韓国、GSOMIAを一方的に破棄→失効直前で日本に輸出規制の撤回求める...国際社会で窮地に

韓国、GSOMIAを一方的に破棄→失効直前で日本に輸出規制の撤回求める...国際社会で窮地に

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  • 更新日:2019/11/14
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安倍晋三首相(右)と韓国の文在寅大統領(左)(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の失効が11月22日に迫っている。

韓国の鄭義溶国家安全保障室長は「韓日関係が正常化されれば延長を検討する用意がある」と発言しており、韓国は日本の輸出管理強化の撤回を求めている。しかし、日本としては、菅義偉官房長官の「我が国の輸出管理の見直しは、関連する国際ルールにのっとって輸出管理制度を適切に実施する上で必要な運用の見直しだ。同協定の終了とはまったく次元の異なる問題であり、韓国側の主張は認められない」という対応がすべてだろう。

日本が7月に安全保障上の問題を理由に輸出管理を強化したことに反発した韓国は、8月に一方的にGSOMIAの破棄を決定した。その際、強い懸念と失望を表明したアメリカは、ここにきて再び韓国に圧力をかけている。11月6日、訪韓したデービッド・スティルウェル国務次官補(東アジア・太平洋担当)は康京和外相らと会談し、GSOMIAの破棄を主導した金鉉宗国家安全保障室第2次長に判断の見直しを迫ったことが報じられた。

また、11月12日には米軍の制服組トップであるマーク・ミリー統合参謀本部議長が安倍晋三首相と会談し、GSOMIAについては「期限が切れるまでに解決したい」と述べている。ミリー議長は13日から訪韓し、直接交渉で翻意を促すとされている。また、11月15日にはマーク・エスパー国防長官も韓国を訪れ、GSOMIAおよび在韓米軍の駐留経費増について、アメリカ側の意向を伝えるとされている。

GSOMIA失効の裏に在韓米軍の駐留経費問題も

そもそも、アメリカ側への事前通告なしでGSOMIA破棄を決定した韓国の対応はアメリカの顔を潰す行為であり、このまま失効すれば米韓同盟に入った亀裂はさらに大きくなることが必至だ。現在、アメリカのドナルド・トランプ大統領は韓国に在韓米軍駐留経費の大幅な負担増を求めており、現行の5倍以上である約48億ドルを要求している。そのため、韓国国内では、GSOMIA問題を負担金交渉のカードに使うとの報道もあったが、これは逆効果にしかならないだろう。

そもそも、トランプ大統領が韓国に負担増を求める背景には、「韓国は不当に安い値段でアメリカに安全保障を依存している」というロジックがある。そのため、かねて在韓米軍の撤退も辞さない姿勢を見せてきた。一概に比較はできないが、米軍はシリアからの撤退を決めるなど、トランプ大統領は興味を失った相手に対しては非常に冷たい一面を持つ。そんな状況のなか、今の韓国がGSOMIA問題を対米交渉のカードとして使うのは、逆にアメリカの機嫌を損ねることにしかならないだろう。

周知の通り、韓国がGSOMIAの破棄を決定して以降、北朝鮮が再び弾道ミサイルの発射を繰り返している。アメリカのランドール・シュライバー国防次官補は「日本と韓国の関係が緊張することは、中国や北朝鮮のような国に利益を与えるだけだ」と語っており、前述のミリー議長と面会した茂木敏充外務大臣も「日米韓の足並みの乱れは地域の不安定化を招き、北朝鮮のみならず、中国、ロシアを利することになりかねない」と述べているが、まさに韓国の政策が東アジアの軍事的リスクとなりつつあるわけだ。

韓国の対応について、日本は一貫して静観の構えを貫いているが、そもそも自ら「竹のカーテン」(共産主義陣営と反共主義陣営の境界線)をくぐって「レッドチーム」(共産主義陣営)入りしようとしている韓国を優遇する必要などないし、むしろしてはならない。前述のように、韓国は対米交渉のカードを持っておらず、北朝鮮とアメリカが直接交渉できるようになったことで、対北交渉のカードも失ったことになる。国際社会での存在価値が極めて希薄化しているのだ。

韓国メディアの「中央日報」は、韓国政府当局者による「日本政府が今年、隠密に『韓国を相手に、助けるな、教えるな、関係を結ぶな』という3つの非公開原則を立てた」「輸出規制もこの原則に基いて立案、執行されたと把握している」という声を伝えている。この真偽はさておくとしても、日本は韓国に対して積極的に干渉しない「戦略的放置」という対応が、もっとも正しいのではないだろうか。

(文=渡邉哲也/経済評論家)

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