卵が巻けないシェフの起死回生オムライスが人気メニューに

卵が巻けないシェフの起死回生オムライスが人気メニューに

  • 日本食糧新聞電子版
  • 更新日:2020/03/14

駅から少し離れた住宅街に位置しながら、週末には行列ができるカジュアルカフェ「Ailnoir(アイノワール)」。行列客のお目当ては、淡雪のようなオムライスだ。ベジブロスと鶏肉で炊いたチキンピラフを、ふわふわに攪拌(かくはん)した卵で包み、鉄板で提供するという異色尽くしの一皿で、週末ともなると日販90食以上の人気ぶり。オーナーシェフが料理人生命の危機を乗り越えて考案したという裏ストーリーが隠された名物料理である。

交通事故で鍋が振れなくなり…

元気が出る健康メニューをテーマにした「Ailnoir」のオーナーシェフ、原賢一氏は、かつて一流ホテルに勤務し、シェフとしてフレンチからアジアンまでさまざまな料理を担当してきた。

ところが2010年に交通事故に遭い、薬指と小指を負傷して鍋が振れなくなってしまい、28年間務めたホテルシェフを辞任。しばらく療養した末に、「パスタなどを丁寧に1人前ずつ提供することならできるかもしれない」と思い立ち、駅から少し離れたこぢんまりとした同店をオープンするに至った。

No image

(手前)チキンピラフの鉄板ふわふわオムライス 900円(税抜き) モンサンミッシェル(フランス)の伝統オムレツに発想を得て考案/(奥)にんじん・マンゴージュース 600円(税抜き)

当初、メニューにオムライスはなかったが、お客から「オムライスが食べたい」という声が多数上がるように。しかし、原氏はフライパンがあおれず、オムレツを巻くことができない。苦肉の末に、オムレツを作らず、卵も巻かなくていい「チキンピラフの鉄板ふわふわオムライス」を編み出した。

No image

全卵約1個を、時間をかけて泡立てる。忙しい時間帯には複数の電気泡立て器がズラリ。「この作り方だからこそ、注文が一気に入っても一人で対応できる」と原氏

独創的な「卵×チキンライス」を考案

作り方は、15~16種類の野菜の皮や葉を乾燥させ、「大雪旭岳原水」で戻したベジブロス(野菜だし)と鶏肉を、炒めた生米と一緒に炊く。このチキンピラフを鉄板に盛り、全卵を湯煎で温めながらかき混ぜ、さらに7~8分かけてしっかり泡立ててふんわりとかける。

No image

ベジブロスで炊いたチキンライスは固まりづらく崩れやすいため、スライスチーズをのせ、バーナーであぶって形を安定させている、とか

2段階のこの工程を経ることで、泡立てた卵が立ち、時間が経ってもぺしゃっとつぶれにくくなるという。

原氏によると、「ベジブロスに乾燥野菜を使うのは中華料理の乾物の技、その後水で戻すのは日本料理のだしをとる技、生米を炒めるのは洋食の技、鶏肉と炊くのはシンガポールチキンライスの技、きめ細かくふわっとした卵に泡立てる手法はスポンジケーキ作りの技」と、さまざまなテクニックが生かされており、「各国料理の技が駆使されているんですよ。他店ではなかなかマネできないでしょう」と胸を張る。

No image

ふわふわ卵をこんもり

指が動かなくなるという料理人にとっては大きすぎるダメージを乗り越え、再び料理人人生を取り戻すことに成功した原氏にとって、同メニューは「人生復活の一皿、起死回生のオムライスです(笑)」。

No image

鉄板で提供することで、食べ進んでいく内に火が通り、食感が多彩に変わる。おこげができるのもうれしい

●店舗情報
「Ailnoir(アイノワール)」
所在地=東京都杉並区高円寺南2-37-13 ハイム山川1階
開業=2013年
坪数・席数=12坪・18席
営業時間=午前11時30分~午後2時30分、午後6時~8時30分。水曜、第2・4木曜休み
平均客単価=1500円
1日平均集客数=平日40~50人、休日100人

投稿卵が巻けないシェフの起死回生オムライスが人気メニューに日本食糧新聞電子版に最初に表示されました。

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

お店カテゴリの人気記事

グノシーで話題の記事を読もう!
世界最上級の「ノーマ」が予約不要の店として再開 シェフの思いは
【新店】4月オープンの新進気鋭ラーメン店!トリュフオイル香る淡麗スープの妙味☆「醍ぶ」
宅配ピザのおすすめメニュー12選!ピザーラ、ナポリの窯、ドミノ、ピザハットの人気商品を全部見せ
”ウェスティン”の1,000円弁当はお値打ち!都内ホテルの「今だけ!」な特別プラン4選
【DAISO】氷がいらない!?︎冷え冷えタンブラー?
  • このエントリーをはてなブックマークに追加