セクハラ伊之助に即辞職許さず...相撲協会が異例の厳罰3場所「出場停止」処分

セクハラ伊之助に即辞職許さず...相撲協会が異例の厳罰3場所「出場停止」処分

  • SANSPO.COM
  • 更新日:2018/01/14

大相撲の行司の最高位、立(たて)行司の第40代式守伊之助(58)=本名・野内五雄=が10代の若手行司に行ったセクハラ行為を受けて、日本相撲協会は13日、東京・墨田区の両国国技館で臨時理事会を開き初場所(14日初日、国技館)、3月の春場所、5月の夏場所の3場所を「出場停止」とする処分を決めた。伊之助は辞職届を提出しており、協会は処分が明ける夏場所後に受理。再び土俵に立つことなく相撲界を去る。

ちょいと一杯のつもりが泥酔へ。それがもとで築いてきた地位も名誉も、行司の将来をも失ってしまった。

理事会では、伊之助に対して初場所から夏場所後まで3場所の「出場停止」、さらにこの間の「自宅謹慎」および「報酬の無支給」という厳しい処分が下された。

また、伊之助が12日に協会へ辞職届を提出していたことが判明した。理事会は処分明けの夏場所後に受理することも決定。伊之助が再び土俵に立つことはなくなった。

協会の懲戒処分は最も重い「懲戒解雇」から「けん責」まである。今回の処分は「出場停止」だが、これに自宅謹慎などが加わるため事実上は1段階重い「業務停止」相当。しかも処分明けまで辞職届を受理しない異例の“厳罰”となった。

元横綱日馬富士が暴行問題を起こした後、協会員全員が行動を律すると誓った冬巡業中に起きたことを重視。過去にも飲酒に絡むトラブルがあったことも考慮したとみられ、八角理事長(54)=元横綱北勝海=は会見で「立行司で58歳という年齢もある。本人の責任は重い」と説明。退職をすぐには認めないことについては「反省する時間を与えた」とした。

理事会では伊之助と10代の行司から事情聴取を行った協会の危機管理委員会・高野利雄委員長(元名古屋高検検事長)の報告後、八角理事長が3場所の「出場停止」を示した。理事らに異論はなく約30分で終了した。

立行司は「結びの一番」を裁く木村庄之助(首席)と伊之助(次席)が名乗るが、庄之助は現在空位。伊之助の名前は夏場所の番付まで記載されるが、短期間を除き場所を通じて庄之助と伊之助が実質的に不在となるのは、双方が定年退職した直後の平成6年春場所以来という“異常事態”だ。

4日の臨時評議員会で暴行事件に絡む一連の関係者の処分が終結した翌日、今回の不祥事が発覚。初場所初日の前日に何とかけじめをつけた。八角理事長は会見で「暴力問題に続き伊之助の不祥事があり、誠に申し訳ない」と沈痛な表情。重苦しい雰囲気の中、新春の土俵が幕を開ける。

★取組の裁きは

立行司が不在となり、「結びの一番」は三役格の筆頭行司、式守勘太夫(58)が裁くことになった。勘太夫はこの日の土俵祭りでも、伊之助に代わり祭主を務めた。横綱の取組は三役格の木村玉治郎(57)、木村容堂(56)、木村庄太郎(54)で調整する予定で、横綱土俵入りの先導も4人で持ち回りする。

★宮城野親方&春日野部長は厳重注意

今回の処分に伴い、伊之助が所属する宮城野部屋の師匠、宮城野親方(60)=元幕内竹葉山、巡業中の不祥事とあって巡業部長を兼務する春日野広報部長(55)=元関脇栃乃和歌=は厳重注意とされた。

★伊之助のセクハラ行為

昨年12月16日、沖縄・宜野湾市で行われた冬巡業初日の夜に宿泊先のホテルで行司仲間と食事、および2次会で大量の泡盛を飲み泥酔。伊之助を部屋まで送った10代の若手行司に対し複数回キスし、胸にも触れた。伊之助は危機管理委員会の聴取に「覚えていない」「男色の趣味はない」と説明したが、この日改めて協会、ファン、若手行司に「申し訳ないことをした」と謝罪したという。若手行司は処罰を求めておらず、警察に被害届は出していない。

行司

序の口格から始まり幕内格、三役格と相撲の番付のように8段階あり、最高位は立行司。立行司は2名跡あり、式守伊之助は木村庄之助に次ぐ地位で、番付でいえば西の横綱にあたる。通例では伊之助を経て庄之助に昇格。昇格や降格は理事会で決定される。夏場所後は2名跡が空位となる可能性があるが、誰をどのように昇格させるかは未定。

式守 伊之助(しきもり・いのすけ)

本名・野内五雄。昭和34(1959)年12月23日生まれ、58歳。大阪・岸和田市出身。昭和50年2月に15歳で宮城野部屋に行司として入門。平成3年1月に「十両格」、23年11月に「三役格」に昇進し、25年11月に53歳で「立行司第40代式守伊之助」を襲名した。27年3月に第37代木村庄之助が引退し、現在は一人で立行司(行司職の最高地位)を務めている。

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臨時理事会に臨む式守伊之助。3場所の出場停止処分となった (撮影・菊本和人)

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