寿命を縮める「サウナの禁じ手」10、お風呂研究家が教えます

寿命を縮める「サウナの禁じ手」10、お風呂研究家が教えます

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2019/07/21
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近年、空前のブームとなっているサウナ。サウナー(サウナ好き)にとっての“サウナ伝道漫画”であるタナカカツキ『マンガ サ道〜マンガで読むサウナ道〜』(講談社モーニングKC刊)を原作にした実写ドラマ『サ道』がテレビ東京での7月クールで現在放送されているほか、同書の続刊が今月23日に発売されるなど、サウナ人気はしばらく続きそうだ。

だが一方で、ブームの過熱と共に、過激なサウナの入り方を実践する者が後を絶たないのも事実。医学的に「やってはいけないサウナの入り方」とは何かーー。『最高の入浴法〜お風呂研究20年、3万人を調査した医師が考案』などの著書がある、お風呂研究の第一人者、早坂信哉医師に解説してもらった。

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そもそも入るべきではないタイミングは?

サウナは正しい使い方をすれば、病気を防ぎ、健康に大きく寄与するものとなりますが、無理な使い方をすると体調不良や事故などを引き起こします。そのため、安全で正しい使い方を知って欲しいのですが、最近サウナでの刺激を求めるあまりに、少し心配な使い方をされている人たちが散見されます。

(1)飲酒後にサウナに入る

飲食・飲酒をした後のサウナを楽しみにしている人も多いのではないでしょうか。しかし、飲酒後のサウナは危険です。

アルコールは血管を拡張させる作用があり、一時的に血圧を低下させる。サウナもその温熱効果から血管を拡張させるため、血圧が下がる。したがって、飲酒後にサウナに入ることで二重の効果で大きく血圧が下がる可能性があるのです。

酔って眠くなったり、血圧が下がりすぎると、サウナの中で意識を失ったりする可能性があります。非常に高温環境であるサウナの中で長時間意識を失って滞在することは、重症な熱中症を引き起こすでしょう。場合によっては命の危険も生じてくる。時々サウナの中でひな壇に長時間横になっている人を見かけますが、非常に危険な行為だと言えます。

また、サウナは酔い覚ましにもなりません。飲酒した後に喉が乾くように、アルコールの代謝には普段以上にたくさんの水分が必要となります。一方、サウナは発汗を促すため脱水を引き起こします。たとえば100度のドライサウナに10分間入浴した場合、500ミリリットルもの発汗があるとの研究報告があります。

このため、サウナに入ると体からたくさんの水分が失われるのに、飲酒後の場合、アルコールの代謝に必要な水分まで失われてしまうことになります。結果としてアルコールの代謝が逆に遅れてしまう可能性もあるため、飲酒後にサウナに入ることは百害あって一利なしなのです。

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(2)食事の直前直後にサウナに入る

サウナ入浴のタイミングとして、食事の直前直後も避けるべきです。

サウナに入ると皮膚表面が熱い空気によって温められ皮膚血流が増加し、結果としてその分内臓に分布する血液量が減ることになります。食事の前後1時間程度は、消化のために胃腸に十分な血液が流れている必要がありますが、サウナによって血液の分布が皮膚に移ってしまうと、胃腸に十分な血液が回らなくなり、消化不良を起こすなどの悪影響を及ぼす可能性があるのです。

そのため、できれば食事の前後1時間程度はサウナを避けた方が無難です。どうしてもサウナの前後で食事をとるという場合であれば、胃腸に負担のかからない軽いものだけにしておくと良いでしょう。

(3)怪我をしている、高血圧を患っている状態でサウナに入る

体調によってはサウナをやめておいたほうがいい時もあります。

たとえば打ち身や捻挫など、怪我をされている方。サウナで傷が癒えるようなイメージを持たれるかもしれませんが、怪我をしてから少なくとも3〜4日経ていない場合は避けた方が良いでしょう。

また、未治療でコントロールされていない高血圧の方も注意が必要です。私が以前行った湯船への入浴に関する研究では、血圧が160/100mmHg以上の場合、そのまま入浴すると、何らかの体調不良や事故などのトラブルが発生する確率が3倍以上となることが分かっています。

