『ドラッグスター400』の生産終了!時代を飾ったミドルクラスのクルーザーたち

『ドラッグスター400』の生産終了!時代を飾ったミドルクラスのクルーザーたち

  • @DIME
  • 更新日:2017/11/14

今年9月から現行モデルにも適用された「平成28年排出ガス規制」によって、さまざまなモデルがラインナップから姿を消すことになった。じつはその中で、400ccクラスのアメリカンバイク……ミドルクルーザーすべてが生産を終了したことをご存知だろうか? 90年代初頭、ヤマハ・ビラーゴやホンダ・スティードによって火がつき、ファッションとバイクを結びつけることによって、これまでバイクに興味のなかった人たちをも巻き込んだミドルクルーザーブーム。ここでは各時代を象徴するモデルを紹介するとともに、その功績をあらためて振り返りたい。

■クラシックにスポーティー……個性豊かなモデルがたくさんあった!

もともとクルーザーといえば、ハーレー・ダビッドソンがその本家ともいえる存在。しかし、免許制度の違いもあって、ハーレーには普通二輪免許で乗れるモデルは存在しない。そこで国内メーカーは昔から、400cc以下のクルーザーを数多く作ってきた。

古くは1970年代、Z400LTDやXS400スペシャルなどで、これらはスポーツモデルにアップハンドルや段付きシートを装着し、リアサスペンションを短くしてローダウンを施したもので、ハーレーなどの「本格クルーザー」とは似ても似つかないもの。当時はこれらのモデルもそれなりに人気を博したのだが、もっと「らしい」モデルが欲しいという要望が高まり、各メーカーが専用フレームを使った「本格クルーザー」を生み出したのが、80年代中頃である。

こうして誕生したヤマハ・ビラーゴやスズキ・サベージはロー&ロングのシルエットを持ち、大型二輪免許(当時は「限定解除」)を持たないライダーや、高価なハーレーを買えないライダーに人気を博した。そして80年代後半、ホンダが発売したモデルが、密かに高まりつつあったクルーザー人気に本格的に火をつけた。そう、スティード400の登場である。

一見するとリジッドフレーム(リアサスペンションのないクラシカルなフレーム)に見える外観に、美しいV型2気筒エンジン、映画「イージー★ライダー」に出てくるチョッパーを思わせる長くて寝かされたフロントフォークなど……そのどれもがこれまでのミドルクルーザーにないクオリティー。その秀逸なスタイリングに、従来のライダーだけでなく、これまでバイクに興味のなかった若者までもが飛びついた。

そして90年代に入ると、本格的なクルーザーブームが到来。ホンダだけでなく、スズキやカワサキからもV型2気筒エンジンを搭載したミドルクルーザーが次々とリリースされ、さらにヤマハからドラッグスター400が登場。こうして90年代後半から00年代前半に、クルーザー人気は最盛を迎えたのだ。

その後は熟成期に入り、ミドルクルーザーは定番ジャンルとなり、根強いファンに支えられた。しかし、その後も相次ぐ排ガス規制によって、ラインナップは徐々に減っていき、それとともに人気もゆっくりと下火になっていった。そして2010年以降は、現行として残ったモデルもほとんどモデルチェンジをすることもなくなり……ついに先日、全モデルが生産を終了することになったのだ。

こう書くと、なんとも寂しい感じではあるが、実際には今でもクルーザーファンは多くいて、今でも各地で開催されるイベントやファンミーティングは大盛況だという。だからこそ、現在ラインナップがなくなってしまったのはあくまでも一時的なもの……近い将来、魅力的なミドルクルーザーがリリースされることに期待したい!

■1980年代 黎明期

各メーカーそれぞれの個性が光っていたのが80年代。クルーザーとひとくちに言っても、エンジン形状や車体シルエットはバラバラで、それがなんとも面白い!

No image

YAMAHA XV400 VIRAGO

空冷V型2気筒エンジンを搭載した、当時としてはかなり“本格的”な1台。燃料タンクに見えるのはダミーで、実際のタンクはシート下に設置されている。

No image

SUZUKI LS400 SAVAGE

チョッパーを思わせるスタイリッシュなシルエットに、直立した空冷単気筒エンジンが特徴的。鼓動感が強そうだが、じつはエンジンにはバランサーが組み込まれているため、驚くほど振動は少ない。

No image

KAWASAKI ELIMINATOR400

一般的なクルーザーのイメージとは異なり、ドラッグレーサーを思わせるスタイリングを持つ。エンジンは水冷直列4気筒で、見た目通りの高出力を発揮。熱狂的なファンを獲得した。

