元「女王様」のキャリアコーチが語る 相手に支配されない方法

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2018/02/15
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カシア・ウルバニアクの名前を耳にしたことのない人でも、間もなく彼女のことを知ることになるかもしれない。

SMの”女王様”からプロのキャリアコーチに転じたウルバニアクは最近、ニューヨーク・タイムズ紙で取り上げられたほか、ファッション情報サイト「ザ・カット」でも詳細な紹介記事が掲載された。

彼女は女性に向けた「言葉による護身術」のワークショップを主催している。重点を置いているのは、自分の無力さを感じたり、威圧されたりする状況を、どうやって言葉で打開するか、というアドバイスだ。

セクハラ反対運動「#MeToo」が広まり、女性が怒りの声を上げ始めた今、彼女は時代に合ったサービスを提供している。ニューヨークで開催する人気ワークショップの一つは、反セクハラ運動のきっかけとなった大物映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインにちなみ「Cornering Harvey(ハーヴェイを追い詰めろ)」と題されている。

ウルバニアクが創業した会社ジ・アカデミー(The Academy)主催のワークショップについて、ライターのリジー・グッドマンはザ・カットの記事で次のように書いている。

「アカデミーでは、正しいパワーポーズをとったり、内なる破壊女神カーリーを見つけ出したり、はたまたソファーに横たわって、寡黙な父親によっていかに自分の男性関係がめちゃくちゃになったかを探求したりする必要はない。むしろウルバニアクのアプローチは、(著名ドッグトレーナーの)シーザー・ミランに共通している。犬のしつけ方に関する彼の著作は、SM業を始めたばかりのウルバニアクに啓示を与えた。『動物は、他者の権威を感じない限りリラックスできない。私たちは皆、動物なのです』と彼女は要約する。人間関係に置き換えると、これは”力関係の武術”、つまり、体のための環境認知行動療法の一種だ」

ウルバニアクいわく、女性は自分が持つ力を理解し、自分の望む結果を得るためにそれを行使できるようになければいけないのだという。

ウルバニアクが出演したポッドキャストの番組「ハー・ルールズ・ラジオ」を聴いた私は、予想外の出来事で動揺してしまった場合に平静さを取り戻すための方法として彼女が推奨したシンプルながらとても効果的なアプローチに感銘を受けた。簡単に言うと、「答えたくない質問を受けた時は質問で返す」というもので、こうすることで自分からスポットライトを外して相手に当てられる。

これを彼女は、”服従”状態からより”支配”的状態への移行と表現している。これにより相手の自意識を触発し、自分の体と頭の緊張を解きほぐして出口戦略を練るための時間を稼げる。

自分を脅かす状況に対処する戦略は重要だが、ウルバニアクからのアドバイスは、より重要度の低い状況にも応用できる。

実際に、「なぜそんなことを言うの?」と聞き返すやり方は、相手の無作法を指摘する方法として有効だ。親戚の集まりで、詮索好きなおばから「妊娠? それとも冬に向けて肉をつけているだけ?」と聞かれた時、同僚から「あなたよりも私の方が昇進に値する」という不愉快な発言をされた時などに使える。思慮に欠け、精神的苦痛を与えるような不適切な自分の発言について、立ち止まって考えるよう促せば、大抵の場合相手を押し返すことができる。

ウルバニアクは、この問題にもう一歩踏み込んでいる。発言や質問の不適切さを相手にただ気づかせるのではなく、もっと強いやり方で弾き返すべきだというのだ。彼女の挙げる事例のほとんどはセクハラに関するものだが、ほんの少しの自信を持ってすれば、相手の質問に答えることで自分を弱い立場に起きたくない時にも使える。

「給与の希望額はいくらですか?」という質問には、「御社ではこの職務にいくらの価値があるとお考えですか?」と返せる。「このポジションに十分な経験を積んできたと本当に思っているのですか?」には、「御社では、勤続年数がハイパフォーマンスの指標として最適だという結論に至っているのでしょうか?」と応じる。

「年齢は?」と聞かれた時には、「それはとても失礼な質問だと誰かに教わらなかったのですか?」と答えればよい。あなたには質問に答える義務があると思い込んでいる輩には異を唱えよう。

相手に対しては強硬な態度を取ってもいいし、軽い態度で臨んでもいい。しかし、目的はあくまでも、答えたくない質問に答えたり、相手のペースに乗せられたりしないようにすることだ。これは、特に自分が油断している時は難しい。

質問に対して質問で応じるやり方はシンプルに思える。しかし、会話の流れを変え、不均衡な力関係を覆す方法があると認識することが大切だ。必要なのは”正しい”返答をすることではない。相手の質問にまったく答えなくとも、勝利を得ることはできるのだと気付くことなのだ。

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