18年春ドラマ20作、視聴率無視でガチ採点! なぜフジ・テレ東2作高評価?

18年春ドラマ20作、視聴率無視でガチ採点! なぜフジ・テレ東2作高評価?

  • マイナビニュース
  • 更新日:2018/04/26
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20作品がそろった2018年の春ドラマ。今回もドラマ解説者の木村隆志が、全作品の初回放送をウォッチ。俳優名や視聴率など「業界のしがらみを無視!」したガチンコでオススメ作品を探っていく。

別記事(2018年春ドラマのオススメ・傾向分析! 黒いカリスマ、テレ朝一強の意味)において、2018年春ドラマの主な傾向を[1]「毒をもって毒を制す」黒いカリスマの痛快劇 [2]春らしいフレッシュな「初主演俳優」がそろい踏み [3]視聴率は「テレビ朝日の一強」への3つと分析。

おすすめドラマとして、『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系・月曜21時)、『ヘッドハンター』(テレビ東京系・月曜22時)、『おっさんずラブ』(テレビ朝日系・土曜23時15分)、『シグナル』(フジテレビ系・火曜21時)、『いつまでも白い羽根』(フジテレビ系・土曜23時40分)の5本を選んだ。

本記事では、それらを含む全作品のショートレビューと、目安の採点(3点満点)を挙げていく。

○『コンフィデンスマンJP』月曜21時~フジテレビ系

長澤まさみ

出演者:長澤まさみ、東出昌大、小日向文世ほか

寸評:キャラ設定もストーリー展開も荒唐無稽ながら、視聴者の意表を突く結末につなげる脚本は古沢良太ならでは。1年以上前から準備を進め、日韓中同時制作という大プロジェクトに相応しい突き抜けた作品に。長澤らキャストの演技トーンもそろい、理屈抜きに笑わせてくれる。

採点:【脚本☆☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】

○『ヘッドハンター』月曜22時~テレビ東京系

江口洋介

出演者:江口洋介、小池栄子、杉本哲太ほか

寸評:他枠がケレン味や脱力に走る中、「クールなトーンで会社と人間を描こう」というスタンスが素晴らしい。説明ゼリフの処理やベテラン俳優の芝居を見せつけるような脚本は、さすが林宏司。WOWOW風だが、共同テレビのエースを並べたスタッフ力で、エンタメ度は上回る。

採点:【脚本☆☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】

○『シグナル 長期未解決事件捜査班』火曜21時~フジテレビ系

坂口健太郎

出演者:坂口健太郎、北村一輝、吉瀬美智子ほか

寸評:目を引くのは、韓流リメイクの物語ではなく、映像の質感。青や緑のフィルターをかけたような色味で、硬質なサスペンスのムードを漂わせている。安易な一話完結に走らず、事件とミステリーを連鎖させる連ドラらしい脚色に好感が持てる上に、青臭い刑事を坂口が好演。

採点:【脚本☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】

○『花のち晴れ~花男Next Season~』火曜22時~TBS系

杉咲花

出演者:杉咲花、平野紫耀、中川大志ほか

寸評:放送前から話題も仕掛けも前シリーズ関連ばかりだが、フレッシュなキャストを思えば仕方なし。ただ世界観を完全に踏襲している分、「なぜ今なのか?」の答えがなければ色あせた印象に。経験豊富な杉咲と中川は安定しているだけに、作品の出来は平野の頑張り次第。

採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆ 期待度☆】

○『特捜9』水曜21時~テレビ朝日系

寺尾聰

出演者:井ノ原快彦、羽田美智子、寺尾聰ほか

寸評:やや無理のある再集結ながら、はじまってしまえば問題なし。ただ、他メンバーの『9係』らしいやり取りが健在な分、しばらくは寺尾の含みあるキャラが浮いてしまいそう。安易な対立構図などを描くよりも、「ポジティブなマンネリ」を貫くほうがこのシリーズらしい。

