生涯を通じて高収入を維持するために必要なこととは?

生涯を通じて高収入を維持するために必要なこととは?

  • @DIME
  • 更新日:2017/12/06

給料が良いことで知られる企業には当然のことながら入社希望者も多いが、一方で民間企業の終身雇用“神話”はかなりの規模で崩壊していることも事実だ。そこで生涯を通じて高収入を維持できる鍵となる要素を探った研究が話題を集めている。

No image

■収入を左右する最大の要因とは

高サラリーの会社に勤務することができれば当然ながら経済的に恵まれた暮らしを送ることができるが、話はそう単純でもないことを最新の研究が指摘している。高収入を占う指標として雇用条件や職種などよりもその仕事にフィットしているかどうかが、生涯収入を大きく左右していることが浮き彫りになったのだ。

オランダ・ティルブルフ大学の研究チームが先日、心理学系学術ジャーナル「Psychological Science」で発表した研究では、ドイツの大規模な生活実態調査である社会経済パネル調査(German Socio-Economic Panel、SOEP)のビッグデータを活用し、ドイツの勤労者8458人(男性68%、女性32%、平均年齢43.7歳)の生活と仕事ぶりを分析している。

各人の詳しい生活と仕事の実態に加えて、それぞれの性格特性を測るテストが行なわれた。テストは「ビッグ5」と呼ばれる5つの性格特性である開放性(Openness)、誠実性(Conscientiousness)、外向性(Extraversion)、協調性(Agreeableness)、神経症傾向(Neuroticism)が計測された。

No image

PsyPost」より

そして研究チームは、それぞれの職種が要求しているビッグ5パーソナリティーを明らかにする詳細な分析を国際標準職業分類(ISCO)に基づいて行なった。たとえば「簿記係」の職業では外向性は求められていないが、「俳優」では高い外向性が求められている。

こうして、人々の個々の性格特性とその人が就いている職業の“適合度”が明らかになった。そしてデータを分析した結果、性格特性と職業の適合度が高い人ほど収入が多い傾向が浮かび上がってきたのだ。つまり自分に合った仕事をしている人ほど高収入なのである。

もちろん就業から間もない若年層では単純に給料の高い会社にいる者が高収入だが、43歳の時点では自分に合った仕事をしている者の収入が多くなるのだ。

そしてまたもうひとつ興味深い発見がもたらされている。それはその職業が要求する以上の高い性格特性を持っていると、収入が低くなってくる傾向である。例えば誠実性はそれほど要求されてない仕事であるのに、高い誠実性と責任感や正義感をもって従事している者は適合度が高い者よりも収入が低くなっているのだ。あくまでも適合していることが高収入に繋がっていて、求められてもいない特性が高いと逆に収入面で不利になっているのである。

これまでの研究では、たとえば誠実性や協調性などはどんな職業の組織であれ仕事ぶりにポジティブに作用すると考えられてきたのだが、決して普遍的なものではなく個々の職業次第であり、さらに求められてもいない水準以上の高い特性を有していてもあまり意味はないどころか、収入面でネガティブに働いていることが指摘されることになった。

長く安定して働くことができて結果的に高収入に結びつくのは、やはり自分にピッタリ合った仕事ということになりそうだ。もちろん従事していくうちに自分のほうが変化してその仕事にフィットしていくケースもあり得る。いずれにしても長く働く場合は単純な賃金よりも仕事内容のほうを重視すべきなのだろう。

■睡眠不足が莫大な経済損失に繋がっている

運良く自分に向いている仕事に従事していても、当然のことながら健康管理がうまくできていなければ高いパフォーマンスを発揮することはできないだろう。最新の研究では先進各国の勤労者の睡眠不足が莫大な経済損失に繋がっていることが指摘されている。

米・ランド研究所(RAND Corporation)が昨年に発表した統計では、先進各国では雇用労働者の睡眠不足に起因する経済的損失が深刻な値を示していることが浮き彫りになっている。特に酷い状況であるのがアメリカで、なんとGDPの2.28%にあたる4110億ドル(約46兆円)が睡眠不足による欠勤やパフォーマンス低下で失われているという。睡眠不足による各国の経済損失の詳しい数字は下記の通りだ。

