70トンの巨体。既知の恐竜としては最大のティタノサウルスの化石が大量に発見される(アルゼンチン)

70トンの巨体。既知の恐竜としては最大のティタノサウルスの化石が大量に発見される(アルゼンチン)

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  • 更新日:2017/08/12
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およそ1億年前、地球が珍しいほど暖かく、顕花植物が多様化し咲き乱れていた頃、既知のものとしては最大の陸生動物が餌となる植物を求めてのっしのっしと歩いていた。

ティタノサウルスである。

新たに特定されたティタノサウルスは、69トンとアジア象12頭分にも匹敵する体重を誇り、これまで最大であったティタノサウルス類アルゼンチノサウルス・フインクレンシス(Argentinosaurus hiunculensis)を破り、記録上最大の恐竜の座に着いた。

新たに発見されたティタノサウルスの化石

世界最大の陸生動物を発見できただけでも素晴らしいが、今回は少なくともティタノサウルス6体分にはなるだろう大量の化石が発見されている。これらを比較することで、包括的なティタノサウルスの系統樹が作られた。

それによると、アルゼンチノサウルス、プエルタサウルス(Puertasaurus)、ノトコロッサス(Notocolossus)、そして今回特定された恐竜を含め、ティタノサウルスの一部は同じ分岐群に属しているようだ。

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パタゴティタン・マヨラムの分岐群は、記録上最小のティタノサウルスが属するリンコンサウリアの近縁。小さいと言っても、リンコンサウルスやサルタサウルスは6トンあった。

調査を率いるアルゼンチン国立研究評議会(CONICET)のホセ・ルイス・カルバリード(Jose Luis Carballido)博士によると、この分岐群は、竜脚類の歴史の中で巨大化が発生したのは、いくどかに分かれてではなく、一気に起きたことを示しているという。

巨大な発見

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白亜紀中期の恐竜の最新の研究が本格的に始まったのは、アルゼンチン、パタゴニアの羊牧場で恐竜の化石らしきものが発見された2012年のことだ。それから18ヶ月かけて発掘が行われ、2.4メートルもの大腿骨など、少なくとも6体分の化石が発見された。

ニューヨークのアメリカ自然史博物館で展示するために組み立てられた化石は全長37メートル。1つの部屋に収まりきらないほど巨大で、頭が廊下に突き出るような形で展示され、来客を迎えた。

その後、骨の解析が進んだことで、それらの化石はパタゴティタン・マヨラム(Patagotitan mayorum)と正式に命名された。パタゴティタンは化石が発掘されたパタゴニアとギリシャ神話の巨人の神々のことで、マヨラムは牧場主の名にちなんだものだ。

超巨大

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いずれも巨躯の恐竜でありながら、大腿骨5本と上腕骨1本の解析結果からは、それぞれの成長はまだ止まっていなかったことが判明した。それでも首をまっすぐ持ち上げればほとんど15メートルに達するほどだ。

完全に成長しきっていなかったことを考えると、もっと大きな恐竜が未発見のまま眠っている可能性もある。だが驚くべきは、体重で見た場合、パタゴティタン・マヨラムですら世界最大の動物ではないことだろう。最大の栄冠は体重200トンにも達するシロナガスクジラの手に渡る。

湖の枯渇

6体は異なる3つの地層から発見された。そこでたくさんのティタノサウルスが死んでいたのは、おそらくかつて一帯に湖があり、水場として集まってきていたからではないか、とカルバリード博士は推測する。場所忠実性(site fidelity)という概念がこのような大型動物について記録されたのは今回が初めてのことだそうだ。

当時、湖が干ばつで干上がってしまい、6体のティタノサウルスは渇きで死んだのかもしれない。死体の腐敗臭がティラノティタンなどの肉食獣脚類を引き寄せ、死体を食い始めた。そうするうちに一部のパタゴティタン・マヨラムは泥の中に押し込められ、やがて化石となったと推測することができる。

規格外の大腿部

発見された化石の保存状態はきわめて良好で、しかも巨大だ。その大腿骨は記録されているあらゆる大腿骨の化石の大きさを上回る。この大きさが体の大きさの上限を引き上げたであろうことは疑いない。巨体にはつきものの圧力に適応した手段を示す興味深い事例である。

南アメリカ南部に最大の恐竜が生息していたのは、1億1,300万年から8,300万年前の白亜紀中期とかなり短い期間であったと推測される。この時代は珍しいほどに暖かい時代だったが、おそらくは長い首と尻尾が熱を逃がす上で有利だったようだ。

この研究結果は『Proceedings of the Royal Society B』で発表された。

via:rspb/livescienceなど/ translated by hiroching / edited by parumo

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