採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

○『正義のセ』水曜22時~日本テレビ系

吉高由里子

出演者:吉高由里子、安田顕、三浦翔平ほか

寸評:ヒロインは「清く、正しい、美しい」、王道の正義の味方だけに、悪を裁く爽快感は保証済み。反面、どんなに事件を難解にしても、終盤の展開が読めてしまうのが、検事モノの難しいところ。「吉高が検事に見えるか?」でつまずいた人も、安田の芝居でお釣りがくるはず。

採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

○『警視庁・捜査一課長 season3』木曜20時~テレビ朝日系

内藤剛志

出演者:内藤剛志、安達祐実、金田明夫ほか

寸評:「理想の上司像を描く」という意味で、良くも悪くも「昔ながらの熱い刑事ドラマ」だけにリアルタイムで見る中高年層と好相性。今シリーズも視聴率は安定するだろう。新加入の安達とナイツ・塙は賛否両論あって当然だが、柔道の元スター選手、元主夫という設定は面白い。

採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆】

○『未解決の女 警視庁文書捜査官』木曜21時~テレビ朝日系

波瑠

出演者:波瑠、鈴木京香、沢村一樹ほか

寸評:「窓際の部署」「バディは正反対のキャラ」「中年刑事が脇を固める」など、テレ朝仕様の設定がズラリ。波瑠と鈴木の美しさと茶目っ気が魅力として加わり、刑事ドラマファンは安心して見ていられるだろう。女性バディが新たなテレ朝シリーズのラインナップに加わるか。

採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

○『モンテ・クリスト伯 -華麗なる復讐-』木曜22時~フジテレビ系

ディーン・フジオカ

出演者:ディーン・フジオカ、大倉忠義、山本美月ほか

寸評:3期連続の復讐劇で「またか」の感はあるが、スケールと映像美は随一。単なる復讐に留まらず、90年代のジェットコースタードラマを思わせるドロドロな人間模様が売りだけに、中盤以降に盛り上がるはず。若手からベテランまでキャスト数が多く、相関図は大河ドラマ級。

採点:【脚本☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

○『ラブリラン』木曜23時59分~日本テレビ系

中村アン

出演者:中村アン、古川雄輝、大谷亮平ほか

寸評:前作『リピート』に続いてファンタジー色の濃い設定。男性2人の三角関係では、「男性キャストの魅力がすべてを左右する」だけに、序盤の演出と演技に不安を残した。3カ月間の記憶喪失と外見のビフォーアフターなどの難役に体当たりで挑む「中村が孤軍奮闘」の印象。

採点:【脚本☆☆ 演出☆ キャスト☆ 期待度☆】

○『執事 西園寺の名推理』金曜20時~テレビ東京系

上川隆也

出演者:上川隆也、佐藤二朗、八千草薫ほか

寸評:上記のキャストに加え、里見浩太朗、古谷一行らベテラン俳優をそろえてキャストは盤石。同枠の視聴者に合わせたのか、事件や謎解きがシンプルで、説明ゼリフが多く、さすがに物足りない人も多いのではないか。佐藤や浅利のコメディパートが成熟していくことを期待。

採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆】

○『デイジー・ラック』金曜22時~NHK

佐々木希

出演者:佐々木希、夏菜、徳永えりほか

寸評:「ナチュラルなアラサー」という難しいキャラ演出に挑戦したが、個性的な女優ばかりからか、初回はハマらず。職業や恋の相手がバラバラな群像劇は、1人1人の魅力がなければ分散するだけの不安も。「アラサー」「歳はいくつ?」など年齢絡みのトークも多すぎると危険。

採点:【脚本☆ 演出☆ キャスト☆ 期待度☆】

○『あなたには帰る家がある』金曜22時~TBS系

中谷美紀

出演者:中谷美紀、玉木宏、木村多江ほか

寸評:見せたいのは「夫婦のあるある」なのか、「不倫と再生」なのか、どちらつかずで、核となる視聴者層が散漫に。中谷と玉木の夫婦は華がある反面、整い過ぎでもあり、「どれだけ壊れた姿を見せられるか」が鍵を握る。ユースケ・サンタマリアの役を含め、演出の加減が難しい。

