阪神大震災のときラブホにいたという数奇な運命について――岡宗秀吾×森山直太朗×御徒町凧×大根仁

阪神大震災のときラブホにいたという数奇な運命について――岡宗秀吾×森山直太朗×御徒町凧×大根仁

  • 文春オンライン
  • 更新日:2017/12/07

テレビディレクター岡宗秀吾さんによる全部実話の青春特盛りエッセイ『煩悩ウォーク』。その出版記念イベントの模様をお伝えするシリーズも第2部に突入。いよいよ森山直太朗さん、御徒町凧(かいと)さんの登場です! 途中から映画監督の大根仁さんも駆けつけてくれました! 司会は第1部前半後半につづき、堀雅人さん。

◆◆◆

直太朗ファンが多すぎる

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『煩悩ウォーク』(岡宗秀吾 著)

岡宗 それでは、盟友、森山直太朗と御徒町凧です!

(会場拍手)

岡宗 俺ら、ド頭では、アウェイやと思ってたんですよ。直太朗ファンが多すぎるって。

御徒町 3年くらい前に出た直太朗の『自由の限界』っていうツアーのDVDで、フェイク・ドキュメンタリーを岡宗さんに撮ってもらってるんで、初めて見た人って感じじゃないと思うんですよ。

岡宗 え、だって、俺、出てないやろ?

御徒町 でもナレーションやられてましたし、この声聞けばわかりますよね。

岡宗 それまで直太朗くんは、所謂(いわゆる)ドキュメンタリーというのは撮ったことがなかったんだよね?

森山 あんまりやってないですね。大昔に1回くらいあったけど。

岡宗 それくらいだよね。そのとき、直太朗くんのお姉さんで、おぎやはぎの小木さんの奥さんの奈歩さんが……。

御徒町 当時、直太朗のチーフマネージャーをやっていたんですよね。

岡宗 俺と奈歩さんはもともと仲良くて、「直太朗の新機軸って感じの映像をお願いしたい」と直々にお話をいただいて、フェイク・ドキュメンタリーを撮ろうということになって。軽く筋を作りつつもご本人のアドリブというか、俺との会話の中で作っていってつなげていったんだけど、楽しかったねー。

森山 楽しかったですねー。

岡宗 俺ら、ワンテイクでバチバチ決めたもんな。

森山 音楽も楽しいけど、ずっとこんなことやっていたいと思いました。ずっとゆるく嘘をつき続けたいと。夢のような時間でした。

岡宗 直太朗くんがものすごく真摯に制作活動をやっているという筋で、高音を出すために蜂蜜を一気飲みしたり、極寒の中滝に打たれにいったりね。

紅白歌手を殺しかけた

森山 滝のロケの日は小雪がちらついていて、少し風邪気味だったんですけど、岡宗さんの顔を見てたらやらざるを得ない感じだったので、そのまま滝に入っていって。

岡宗 でも結構すぐに出てきちゃったのよ。

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会場が引くほど苦しそうな直太朗さんの滝行シーン

森山 僕には永遠に感じたんですよ。「すぐに出てきた」って言われても釈然としない。すごくチキンみたいな言われ方してますけど、急激に体温が下がって視界がキューッて狭くなって。朦朧とする意識の中に、演じなければいけないという僕の俳優魂みたいなものもあって。

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「視界がサザエさんのワイプのように狭くなった」という直太朗さん

御徒町 俳優じゃないから(笑)。

森山 岡宗さんは俺の異変に気付いていると思うんですけど、和製マイケル・ムーアとして、とにかくこのカメラを止めてはいけないと思ってるみたいで。僕はもう真っ青で、「はい、今、トラウマ・ナウ!」って感じだったんですけど、そこで岡宗さんが「どうっすかー、『さくら』みたいな曲、できましたかー?」って。

岡宗 だってもうワンテイクやらせられないでしょ。だからNGにならないように、カメラ止めなかったんよ。でも俺のひどいところは、「熱い風呂に入れてやろう」と思って温泉宿に向かったんだけど、行ったら休みでさ。「あー、俺は、紅白歌手を殺しかけたー」と。

(一同爆笑)

