税務調査でみんなが見落とす重要ルール...確定申告で収入を少なく記載→7年分も巨額追徴課税

税務調査でみんなが見落とす重要ルール...確定申告で収入を少なく記載→7年分も巨額追徴課税

  • Business Journal
  • 更新日:2018/10/12
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元国税局職員、さんきゅう倉田です。好きな調査期間は「7年」です。

税務調査が「いつ来て」「どんなことをするのか」という疑問は、事業経験の少ない経営者や個人事業主なら、当然のように持っていると思います。しかし、もう一歩踏み込むと、疑問に思うことすらない、“重要なルール”があります。

それが「何年分調査をするのか」です。1回の税務調査で、1年分の帳簿を見るのではなく3年分を見れば、単純計算で追徴税額が3倍になります。実際に、1年分しか見ないということはありません。何年分見ることができるのかは、税法に定められています。

【国税通則法70条(抜粋)】
更正決定等は、期限又は日から五年を経過した日以後においては、することができない。
4 更正決定等は、第一項又は前項の規定にかかわらず、期限又は日から七年を経過する日まで、することができる。
一 偽りその他不正の行為によりその全部若しくは一部の税額を免れ、又はその全部若しくは一部の税額の還付を受けた国税についての更正決定等

国税通則法という、税の基本が書かれた法律には、上記のようにあります。要約すると、「更正決定は、5年分しかできない。ただし、偽りその他不正の行為があった場合は、7年分できる」ということです。

税務調査があって、納税者の申告や会計上の処理に誤り、あるいは不正があると「否認」されます。否認されると、ほとんどの場合は調査官の指示に従って修正申告をすることになります。しかし、納得がいかなければ修正申告をしなくても構いません。すると、「更正決定」されます。税務署が「あなたの申告は間違っていました。正しい納税額はこちらです」と、追加で納税することを促されるのです。

上記の70条ではこの期間について「基本的には5年分ですが、悪いことをしていれば7年」と定めているわけです。だから、それを超えて遡及して調査することはありません。税務調査で悪いことといえば、重加算税です。重加算税について書かれた国税通則法68条には、「納税者がその国税の事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装したときは、重加算税を課する(抜粋)」とあります。

つまり、「仮装・隠ぺいがあれば重加算税を賦課します」ということです。仮装・隠ぺいは「偽り、不正」に該当するので、重加算税を賦課されれば7年分調査できます。しかし、実務上は、不正があっても3年分で済ませたり、5年にとどめたりすることもあります。調査官は鬼ではないですし、非効率的なことはしません。納税者に速やかな修正申告を促すために妥協するのです。7年分取らない代わりに、納得して修正申告をしてもらうというわけです。

●7年分遡及された場合は悲惨

ただ、7年分となったときは大変です。不正があったために7年分の調査になると、5年から7年の間に不正以外の単純な誤りがあっても否認されてしまいます。本来、不正がなければ遡及されなかった誤りの分も納税しなければいけません。

「偽り、その他不正の行為」には、単純に少ない収入金額を記載することも含まれます。事業を行っていて、収入を少なくする場合は、売上に関する書類を破棄し、それに対応する経費関連の書類も破棄するような方法が一般的ですが、以前、給与所得者が源泉徴収票の金額より少ない金額を確定申告書に記入するという珍しい事例がありました。それは外国人で、「先輩から、この方法で税金が還付になる」と教えられ、毎年不正を行っていました。「脱税したい」といった気持ちはなかったそうですが、立派な不正です。

明らかな不正行為でも「遡及するのはおかしい」と叫ぶ人もいます。売上の一部を除外し、そのお金を公表していない預金口座、いわゆる「簿外の口座」に貯めていたところ、重加算税を賦課され、7年遡及された例もあります。「売上除外」は不正行為の王道です。見逃されることはありません。

みなさん、調査の前にはさまざまな準備をされると思います。不正が認められれば、本来は追徴されない金額まで納める羽目になるかもしれません。どんなときも正しく、きれいに納税することをお勧めします。
(文=さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人)

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