いつか行ってみたい!ドイツのくるみ割り人形の故郷とロマンチック街道の町が世界遺産に登録

いつか行ってみたい!ドイツのくるみ割り人形の故郷とロマンチック街道の町が世界遺産に登録

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  • 更新日:2019/10/23
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第43回世界遺産委員会で、ドイツの世界遺産に新たに「エルツ山地鉱業地域」と「アウクスブルクの水管理システム」が加わったのをご存知だろうか。

今回新たに世界遺産となった2件は、両地名とも日本には馴染みがある。エルツ山地はクリスマス飾りやくるみ割り人形などの故郷として、またアウクスブルクはロマンチック街道の町、世界史に登場するフッガー家や宗教和議で知られている。

「エルツ山地鉱業地域」と「アウクスブルクの水管理システム」が世界遺産に登録

エルツ山地(クルスナホリ)の鉱業地域

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エルツ山地(チェコ語でクルスナホリ)はドイツのザクセン州とチェコの国境にまたがる中級山地で、エルツというドイツ語は鉱石を意味する。この地に中世に興った鉱業は20世紀に入るまで存続し、特異な文化景観を作り、数々の技術革新をもたらした。それは今も景観や見学のできる鉱山、博物館といった構成要素22件を通じて体験でき、国境を跨ぎドイツ側に17件、チェコ側に5件ある。

エルツ山地のフライベルク付近で1168年に銀鉱が発見され、鉱業の歴史が始まる。15世紀末にシュネーベルクやアナベルクをはじめ多くの町が発展し、とくに1460年から1560年まで欧州有数の銀産出地となった。他に錫や鉛、鉄、コバルト、ビスマス、ウラン、ニッケルが採れ、非金属の石灰、カオリン、石炭なども採掘され、操業は1968年まで続いた。青色顔料(コバルト)は18世紀まで欧州市場のトップを占めていた。マイセン磁器には欠かせない顔料であるエルツ山地のコバルトブルーは、世界中に輸出され、ヴェネチアやボヘミアのガラス、デルフトの陶磁器などに使用された。19世紀には世界的なウラン採掘地域となった。

中世より鉱業はエルツ山地の経済と社会発展の原動力であり、800年以上も続く鉱業は、鉱山法、鉱物調査、精錬、管理と会計制度を発展させ、多くの技術革新を生み、他の欧州の鉱山の手本となった。

エルツ山地と観光

エルツ山地は木製玩具と民芸品、とくにクリスマス飾りで知られている。そのモチーフは鉱業に関連している。くるみ割り人形、煙出し人形、鉱夫人形、天使の楽団、クリスマスピラミッド、キャンドル置き等々。日本の旅行者はドイツ最古のクリスマスマーケットが開かれるザクセン州の州都ドレスデン、その南65㎞にあるエルツ山地のクリスマス玩具の村ザイフェンを訪れる。エルツ山地鉱業都市の地方色豊かな情緒あるクリスマスマーケットは、日本の旅行者にとっては未知の穴場である。

またクリスマス前の待降節に行われるユニフォームで盛装した鉱夫の大きなパレードは世界無形文化財に登録されており、国内外から旅行者を惹きつけている。この鉱夫パレードはユネスコ世界無形文化財に登録されている。アナベルク・ブッフホルツの町の文化景観は世界遺産構成要素のひとつで、クリスマスマーケット(2019年11月23日~12月23日)は有名。1100人が行進する鉱夫パレードはエルツ山地最大である(2019年12月22日)。なおザイフェン村でも鉱夫パレードがある(2019年12月14日)

アウクスブルクの水管理システム

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アウクスブルク市の今日までの発展は、革新的な技術を取り入れて水を管理し、持続可能に活用し続けていることによる。とくに13世紀以降は市が行った水管理は欧州の手本となった。構成要素は22の物件から成り、運河水路システム、15世紀から17世紀の給水塔とポンプ場、水冷利用の市食肉業、芸術価値の高い3つの大きな噴水、今も稼働する水力発電所など。人と社会が水の力から恩恵を受け、清潔な飲料水の重要性を伝える遺産である。

アウクスブルクに入ると美しい噴水や給水塔、市街に網目のようめぐらされた水路、ヴェネチアより多い大小530の橋を目にし、水が特別な役割を持つことに気づく。町は2千年余り前にレッヒ川とヴェルトアッハ川の間に築かれ、紀元一世紀にローマ人はこの2本の川の高低差を利用した。中世にレッヒ川に運河を作り、市内に物資を運んだ。

ローテス・トーア(赤門)の給水場はドイツで、たぶん中欧でも最古である。1416年に市は森の水を引いて飲料水とした。その後水車とピストンポンプで給水塔に水を揚げ、市内に供給した。この揚水の技術は、ミュンヘンやブリュッセル、ウィーン他多くの都市に伝わった。遅くとも1545年にはアウクスブルクは厳格に飲料水と雑用水を分けており、この分野では最初の都市と言われる。22の構成要素は700年余りに及ぶ技術、産業遺産、建築、美術、さらに中世の運河と水路、近世の給水施設、ルネサンス時代の3つの大きな噴水から成る。

アウクスブルクと観光

イタリアのポー河岸のオスティーリア(もう一つ、アドリア海の街アルティヌムから出るルートもあり)からアウクスブルクへとヴィア・クラウディア・アウグスタ街道が通り、中世には交易街道としてにぎわい、今はロマンチック街道として知られる。アウクスブルクはルネッサンスから近世にかけて世界で最も重要な貿易と金融の中心都市として繁栄し、豪商フッガー家は欧州の政治をも左右した。その時代の繁栄を映す名所旧跡(市庁舎、マキシミリアン通り、噴水、シェッツラー宮殿など)が観光スポットとなっている。

アウクスブルクの観光では、ロマンチック街道、ルネサンスとフッガー家というキーワードに加えて世界遺産の「水管理システム」を今後魅力的に組み入れることが重要となる。通常の観光で見るマキシミリアン通りのヘラクレスやアウグストゥス皇帝の噴水、旧市街にどこでも流れる小水路で世界遺産の「水管理」を解説できる。さらにもう一つの構成要素、例えばドイツ最古の赤門の給水塔を組み入れるとよい。アウクスブルク観光局は世界遺産「水管理システム」についてテーマ別ツアーを実施している。

構成/ino

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