インスタ映えの力を借りる“常夏の島”グアムの意外な現状

インスタ映えの力を借りる“常夏の島”グアムの意外な現状

  • MONEY PLUS
  • 更新日:2017/12/08

12月1日、米領グアムの首都ハガニアのスペイン広場に、日本から招待された旅行業界関係者やメディアなど、約400人が詰めかけました。催されたのは、日本とグアムの観光交流50周年を記念した歓迎レセプションです。

そこにサプライズゲストとして現れたのは、色鮮やかなドレスをまとったAKB48グループの6人のメンバー(AKB48の入山杏奈さん、SKE48の古畑奈和さん、NMB48の山本彩さん、太田夢莉さん、HKT48の朝長美桜さん、NGT48の荻野由佳さん)。

なぜ彼女たちが、このイベントにサプライズゲストとして登場したのでしょうか。現地の関係者を取材すると、日本で伝えられている情報とは異なる、グアムの現状が見えてきました。

「インスタグアマー」って何?

インスタグラマーではなく、インスタグ“ア”マー。写真・動画共有SNS「インスタグラム」で大きな影響力を持つユーザーを「インスタグラマー」と呼びますが、この日、AKBグループの6人の就任が発表されたのは「公式インスタグアマー」という役職。インスタグラムでグアムをPRするグアム政府観光局の2018年度キャンペーン「#InstaGuam(インスタグアム)」の推進役を務めます。

AKB48の入山杏奈さんは、同日に発表された「新語・流行語大賞」に触れて、「(大賞に選ばれた)まさに“インスタ映え”のスポットをみんなで巡ったので、私たちの撮った写真や映像でグアムの良いところ、素敵なところを伝えられたらと思います」と意気込みを語りました。

彼女たちを起用した理由は、AKBグループが『Everyday、カチューシャ』をはじめ、数多くのミュージックビデオをグアムで撮影していたため。今後、彼女たちは自身の公式インスタアカウントから、グアムの魅力を「#instaguam2018akb」 をつけて投稿していくそうです。

このレセプションに登場したのはAKBグループの6人だけではありません。2008年からグアム観光親善大使を務める、俳優の舘ひろしさんも登壇しました。その登壇の瞬間、舘さんの姿をスマートフォンで撮影しようと、華やかな装いの若い女性たちが歓声を上げながらステージ前に駆け寄りました。

実は、彼女たちも日本から招待された関係者。職業はモデルや会社員、ヨガインストラクターとさまざまですが、万単位のフォロワーを有するインスタグラマーとしての顔も持っています。彼女たち61人も「認定インスタグアマー」として、AKBグループメンバーと同様にPR活動にかかわります。

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「ハンブロス」の前で撮影したインスタグラマーの投稿

グアムには、日本やハワイにはない、かわいいアパレルブランドやおいしいレストランがたくさんあります。情報感度の高い彼女たちは、グアム到着後、すぐにハンバーガーショップの「ハンブロス」やアパレルの「ハファロハ」から、インスタ映えする写真を次々とアップしていました。

インスタグアマーが必要だった理由

それにしても、なぜグアム政府はアイドルや大勢のインスタグラマーを招待して、キャンペーンに起用したのでしょうか。そこには、こんな背景がありました。

今年8月、北朝鮮がグアム周辺へのミサイル発射計画を表明して以降、グアムを訪れる日本人観光客が激減しました。観光客全体では高水準を維持してきましたが、日本人だけが大きく数を減らしたのです。

「テレビなどで『島民がパニック』『島民が買い占め』といった報道が多数ありましたが、グアムで島民がパニックになったことなど一度もなく、変わらず平和な日々が営まれています。島民からは『日本人に買い占めする演技をしてほしい』と頼まれたという複数の証言も寄せられています」

こう憤るのは、グアム政府観光局広報担当の北川淳子さん。日本人観光客が激減した理由は、北朝鮮のミサイル発射計画そのものというより、その後の日本メディアによる“歪曲報道”であり、その“風評被害”だと見ています。

何がどう“歪曲”されたのか

グアムの島民は大家族が多く、車社会でもあるので、一度に買い物する量が多いといいます。ところが日本のテレビでは、スーパーに車で乗りつけて大量に買い物をする様子を「戦争の勃発に備えて物資の買い占めをする映像」として流されました。

また、カトリック信者が多く、彼らが日曜日に教会のミサに行く姿をとらえて「恐怖心から神に祈っている様子」として報じられたそうです。台風に備えて普段からガソリンを満タンに入れている姿も、同様に「北朝鮮のミサイルでパニック状態の島民」というメディアのステレオタイプに合わせた報道がなされたといいます。

このように、事実を歪曲して報道したのは日本のメディアくらい。米CNNや英BBC、中東のアルジャジーラなどは、グアムの日常に変化はなく、平和であることを確認し、グアム政府による安全宣言に比重を置いた内容だったそうです。

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ミサイル騒動後もグアム島は平穏を維持しているもよう

「グアム政府が米軍から入手した、グアムにミサイルが着弾する確率は0.000001%で、可能性はほぼないと断言できるでしょう。10月から12月末までに7つの修学旅行の予約も入っていますが、そうしたことを説明しても報道からカットされてしまう。日本の皆様には、報道機関のみならず、日本やグアムの各政府機関が発信している情報にも目を向けていただきたいと思います」(北川さん)

こうしたネガティブな報道による風評を払拭し、平穏であるという事実と観光地としてのポジティブなイメージを拡散するのに打ってつけな存在が、アイドルや有名インスタグラマーたち、というわけです。

JAL増便の“露払い役”として期待

フォロワー数73万人を誇る山本彩さんが12月5日にグアムの砂浜で撮った写真をインスタグラムに掲載したところ、「いいね」が7.7万件もつけられ、その影響力の大きさを見せつけました。その他のAKBグループのメンバーやインスタグラマーの写真にも数千件の「いいね」がついています。滑り出しは上々のようです。

さらなる朗報もありました。レセプションに来賓として招かれた日本航空(JAL)の長田博文グアム支店長が「2018年3月25日から、グアム便を成田から1日に2便飛ばします」と発表すると、会場は大きな拍手に沸きました。

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レセプション会場の様子もインスタグラムに投稿

今回のJALの増便は、約7ヵ月間の試験運航です。それでも、米デルタ航空の日本―グアム路線からの完全撤退、米ユナイテッド航空の減便と逆風が強まる一方だった状況下、グアムにとって追い風となることは間違いありません。

「(山本彩さんのインスタグラムへの反応は)予想以上の効果で、われわれも大変うれしく思っています。グアム政府の中でも、彼女たちがこの逆境を覆してくれるという期待は大きいです」と北川さんは力を込めます。インスタグアマーたちがネガティブな風評を吹き飛ばし、新たな風を呼び込めるでしょうか。

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