採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆】

○『家政夫のミタゾノ』金曜23時15分~テレビ朝日系

剛力彩芽

出演者:松岡昌宏、剛力彩芽、余貴美子ほか

寸評:初回から脚本家・八津弘幸のセルフパロディが炸裂。随所に失笑を誘う仕掛けを施すなど、ナンセンスを極めた筋書きは、ただただ楽しい。悪ふざけとしか思えないエンディングや主題歌も含め、前シリーズから細部でブラッシュアップ。ただ、この品質を最後まで保てるか。

採点:【脚本☆☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆☆】

○『やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる』土曜20時15分~NHK

神木隆之介

出演者:神木隆之介、田辺誠一、南果歩ほか

寸評:スクールロイヤーが主人公の作品は、昨秋から続く“新・学園ドラマ”の流れ。校長やカウンセラーよりもキャラが立ちやすく、神木らしい向こうっ気の強さが引き出されていた。イジメやモンペ母の描写がありきたりで極端過ぎるため、問題の本質に迫れていないのが残念。

採点:【脚本☆☆ 演出☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

○『Missデビル 人事の悪魔・椿眞子』土曜22時~日本テレビ系

菜々緒

出演者:菜々緒、佐藤勝利、木村佳乃ほか

寸評:菜々緒の悪女に慣れている人が多い分、悪魔としてのインパクトは弱め。初回冒頭からトラウマの描写があるほか、理にかなった策も多いなど、むしろ救世主のムードも。蹴りのシーンなど、軽い演出が多いこともあってテンションが一定せず、視聴者に壁を作らせている。

採点:【脚本☆ 演出☆ キャスト☆☆ 期待度☆】

○『おっさんずラブ』土曜23時15分~テレビ朝日系

田中圭

出演者:田中圭、林遣都、吉田鋼太郎ほか

寸評:夜の公園で絶叫告白、シャワーを浴びながらキス。真剣かつ純粋なラブストーリーの当事者をおっさんに変えただけでこんなに笑えるのは俳優3人の技量に他ならない。トイレの「勇気を持って一歩前進」など笑いどころは多いが、LGBT方面の苦情が来ないかやや心配。

採点:【脚本☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】

○『いつまでも白い羽根』土曜23時40分~フジテレビ系

新川優愛

出演者:新川優愛、伊藤沙莉、加藤雅也ほか

寸評:気取らず、欲張らず、看護学校の世界をリアリティたっぷりに描きつつ、職業モノとしてのエンタメ性をプラス。昼ドラ時代の東海テレビを思わせるピュアな制作姿勢で、素直に新川らを応援したくなる仕上がり。地味だが、ほぼ絶滅状態の“新年度成長物語”は連ドラの良心。

採点:【脚本☆☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆☆】

○『ブラックペアン』日曜21時~TBS系

竹内涼真

出演者:二宮和也、竹内涼真、内野聖陽ほか

寸評:手術シーンを筆頭にカット数の多さは特筆モノで、スピード感とスリリング感を加速。労力を惜しまない当チームらしい作品だが、初回は似た手術シーンと敵のやられぶりが2度あるなど、作為的かつ誘導的すぎるのが不安。『振り返れば奴がいる』が頭をよぎる人は多い。

採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

○『崖っぷちホテル!』日曜22時30分~日本テレビ系

岩田剛典

出演者:岩田剛典、戸田恵梨香、浜辺美波ほか

寸評:誰が見ても『王様のレストラン』を思わせる喜劇だが、名作と比べるのは酷というもの。ダメなのに愛らしいスタッフ、テンポのいい会話劇、穏やかながら痛快な再生物語……これらにどこまで迫れるか。序盤は戸田が主人公の印象が強く、早くも岩田の真価が問われている。

採点:【脚本☆☆ 演出☆ キャスト☆☆ 期待度☆】

■著者プロフィール木村隆志コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。雑誌やウェブに月20~25本のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などの批評番組にも出演。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』など。

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