「広谷湿原」ラムサール登録へ 高校生の熱意届く 北九州市が国に申請方針 国定公園の平尾台

「広谷湿原」ラムサール登録へ 高校生の熱意届く 北九州市が国に申請方針 国定公園の平尾台

  • 西日本新聞
  • 更新日:2018/01/13
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カルスト台地の平尾台で水をたたえる広谷湿原=2017年5月

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北九州市などに広がるカルスト台地、平尾台の「広谷湿原」について、市は国際的に重要な湿地を保全する国際条約「ラムサール条約」への登録を国に申請する方針を固めた。水が浸透しやすい石灰岩のカルスト台地は、ほとんどの雨水が地下に流入することから、湿原を形成する例は貴重という。新年度以降、必要な調査を実施して環境省に登録を申請。2021年に予定される条約締約国会議での登録を目指す。

北九州市では東筑紫学園高理科部の生徒が中心となって登録運動を推進しており、生徒の市議会への陳情(17年8月)が市を動かした。理科部の調査では、17年時点の湿原面積は約920平方メートル。周辺の人工道建設などが原因で、01年には約540平方メートルに縮小していたが、生徒たちが湿原周辺の石積みに小石を詰めるなど雨水の流出を防ぐための手入れをした結果、回復しているという。

条約への登録には九つある国際基準の一つ以上に合致することが必要。広谷湿原はカルスト台地にできた湿原で、絶滅危惧種の植物トキソウ、昆虫ハッチョウトンボが観察できる。関係者によると国際基準のうち「希少なタイプ」「絶滅の恐れのある種を支える」などに当てはまる可能性がある。

市は地質や水系、動植物などの調査費を予算計上する。登録範囲を湿原だけとするか、地下水系まで含めるかなども検討していく。締約国会議はおおむね3年に1度開催。次回は18年10月だが、調査には1年以上要するため、21年予定の会議を目指す。

市は「高校生の陳情が、登録を本格的に目指す契機となった。市民の機運を盛り上げる役目も担ってほしい」と期待する。理科部は議会陳情のほか、地場企業にも協力を呼び掛けている。部長の2年小森菜央さん(16)は「湿原の希少さをより多くの人に知ってもらえるように、登録されてほしい」と話している。

【ワードBOX】ラムサール条約

国際的に重要な湿地を保全するための条約。1971年にイランのラムサールで採択された。締約国は約170カ国。環境省によると、国内では湿原や干潟、沼沢地など50カ所が登録されている。九州には荒尾干潟(熊本県)、肥前鹿島干潟(佐賀県)など6カ所ある。

=2018/01/13付 西日本新聞夕刊=

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