・アメリカ:4110億ドル(約46兆円、GDPの2.28%、120万営業日)
・日本:1380億ドル(約15兆円、GDPの2.92%、60万営業日)
・ドイツ:600億ドル(約6.8兆円、GDPの1.56%、20万営業日)
・イギリス:500億ドル(約5.6兆円、GDPの1.86%、20万営業日)
・カナダ:214億ドル(約2.4兆円、GDPの1.35%、8万営業日)

No image

Daily Mail」より

アメリカの経済損失は莫大な金額にのぼっているが、残念なことにGDP比では日本がワーストである。そもそも生産効率が悪いと疑われている日本のオフィスにおいて、そこへ睡眠不足の影響も加われば深刻な損失になるだろう。

社会全体の経済損失だけではく、睡眠不足はもちろん当人の健康にも重大な影響を及ぼす。6時間に満たない睡眠時間の者は、8時間の者に比べて死亡リスクが13%アップするということだ。そして欠勤や遅刻、早退などによる収入の減少にも繋がる。

「私たちの研究は、睡眠不足の影響が重大なものであることを示しています。睡眠不足は、個人の健康に影響を与えるだけでなく、生産性の低下と労働者の死亡リスクの高さによって、経済に大きな影響を与えます」とランド研究所のマルコ・ハフナー氏は語る。

睡眠不足は当人の健康やパフォーマンスに悪影響を与えるだけでなく、社会全体の経済損失にも繋がっているとすれば当人だけの問題ではない。夜更かしの“犯人”が揃い過ぎている昨今だけに睡眠時間はじゅうぶんに確保したいものだ。

■“極端にブサイク”な人物は高収入!?

長いスパンで安定した収入を得るためには自分に合った仕事を選び、決して寝不足で仕事に取り組むようなことがないようにしたいが、また別の指標として容姿と収入の関係はどうなのだろうか。

これまでの研究では容姿端麗であることは、必ずしも人前に立つ職業でなくとも高収入に繋がる要因であると考えられてきた。これは美しい者に与えられた“ビューティー特典”である。

しかしこの2月に「Journal of Business and Psychology」で発表された研究では、単純に容姿端麗な人物に就業上の特典があるわけではないことが指摘されている。それどころか“極端にブサイク”な人物のほうが高収入であるというのだ。

No image

NBC News」より

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの研究チームは20代後半の2万人以上のデータを分析して容姿、性格特性、収入などの関連を探る研究を発表している。

データを分析した結果、“ビューティー特典”は存在しないことが判明した。しかしながら間接的には容姿端麗な人物は経済活動において有利な傾向があるのだが、それは容姿そのものというよりも、その容姿によって外向性や開放性などの性格的特性が培われやすいことにあるという。

そしてある意味で驚きなのは、“極端にブサイク”な人物は高収入である可能性がかなり高いということが統計的に明らかになったことだ。“極端にブサイク”な人物は収入が高いばかりでなく、より知的で高学歴である傾向も判明している。

「きわめて非魅力的な人がどうしてインテリでより高度な教育を受けているのかまだよく分かりません。しかしながらこの意外なパターンを最初に発見した研究になります」と研究を主導したカナザワ・サトシ氏は語る。

いずれにしても高収入に最も強い結びつきがあるのはインテリジェンスであり、例外的なケースを除きルックスは二の次三の次であることが示唆されることにもなった。収入面においては我々が考えているよりも世の中は努力が報われるフェアな世界であったということになるのかもしれない。

文/仲田しんじ

フリーライター。海外ニュースからゲーム情報、アダルトネタまで守備範囲は広い。つい放置しがちなツイッターは @nakata66shinji

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

コラム総合カテゴリの人気記事

グノシーで話題の記事を読もう!
ホームから人が転落... 居合わせた人の行動に「頭おかしい」「怖い」の声
あなたは何タイプ? お酒の強さがDNAレベルでわかる
東京のベンチが「意地悪過ぎる」座ることも許されない!と話題に!実は...
LINE“送信取消”は全然ダメ!誤爆を防ぐにはむしろこの設定
悪妻:「妻の気持ちがわからない」。愛し方を間違えた夫が、初めて結婚を後悔した夜
  • このエントリーをはてなブックマークに追加