【超人シニア】75歳で100キロ完走した81歳女性の夢は?

【超人シニア】75歳で100キロ完走した81歳女性の夢は?

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  • 更新日:2017/09/17
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夢は東京五輪の聖火ランナー!(撮影/伊ケ崎忍)

多摩川の土手を軽やかに走る中野陽子(81)さん。陸上競技の80~84歳のクラスで六つの世界記録を持つ。今年の東京マラソンで、4時間11分45秒を記録し、世界のトップに立った。世界マスターズ陸上でも1万メートルから800メートルまでの5部門で世界一。5千メートルの世界記録は先月、気温36度の中を走って達成した。

「東京オリンピックまでは記録を目指したい」

陸上を始めたのは70歳のとき。それまでは毎年スキーを楽しんでいた。しかし、70歳になると仲間はゲレンデに行かなくなり、経済的負担も大きいのでやめることにした。

「でも、何か運動の趣味を続けたかった。時間や場所の制約がなく、一人でもできるランニングがいいかなと思いました」

きっかけは義妹たちとのハワイ旅行の計画。ならば、ホノルルマラソンに出場しようという話になった。スポーツ用品店の講習会に参加すると、初心者が6カ月でフルマラソンを5時間以内で走るための練習が組まれていた。10分走って10分歩くという練習から始めた。

「練習は言われたとおりに。急に長い距離を速く走るから故障したり苦しくなったりする。苦しくない程度の練習を少しずつ積み重ねていきました」

その成果あってホノルルマラソンは完走。半年後には「利尻島一周悠遊覧人G大会」で約55キロを走った。隣の礼文島に咲くレブンウスユキソウが見たくて一人旅を計画し、行くなら大会も、とエントリーした。

「歩いてもいいと気負わずに走ったらゴールできました。前夜祭、後夜祭も楽しく、全国から集まった仲間との出会いもありました」

以来、この大会には8回出場している。

そして、中野さんは75歳で、市民ランナーあこがれの「サロマ湖100kmウルトラマラソン」に挑戦した。早朝5時にスタートし、制限時間は13時間、一般の部は完走率60~70%と、フルよりも綿密な調整が必要なレースだ。

その少し前、利尻島の大会で中野さんはいい感触を得ていた。共に出場していた友人が心配になり、ゴールから逆走して迎えにいった。15キロほど戻った地点で見つけ、伴走して10時間の制限時間内にゴールした。つまり55キロプラス15キロの往復で85キロを10時間で走ったことになる。

「これならサロマ湖の100キロを走れる」

結局、サロマ湖は12時間30分で無事に走り切った。

強みは、ペース配分の正確さ。区間キロ何分で走れば無理なくゴールできるか、計算し、そのとおりに走る。無謀に思えた100キロも計算した上での出場だった。

現在は義妹と2人暮らし。普段は多摩川の土手や河川敷を中心に練習し、月に200キロ走る。週3日、介護施設でリネン係の仕事をしているので、通勤ランもする。オートクチュールの店のパタンナーだった中野さんは、55歳で退職してリフォーム店を開き、73歳で閉めた後はシルバー人材センターで見つけたこの仕事を続けている。

「大会は旅費、参加費が結構かかりますから働かないと。やはり次の大会がやる気につながりますね。自分はこれという楽しみがあれば、いやなことも我慢できるし、他人と比べて卑屈になることもありません」

当面の目標は来年9月にスペインで開催されるマスターズの世界大会出場。夢は3年後の東京五輪にある。

「両親が福島県の相馬出身なので、聖火を持って相馬を走れたら幸せです」

(ライター・仲宇佐ゆり)

※週刊朝日 2017年9月22日号

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