他にも、ひどい湿疹などの皮膚の病気や心臓の病気、呼吸器疾患などで通院している場合は、あらかじめ主治医にサウナ入浴の可否について確認しておくと良いでしょう。妊娠中の方は4ヵ月目までは一般的に避けるほうが良く、それ以降も産婦人科の主治医の意見を聞いてからサウナを利用する方が無難と言えます。

「高温サウナ」にはこう入るべし

(4)湯船に入らず、すぐサウナに入る

(5)最初からサウナの上段に座る

60度程度以下の比較的低温のサウナであれば、体への負担は少ないですが、100度前後のかなり熱いサウナであれば、その温度が体に大きな刺激となります。「少しずつ体を熱い環境にならす」ことが安全な入浴の基本的な方法。こうすることで血圧の大きな変動を防ぐことができます。

低温サウナであれば、温水シャワーで体を洗い流し、水滴を拭き取った後すぐにサウナに入浴しても問題ありません。ですが、100度近い高温のサウナの場合、シャワーで体を流した後、一旦湯船に2〜3分入浴をして、体を温熱環境に慣らしてからサウナに入浴するほうが安全です。またサウナに入る時は、同様にタオルで体の水滴を拭ってから入るといいでしょう。

また、サウナに入っても、すぐに温度の高い上の段には座らず、最初は温度の低い、下の段に座るようにして徐々に高い段へ移る。こうすることで、比較的安全に体を熱い環境に慣らすことができます。

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(6)我慢して長時間サウナに入る

サウナを上手に利用する最も大事なコツは、「無理をしない、欲張らない」ということに尽きます。最近は SNS などで自らのサウナ入浴法などを発信している事例も散見されますが、それが医学的に万人が安全に入浴できる方法とは限りません。

時に、強い刺激を求めるがあまり、かなり過激な入浴法を勧めているサイトなどもありますが、サウナとは気持ちが良いものであって、苦痛を伴う修行のようなものではありません。自分が快適だと思う方法で入るのが一番です。

サウナで同席した見知らぬ人と我慢大会をするような光景もよく目にしますが、サウナの適切な温度や入浴時間は人によっても異なるので、これも危険な入り方と言えるでしょう。

サウナの適切な入浴時間は、100度の高温サウナであれば連続して長くて5分以内、40〜50度のミストサウナであれば10分以内が適当だと考えられます。 これはひとつの目安ですが、発汗してきた、または心臓がドキドキしてきた場合は、十分なサウナの温熱効果があるとして、一旦躊躇なくサウナから出ましょう。汗を流しながら我慢するのは、熱中症の原因となります。

よく勘違いしている話として、汗をかけばかくほど体から「悪いもの」が排出されるという考え方。いわゆるデトックス効果についてですが、 実は汗にはほとんど老廃物や有害物質は含まれていません。これは汗を分析して研究した実験から報告されている事実で、ヒトの体の老廃物のほとんどは糞便や尿によって排泄されることが明らかとなっています。

汗が出たということは、あくまで十分に体の体温が上がってきた、すなわち血流が良くなってきたということのサインだと心得ましょう。

ちなみに、サウナの健康効果として挙げられるのが、温熱による血管拡張による血流の改善効果です。人間の体は約40兆個の細胞で成り立っていますが、 これら多数の細胞ひとつひとつに必要な栄養分や酸素を届けているのが血液です。また、この細胞から排出された老廃物や二酸化炭素を回収するのも血液です。

つまり血液の流れはまさに人間にとってはライフライン、命を成り立たせる大事な機能。サウナの温熱効果は、この血流を改善することによって全身に必要な栄養、酸素を運び、疲労を回復させ、様々な疾病を防いでくれるのです。

水風呂、外気浴…休憩も大切です

(7)サウナを出てすぐに水風呂に入る

(8)「かけ水」をせずに水風呂に入る

サウナの中で十分に体が温まったら、躊躇なくサウナから出てもらいたいが、 水風呂にドボンと入ることはおすすめできません。熱いサウナから冷水にいきなり浸かると、急激な温度差によって、いわゆる「ヒートショック」を自分で作り出していることになります。

