を走らせることを許可し、現実世界の環境でテストできるようにしている場合もある。

各都市は自動運転車の主要テスト拠点になることを目指し、ゼネラル・モーターズ(GM)などの自動車メーカーや、アルファベットの自動運転車部門ウェイモなどのIT(情報技術)企業と手を組んでいる。その狙いは、企業との協力関係を地元経済への投資に還元することにある。

アナーバーにあるミシガン大学では「Mcity(エムシティー)」と呼ばれる実験施設が2015年に開設され、多くの自動車メーカーや関連企業を引きつけている。その1社が自動運転シャトルバスを製造するフランスのナビヤだ。同社は今夏、アナーバーに米国で初めて組み立てプラントを建設すると発表した。

ゴールドマン・サックスのリポートによると、自動運転車や自動ブレーキをはじめとする先進運転支援システム(ADAS)の市場は、2015年の30億ドルから25年には960億ドルに拡大する見通し。そうなれば、特にレーダーシステムやセンサー、地図作成技術を手掛ける企業にとってチャンスだという。自動運転車は早ければ2020年にも市販されるとの予想もあるが、各都市ではプロジェクトを長期的な投資とみている。この分野をリードする企業は自動運転車が市販されるようになった後も、機器やイノベーションを試す必要があるためだ。

米運輸省は1月、60件以上の申請の中から10カ所を自動運転技術の実験場に指定した。

市や大学、州機関やケネディ宇宙センターが連携したオーランド市のプロジェクトや、デトロイトに建設中の試験センター、ピッツバーグ市とペンシルベニア州立大学の輸送研究機関との提携プロジェクトなどがそうだ。

全米州議会議員連盟によると、これまでに21の州が自動運転車に関連した法律を可決し、法環境の整備や試験の促進を図っている。また5つの州が自動運転に関する知事令を出している。例えばアリゾナ州では、自動運転車の公道試験を支援するため、必要な措置を取るよう各機関に命じられた。

「過去数年で自動運転車という構想がサイエンスフィクション(SF)からサイエンスファクト(科学的事実)になるのを、われわれは目の当たりにした」。全米都市連盟の上級幹部ブルックス・レインウオーター氏はこう話す。「各都市はこのイノベーションを快く受け入れ、実験台になりたいと考えている」

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