森山 あの滝のシーンだけは、真のドキュメンタリーでしたよ。

岡宗 普通、バラエティ番組でも、演者さんが挑戦する前にスタッフが試すんですよね。

堀 最低限のマナーですよね。

岡宗 でも、このとき、やらんかったから(笑)。

森山 こんなストレンジな体験を2人でできたんで、そこから岡宗さんに対して気安くなったというか。

阪神・淡路大震災の話を読んで、嗚咽するくらい泣いて

岡宗 そろそろ本の話をしてくださいよ。

御徒町 『煩悩ウォーク』、すごく面白かったです。本の中に、直太朗の名前が出てきたことも嬉しくって。ましてやトークイベントに呼んでいただいたことも、本当に光栄で。直太朗と相談して、何かできないかな、自分たちがやってきたことで、岡宗さんと響きたいなと思って。僕、この本の第2章の阪神・淡路大震災の話を読んで、嗚咽するくらい泣いてしまったんです。このときに岡宗さんが行動を起こしたのとは違う形ですが、東日本大震災のときに、実は直太朗と曲を作ったんですね。その曲は「放射能は目に見えないから」ってタイトルで。スタッフたちに「さすがにこの曲はダメなんじゃないの」と言われて出せなかったんですけど。この場でこの曲を岡宗さんに聞いてもらいたいなと思って、「やらない?」って直太朗に連絡したら、LINEで「おう」って返信がきて。

岡宗 え!? 今やるってこと? やばいね。あ、ギターあるやん!

御徒町 あと、僕も「煩悩ウォーク」という詩を書き下ろしてきたので、先に詩の朗読をやらせてください。

「煩悩ウォーク」

何もないと思っていた所なのに
つまずいて転びそうになった
慌てて振り返ると誰もいなくて
見られてなくて安心はしたものの
やっぱりそこは何もない所で
まぁいいかと通り過ぎようとしたのだけれど
やっぱり気にかかり地面を凝視すると
薄桃色の半透明でゼリー状の塊があり
大きさは冬の終わり頃のミカンくらいで
それは煩悩だった
僕がつまずいたせいで少し凹んでいたけれど
ゆっくりと元の形に戻っているようで
それにしてもこんな煩悩あったけなぁと考え込んでいると
周りには他にも違う色形の煩悩が転がっていて
ああそうか、これは俺の煩悩ではないのだ
人間には108の煩悩があると言われているのだから
この地表には7560億個の煩悩があるわけで
日本だけでも129億6000万個もあるのだ
まぁ逆に、よくこれまでそのことにも気づかずにいられたなぁ
そう思って来し方を振り返ってみると
そこには僕が踏み潰してきたたくさんの煩悩があって
なんだ気づかなかっただけかと
急に少し疲れたような気がして
海を見ようと海を目指したのだけれど
海岸線、砂浜を含む至るところに煩悩がひしめいていたので
爪先立ちで行くことにした
煩悩ウォークで

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詩を朗読する御徒町さんに会場中がシビれた

(会場から大きな拍手)

「放射能は目に見えないから」歌います

岡宗 すみません、ありがとうございました。で、歌うの?

森山 じゃあ「放射能は目に見えないから」歌います。

(ギター、ハーモニカで弾き語り)

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感動の涙を見せたくないとサングラスをかけた岡宗さん

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我慢できずに涙をぬぐう岡宗さん

(会場から再び大きな拍手)

岡宗 ほんまにもう、ありがとうございます。俺が書いた本に、2人がこうして返してくれるっていうのは……嬉しいです。

森山 僕は実は活字が苦手で、活字恐怖症なんですけど、この本のスチャダラANIさんの話も面白かったし、薬師寺保栄さんとの話もよかったし、活字が苦手な僕でも3周できました。

御徒町 3回も読んだの? すごい。

森山 さっきJxJxくんも言ってたけど、この本を読むと岡宗さんの声が聞こえるっていうのは、うちのスタッフも言ってて。じゃあ岡宗さんのことを知らなかったらこの本面白くないの? っていう話になると思うんですけど……、それは僕にはわからない(笑)。

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「活字が苦手な僕でも3周できました」

御徒町 それが気になって、僕の妻(本谷有希子さん)が物書きをしてるんですけど……。

岡宗 芥川賞作家だよね。

御徒町 妻にぜひ読んでって勧めたの。僕の妻って、表現に対して辛辣なんですよ。僕の詩もクソミソに言われるし。だからそこはすごく信頼していて。それで読んでもらったら「実に面白い」って言ってたので、「よかった、友達だから面白いのではなく、読み物として面白いんだ」と。

堀 本谷有希子さんからのお墨付き、出ましたよ。

岡宗 俺、今日、事故とか起きないかな……。本当、ありがとうございます。僕もケツの穴まで見せようという覚悟をしてがんばって書きました。僕は今44歳なんですけど、22歳で東京に出てきて、いろんな人にお世話になって、お礼がしたかったんですよね。お世話になったことをちゃんと書きたかったし、恥ずかしいことも書きたかった。どうせそんなカッコいい人生でもないし。でも「カッコ悪いくせにカッコつけるのだけはナシ」っていう思いはあったから。でね、何年も前に、僕に「本を書きなさい」って言ってくれた方が、今ここに来てくれましたので、お呼びしたいと思います。大根仁監督です!

