「わろてんか」37話。いよいよ寄席編、葵わかなの伸び代は見た

「わろてんか」37話。いよいよ寄席編、葵わかなの伸び代は見た

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  • 更新日:2017/11/14

連続テレビ小説「わろてんか」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)
第7週「風鳥亭、羽ばたく」第37回 11月13日(月)放送より。
脚本:吉田智子 演出:本木一博

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37話はこんな話

いよいよ、寄席がてん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)のものになり、願いをこめて【風鳥亭】と命名された。

言葉にこめられた思い

いろいろあるけど、物事がはじまるときは、心が沸き立つものだ。
7週の初回は、楽しくはじまった。

“笑いはひとを幸せにする薬”ということで、「薬」という字を高座に掲げるてん。
草冠に楽しいと書いて「薬」。これはいい。
言葉遊びが興に乗って、寄席の名前を、「くすり亭」 いや、「あさり亭」(あさり〈前野朋哉〉の名前にちなんで)にしたらどうかと韻を踏んだり、泥臭い(あさりは泥の中に埋まっていて食べるとき砂抜きが必要)とキース(大野拓朗)が批判するところも軽快だ。

くすり亭ではなく、「北村亭」にしようとしたら、啄子(鈴木京香)が許してくれなくて、代わりに「風鳥亭」。
小さい羽で一生懸命風に乗って大阪中に笑いを広めてほしい、という願いがこもっている。
小鳥は、藤吉がてんにはじめてくれた、ふたりの出逢いにつながる縁起物でもある。
そこまで考えてのことなのか、「くすり」と「ことり」も韻を踏んでいた。

番組

どんな芸人がどんな順番で出演するか、プログラム(番組)を考えることが席主の腕の見せ所だそうだ。
テレビでいうと編成のお仕事。
「番組」という名前といい、寄席はテレビの原点。そのドラマをつくるとなると、制作陣の腕が鳴るであろう。

下足番

大河ドラマ「おんな城主 直虎」で万千代(菅田将暉)が考案した素早い下足番作業を意識しているのか、しゅた!と藤井隆(吉蔵役)がやってた。足元にしゅた!とやっていた万千代に対して、藤井隆は、下駄箱にしゅた!と収めていた。

すんまへん

少しでもたくさんのお客さんを入れるために客席を詰める仕事もお茶子の役割と、吉蔵がてんを鍛える。
これ、現代でも、小劇場でよくやっていることだ。掛け声かけて詰めるのが上手なスタッフがいて、
「せーのっ」でおしりをずらすと、驚くほど詰まって、客席に一体感も生まれ、ぎゅうぎゅうだけど楽しくなることがよくある。
売上につながる大事なお仕事なんですね。

がんとして動かない藤井隆に、小柄な葵わかなが「すんまへん」と一所懸命ぶつかっていくところ。
葵わかなの素の笑いが出て、空気がふっと変わった。
寄席編で、いろんな個性的な俳優が活躍していった場合、こういう、俳優の人間力で楽しませる方向もよさそうだ。
バラエティー番組で、芸人にまじってアイドルがひとりいて、いじられながら成長していくことはよくある。
「志村けんのだいじょうぶだぁ」のいしのようこや「志村けんのだいじょうぶだぁ!!」の優香、「ダウンタウンのごっつうええ感じ」の篠原涼子、「めちゃイケ」の鈴木紗理奈や雛形あきこなど枚挙にいとまない。
葵わかなは、そういうバラエティー番組に出て奮闘しそうな根性と伸び代をもっていそうな印象がある。

この回の最後、藤吉といい感じになって、目をぎゅっとつむったら、啄子(鈴木京香)がガラッと障子を開けて、あたふたするというのは、まさに昭和のお笑い番組の定番のよう。目をつぶるところのおぼつかない描写がじつに巧く、微笑ましかった葵わかなさん、これからが見せどころだと期待しています。
(木俣冬)

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