相次ぐ沖縄ヘリ事故は北朝鮮有事への“出撃訓練”も一因か?

相次ぐ沖縄ヘリ事故は北朝鮮有事への“出撃訓練”も一因か?

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  • 更新日:2018/01/13
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うるま市伊計島のヘリ不時着現場(撮影・横田一)

沖縄で相次ぐヘリ事故に翁長雄志知事は「県民が日常的に危険にさらされている。日本政府は当事者能力がなく、恥ずかしさを感じてもらいたい」と安倍政権への怒りを爆発させた。

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官邸と自民党、公明党が力を入れる名護市長選(2月4日投開票)での対決の構図がさらに強まった。

米軍海兵隊用の辺野古新基地建設をゴリ押し、ヘリ事故が起きても米国にモノを言わず、住民軽視の安倍政権に対し、イエスかノーかを問う県民投票のような様相を呈してきたためだ。

読谷村残波岬を臨むリゾートホテルから約400mのところに米軍ヘリ「AH1」(普天間基地所属)が不時着した8日、すぐに現地確認に駆け付けた石嶺伝実村長は記者団にこう怒りを露わにした。

「立て続けに米軍ヘリが不時着し、極めて異常な状況が起こっている。沖縄は米軍の占領地ではないはず。原因究明まで一切の米軍機の飛行を停止してほしい」

第一通報者の農家の儀間恭昇さんも「米軍は日本の法律を超えた存在で何をやっても許される。菅官房長官は『日本は法治国家』と言って辺野古新基地建設を強行しているが、本当に法治国家なら住民を危険にさらす低空飛行を禁止すべきだ」と批判の矛先を安倍政権に向けた。

しかし沖縄県警と米軍の規制線の前に続いて現れた沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長は不時着が起きたことを謝罪したものの、米軍へ飛行停止は求めなかった。

これに対して翁長知事は再発防止には原因究明と対策実施が不可欠として「米軍ヘリの全機種点検と安全確認までの運行停止」を求めていたが、政府が行ったのは形だけの申入れだったのだ。

そして「米国第一・日本国民の命は二の次」の安倍政権の姿勢を見越すかのように米軍は翌9日、ヘリの飛行を再開させたのだ。

2日前の6日にはうるま市伊計島に同じ普天間基地所属の「UH1Yヘリ」が不時着、8日につり上げ撤去が行われたばかりだった。12月にも7日に宜野湾市の緑ケ丘保育園に大型輸送ヘリ「CH53E」の部品が落下、13日にも普天間第二小学校にCH53E の窓枠が落下するなど事故が続いている。琉球新報の普久原均局長はこう分析した。

「米連邦議会や米国防総省は世界各国で米海兵隊の事故が頻発する原因として、軍事予算削減による整備不足をあげていますが、これに加えて沖縄では北朝鮮情勢緊迫化に伴う訓練増加が重なって、年末から年始にかけてヘリ事故が相次いだと考えられます。まず全機種点検と安全確認をするべきです」

辺野古新基地建設が最大の争点の名護市長選のテコ入れで昨年末の12月29日には菅義偉官房長官、1月4日にも二階俊博幹事長らが相次いで沖縄入りしたが、訴えたのはヘリ運行停止ではなく、名護東道路の完成前倒しなどの公共事業推進(地元への利益誘導)。札びらで住民の頬を叩くようにして米軍基地受入をゴリ押ししようとしている。

これに対して野党は一斉に反発、通常国会での論戦を挑もうとしている。二つのヘリ不時着をすぐに現地調査をした共産党の赤嶺政賢衆院議員(沖縄1区)は、低空飛行禁止など米軍機への規制強化のために「通常国会で日米地位協定見直しの論議をすべき」と強調。立憲民主党の枝野幸男代表も米国にモノが言えない安倍政権を批判、希望の党の玉木雄一郎代表も民進党の大塚耕平代表も日米地位協定見直しに前向きの姿勢を示している。そして15日には合同で沖縄ヘリ事故合同視察をすることにもなった。海外では低空飛行禁止など制限は当然の権利だが、日本が未だに占領国状態が続いていることを暴露した相次ぐヘリ事故。

与野党激突の政治課題となり、名護市長選に大きな影響を与えることにもなりそうだ。(ジャーナリスト・横田一)

※週刊朝日 オンライン限定記事

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