やることないから「シュウゴくん、面白い話して」

(客席後方から大根監督登場、ステージへ)

大根 どうもー。シュウゴくんがmixiで日記を書いていて、その文章がすごくよくて、「すごくうまいじゃん。もっと書けばいいよ」って言ってたんだよね。

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飛び入りで大根仁監督が登場!

岡宗 大根さんとは最初、はしのえみさんと中尾彬さんとおさる(現モンキッキー)さんとあびる優さんとでプーケットを旅するという旅グルメ番組の仕事でご一緒して。

大根 まずロケハンに2人で行ったんだよね。経費節約のため同じ部屋に泊まってね。この本のメインである阪神・淡路大震災の話は、最初にプーケットに行ったときに聞いたんだよね。

岡宗 そうですよ。日本人キャバクラに向かうトゥクトゥクの中でね。

大根 やることないから「シュウゴくん、面白い話して」って。

堀 雑なフリですね(笑)。

岡宗 この話を大根さんが喜んでくれて。その後も「シュウゴくん、あの話して」ってリクエストしてきて。

大根 だんだん落語みたいになってきて。今日はマクラ違うねーって。

岡宗 ある日「ラジオでしゃべってくれないか?」と大根さんに言われて、TBSラジオの「DiG」って番組にゲストに出て。そしたら後から20万人が聴いてたってわかって。ひどくない? だってブースにはさ、俺と大根さんとアナウンサーさんしかいないわけよ。3人でしゃべってる感覚だったのに。

堀 ブースに20万人いたら、大変でしょ(笑)。

グーグルで「岡宗」って検索したら、「岡宗 3P」

岡宗 そこからグーグルで「岡宗」って検索したら、「岡宗 3P」って出るようになって。俺、お多感な年頃の娘がいるのよ。糸井重里さんも「これ、イイ話だね」ってSNSで言ってくれたりしてバーッてなっちゃって。今も俺がゴリゴリの3Pやってるエロキャラだったらいいけど、20年前の一夜の話よ。それを20年ひっぱってしゃべってるんやで、俺。

堀 でも、そういう若気の至りの一瞬と震災が重なるという数奇な運命が、岡宗くんっぽいよね。

大根 今ここで震災の話、やってもらっていいですか。イントロだけでいいんで。購買意欲をそそられると思うしさ。

(岡宗さんが本に載っている“ラブホテルで3Pしていたときに大震災が起きた話”を途中まで語る)

大根 この続きは本を読んでいただいて。

久々に本を読んで声出して笑った。実写化はしないけど

岡宗 大根さん、本の感想を聞かせてくださいよ。

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「俺は実写化しないけどね」と笑う大根監督

大根 面白かったよ。ほとんど聞いたことがある知ってる話なのに、改めて文章で読んでこんなに笑えるのは、俺が見抜いたシュウゴくんの文章力のたまものだと思うし、本当久々に本を読んで声出して笑った。村上龍の『69 sixty nine』以来。これってすごい褒め言葉じゃない? まあ実写化はしないけど(笑)。まず、主役が浮かばねえ。これできる人、ジャニーズにいる?

岡宗 それはデ・ニーロ・アプローチで、太ってもらって。風間俊介くんあたりに80キロくらいになってもらってやっていただいたら、ね?

大根 とりあえず、本は送っておくわ(笑)。

御徒町 僕はこの本を読んで「文学的だな」って思いました。

岡宗 どこが文学的なの?

御徒町 震災の話で、遺体に遭遇するシーンの「動かなくなってしまった彼女の若く綺麗な指には小さなピンクの石の付いた指輪があった」ってところとか。こういう文学的な部分がこの本のあらゆるところにあって、それは岡宗さんが持っている気質だと思うんです。だから今日この場に我々が呼ばれたのかな、と。「ぜひ読んでほしい」と友達に言いたいです。

森山 僕、この本を読んで、ファッションとかテレビとかいろんな分野の、岡宗さんが影響を受けたものがいっぱい書かれているなと思ったんですね。最近テレビ離れとか言われて、80年代後半から90年代前半の僕らがものすごく影響を受けたものが、何事もなかったかのように、時に否定されたり風化していく感じが少し寂しいと感じていて。そういうものを真っ向から、カッコ悪かったことも含めて、肯定されているような気分になって、僕ら世代はシンプルに鼓舞されるというか……。僕はそんな感じがしました。

岡宗 ありがとうございます。じゃあ今日はこんなところで。長々と本当にありがとうございました!

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最初から最後まで大盛り上がりでした!

(「文春オンライン」編集部)

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