ヒートショックとは、特に寒い時期の入浴時に発生する急激な温度差による体調不良のことです。暖房の入っているリビングから、暖房の入っていない脱衣室で服を脱ぐことで、冷たい空気に体を晒すことによって交感神経が強く刺激され、血圧が急上昇し、心臓に強い負担がかかって心筋梗塞を引き起こしたり、脳内の血管が破れて脳出血などの脳卒中を引き起こすのが、寒い時期に起こるヒートショックのメカニズムです。

このヒートショックは、サウナからの水風呂に入ることでも起こりえます。水風呂の強烈な寒冷刺激によって、血管が急激に収縮し、血圧は50mmHg以上急上昇し、脳卒中や心筋梗塞だけでなく、極端に脈が遅くなる「徐脈」が発生したり、致命的な不整脈が発生することもあるのです。特に不整脈は、体力に自信のある若い人でも発生しうる症状です。

このように心臓に不調をきたすと意識を失い、水風呂の中でそのまま溺死するケースもあります。

とはいえ水風呂は気持ち良いもの。入る場合は、肩までドボンと急に入るのではなく「かけ湯」ならぬ「かけ水」をしてから入るといいでしょう。つまり、手足の末端から手桶などで少しずつ冷たい水をかけ、体を冷たい水に十分慣らしてからからゆっくり水風呂に入るようにします。

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20度を下回るような非常に冷たい水風呂を好む人もいるが、これはかなり危険を伴うと考えてください。そもそも水風呂の医学的意義としては、サウナとの温度差を作るということです。サウナでは温熱効果によって血管が拡張していますが、冷水に入ることによって血管が収縮します。こうして血管が拡張したり収縮したりすることで、血管が伸び縮みしてポンプのように働き、血流が良くなるというわけです。

ただ実は、25〜30度程度のちょっと冷たいと感じる程度の水~ぬるま湯であっても、熱いサウナから出てきた後なら十分なのです。冷たいと感じれば、極端に冷たくなくても血管は収縮し、水風呂の効果が見込めます。

サウナに3〜5分、水風呂に1分入浴するようなサイクルを、体調を見ながら3回程度繰り返すのがいいでしょう。

(9)休憩せずにサウナ入浴を繰り返す

サウナに入ると、前述の通り、500ミリリットル以上体から水分が奪われることになります。したがって十分な水分補給が必要になりますが、もし脱水したままにしておくと、血液の流れが悪くなり熱中症になりやすくなるばかりか、血液の粘り気が出て血の塊(血栓)ができやすくなるのです。

血管が詰まると、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こしかねません。サウナあがりには休憩の時間を設け、十分に水分を補給して血液の流れを良くしておくことが必要です。また、入浴前にも予めコップ1〜2杯の水分を補給しておくこともおすすめです。

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また、水分を補給したら休憩室などで横になり、しっかり休むといいでしょう。休憩中、火照った体を冷ますには、比較的刺激の少ない「外気浴」が最適です。外気浴とは、クーラーのかかった室内や涼しい屋外に出て体をゆっくり冷ます方法であり、水風呂より刺激が弱く安全だと言えます。

しっかり水分補給をしながら、サウナの外でゆっくり体を冷ましてリラックスした後に、次のサウナ入浴へ向かうようにしましょう。

(10)サウナあがりにビールを飲む

サウナを出た後のビールを楽しみにされる方も多いですが、ビールだけでは脱水の回復にはなりません。第一、ビールには利尿作用があるため、飲んだ以上に尿となって水分が排出されてしまいます。ビール以外にも必ず、水やお茶、ミネラル入り麦茶、牛乳、スポーツドリンクなどの水分を摂取するようにしましょう。

また前述の通り、サウナに入った後1時間ほどは、重い食事は控えておくべきです。空腹を感じるようなら、少し甘みのあるようなジュースなどの飲料水や、 果物、甘味類など、胃腸に負担をかけないものをすこしつまむくらいにしておくのがベストです。

サウナは正しく使えば、脳卒中や心臓病を減らし、健康長寿につながることが、本場フィンランドの研究で分かってきています。「無理しない、欲張らない」でサウナを上手に使って、サウナの健康効果を享受してもらえればと思います。

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