No image

HONDA STEED400

個性派モデルが乱立するなか、スティードの登場は多くのクルーザーファンに衝撃を与えた。ロー&ロングのシルエットにV型2気筒エンジンの組み合わせは、その後のミドルクルーザーの方向性を決定づけた。

■1990年代 全盛期

スティードの登場によって、本格的なブームが訪れたのが90年代だ。各メーカーもそれまでの独自路線をやめ、リジッド風フレームにV型2気筒エンジンを搭載したモデルをリリース。おしゃれにバイクに乗りたい若者が、こぞってミドルクルーザーを購入した。

No image

KAWASAKI VULCAN400

フロント21ホイールやティアドロップタイプの燃料タンク、さらに存在感のあるエンジンなど、「ミドルクルーザーへの要望をすべて満たした」と言われるほどの完成度を誇ったのが、カワサキ・バルカンだ。シンプルなフレーム構成はカスタムベースとしても人気が高かった。

No image

KAWASAKI VULCAN400 CLASSIC

バルカンをベースに16インチホイールやディープフェンダー、幅の広いハンドルなどを装着し、クラシカル感を高めたモデル。ちなみにドラッグスターにもクラシックを登場させるなど、この当時、各メーカーはスタンダードモデルとは別に派生モデルとして「クラシックライン」をリリース。そのラインナップを充実させていった。

No image

HONDA SHADOW <400>

チョッパーテイストを持つスティードとは別に、ホンダは重厚なフォルムのシャドウをリリース。フレーム形状やエンジンの外観をスティードとは異なるものとすることで、シャドウも独自のファンを獲得。人気を高めていった。

No image

SUZUKI INTRUDER400

流麗なボディデザインに美しい造形を持つエンジンが特徴的。400ccらしからぬ図太い鼓動感も人気のポイントだった。

No image

HONDA STEED VLS

ミドルクルーザー全盛期には変わり種モデルもたくさんリリースされた。こちらはスティードにクラシカルなスプリンガーフォークを装着したバリエーションモデル。

No image

KAWASAKI VULCAN DRIFTER

これも変わり種。通称「エスカルゴフェンダー」を装着した、まるで戦前車を思わせる1台。400ccとは思えない巨体が話題になった。

No image

SUZUKI DESPERADO

倒立フロントフォークに極太3本キャストホイールなど、マッシブなイメージを前面に押し出した変わり種モデル。ブルバード400のルーツでもある。

No image

YAMAHA DRAGSTAR400

スティードに変わり、ミドルクルーザーブームを最後まで牽引し続けたのが、ドラッグスター400。登場は1996年で、じつに20年もの間、トップに君臨し続けたのだ。

■2000年代 円熟期

2000年代に入るとブームも落ち着きを見せ始め、むしろ本当にクルーザーが好きなライダーたちが、オンロードスポーツやオフロードなどと同じように、ミドルクルーザーを「定番スタイル」として楽しむようになった。そのため、モデルラインナップもオーソドックスなものが残っていったのだ。

No image

HONDA SHADOW CLASSIC <400>

シャドウの後継として、ホンダ唯一ののミドルクルーザーとしてラインナップしていたのがシャドウクラシック。適度な鼓動感と扱いやすさが好評だった。

No image

SUZUKI BOULEVARD

スズキはスタンダードなスタイルを持つイントルーダークラシックと、ここに紹介するブルバード400を先日までラインナップしていた。デスペラードのコンセプトを受け継ぐ硬派な1台だ。

No image

YAMAHA DRAGSTAR CLASSIC 400

重厚感のあるディープフェンダーを装着したドラッグスタークラシックは、ドラッグスターとともにミドルクルーザー人気の立役者。残念ながら、今回の排出ガス規制によって生産を終了した。

佐賀山敏行(さがやま・としゆき)

学生時代からのバイク好きが高じて、カスタムバイク専門誌やハーレー専門誌などの編集長を歴任。現在はヤマハSR400に特化したウェブマガジン「The SR Times」を運営する。ほかにも出版業界紙や金融・投資に関する記事執筆など、幅広いジャンルで活躍中。

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

経済カテゴリの人気記事

グノシーで話題の記事を読もう!
「いきなりステーキ」株価いきなり大高騰の理由
「ブラックフライデー」始まる、日本では1日前倒しで
"年間1.6億人"が来るサイゼリヤの客単価
「さすが先進国」「日韓の根本的な違いを感じる」日本企業のノー残業に韓国ネットが感心しきり
中国ではあり得ない、リコール神対応「ダイキン空気清浄機」日本の常識は、世界の非常識
  • このエントリーをはてなブックマークに追加