名スカウトが選ぶドラフトで1位指名すべき12人の逸材

名スカウトが選ぶドラフトで1位指名すべき12人の逸材

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  • 更新日:2016/10/19
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表1 片岡氏が選ぶドラフト有力候補 投手編

プロ野球ファン注目のドラフト会議が、いよいよ2日後(10月20日)に迫ってきた。各球団の編成、スカウトは、当日の会場のテーブルに付くまで情報を集めながら、指名ランクづけの作業を行うが、元ヤクルトのスカウト責任者で、古田敦也や宮本慎也らの逸材を発掘した片岡宏雄氏に、今ドラフトの格付けをする中で「1位指名すべき逸材」、逆に「人気だけど危なさも兼ね備える選手」をピックアップしてもらった。

片岡氏は「今ドラフトで能力、素材、将来性を含め事実上の特Aは4人」と断言した。

表を参考にしてもらいたいが、片岡氏が特Aと評価したのは、最速156キロをマーク、昨年プロの若手選抜との交流戦で7連続三振をやってのけた創価大の田中正義投手、今年7完封を記録して最速153キロの桜美林大、佐々木千隼投手、夏の甲子園優勝投手、作新学院の今井達也投手、左腕でありながら最速150キロをマークした履正社の寺島成輝投手の4人だ。

「田中は、肩の状態がどうかが問題だろうが、深刻でなく回復の見込みがあるなら、まぎれもなく特Aの1位候補。ストレート、変化球、まとまり、プレートさばきも含めて、即ローテーに入ることのできる一級品だ。 安定感ならば佐々木。春から下半身に強さが出ている。そう伸び幅は期待できないが計算は立つ。逆に寺島は成長も期待できる。上半身と下半身のバランスに問題があって即戦力の安定感を彼に求めるのは、まだ酷だが、直球で空振りを取れ、リズムが抜群でリリースポイントが安定して打者に近い位置にある。中日で夏場からローテーに入った小笠原よりも上。素材として江夏豊級だろう。チーム事情として左が足りない、というところは、寺島に入札してくるだろうと思う。ただ、そういうチーム事情を抜きにして考える場合、私がスカウトの責任者ならば、迷わず今井を1位指名する。彼はピッチャーに必要なものをすべて持っている。まだプロとしての肉体に“芯”がないが、制球力もあり、間合い、センスを持っている。肘の使い方が柔らかい。無理をさせることなく育成ができるチームに入ることができて、体の“芯”がついてくれば、将来、メジャーに行ったマエケン、岩隈級の大エースになれる可能性がある」

片岡氏が、続くA評価にしたのは、瀬戸内高時代に、そのスライダーをダルビッシュ有に絶賛された東京ガスの山岡泰輔、日米大学野球で存在感を示した明大の本格派、柳裕也、そして「高校ビッグ3」と評価されていた花咲徳栄の大型左腕、高橋昴也に、甲子園組からは、広島新庄の左腕、堀瑞輝、フォームがそっくりなことから“松坂2世”と呼ばれていた最速154キロの創志学園の高田萌生、さらに甲子園出場はできなかったが、東海大市原望洋の右腕、島孝明を“隠れ1位”としてピックアップした。

「山岡は、ピッチングによどみがない。。体をうまく使っていてバランスがいいい。ストレートと変化球の腕のふりや形が変わらないし、アウトコースの出し入れができるから、結果は出せる。だが、将来大化けするような面白みはない。社会人では、大阪ガスの左右2人(酒居知史、土肥星也)も即戦力だろう。
中日が狙っていると言われる柳は体が堅いことが少し気になるが、ボールの出所が独特で打者は戸惑うかもしれない。スケールも大きい。高校生では、下半身に馬力がついて、ここぞのところでボールに力があった左腕の高橋が素材として魅力。ただ個人的に評価しているのは、東海大市原望洋の島だ。馬力があって、しっかりと体重がボールに乗っている。ストレートは一級品。甲子園には出ていないが、ビッグ4と相違はない。広島の堀は、キレがあり球筋がいいし、打者に向かっていく姿勢も買える。松坂2世と呼ばれる高田は、甲子園では、評価を落としたのかもしれないが、投げる形とプレートさばきは目をひく。投球フォームとバランス、球離れもいい。ストレートは、最速で154キロにアップしていたしスライダーに制球力もある」

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表2 片岡氏が選ぶドラフト有力候補 野手編

逆に片岡氏が「危なさを兼ね備えている」と、疑問符を投げかけるのは、高校ビッグ4では、横浜の藤平尚真であり、外れ1位候補として名前が挙がっている流通経済大の生田目翼、阪神など5球団が注目している立正大の153キロ右腕、黒木優太、例年逸材を輩出している富士大の152キロ右腕、小野泰己らの大学生組だ。

「外れ1位候補と呼ばれている大学生のピッチャーは、未完成部分が目につく。即戦力というよりも時間がかかる印象が強い。生田目は、まだ下がバラバラ。1球、1球にムラがある。黒木も腰高が気になる。小野も下半身を使ってボールを引っ張ってくることができていない」

一方、野手では、日大の京田陽太、中京学院の吉川尚輝の大型ショート2人がA評価。「可能性に期待したい」と、B評価ながら、全日本大学代表で4番を任された白鴎大の大山悠輔・三塁手と、立教大の1、2番タイプの外野手、佐藤拓也の2人の名前が挙がった。また将来性の部分では、静岡高の強肩、俊足の鈴木将平、高校通算68発のパワーを誇る中京の左スラッガー、今井順之助がピックアップされた。

「野手では、吉川と京田の2人。ショートとして最も重要な肩と足があるし、バッティングはプロで使われて慣れれば、ある程度は形になってくるだろう。右の長距離打者は、なかなか出てこないので、全日本で4番を打った大山は、プレーしてきたリーグの質が低く、プロの外の出し入れには苦労するだろうが、どう化けるかという面白みはある。パワーでは、高校生の今井。一塁手なので、パ・リーグ向きかもしれないが、プロで鍛えてみたい。余裕のあるチームで育てれば、ヤクルトの畠山クラスを越えていく可能性もあるのではないか。 静岡の鈴木は、3拍子が揃っているので、3年後、4年後を見据えて抑えておきたい外野手だろう。立大の佐藤も凄みはないが、肩と足はあるしバットコントロールは上手いので使い勝手はいいのかもしれない」

豊作と呼ばれる2016年のドラフト。名スカウトの慧眼に選ばれた逸材は、どのチームに指名されるのか。田中や佐々木など、競合必至の選手が多いため、またドラマが生まれそうである。

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