天性の“可愛げ”を持つにゃんにゃんOL。上昇志向が強過ぎる残念女にとっては、目障りな存在?

天性の“可愛げ”を持つにゃんにゃんOL。上昇志向が強過ぎる残念女にとっては、目障りな存在?

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  • 更新日:2017/10/18

定時帰りの、腰掛けOLたち。

”安定”という鎧を手に入れた彼女たちは保守的で、誰かが幸せにしてくれるのを待っている。

丸の内の大手損保会社に勤める愛華(26)も、その一人。典型的な腰掛けOLである彼女には、実はこんなあだ名がある。

“にゃんにゃんOL”、と。

そんな愛華に対し、檄を飛ばす元OLのアリサ(29)。愛華は男女の不平等さに疑問を持ったものの、年収1,000万の彼氏に不満を持つ

そんな中、まさかの嫉妬が降りかかる...?

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—あと30分...

時計の針は、11:30を指している。そろそろランチタイムの時間だ。

今日のランチは、『インデアンカレー 丸の内店』に行くと決めていた。

そわそわしながら、時計を見つめる。

—あと10分...

ランチと言えども、どこで誰に会うか分からない、チャンスが溢れる街・丸の内。

エリートサラリーマン達が一斉に会社から出てくるランチタイムは、例え彼氏がいようとも、気合を入れる必要がある。

ランチで外に出る前に、お化粧室に行って化粧でも直さないと。そう思って席を立とうとした瞬間に、最近総合職へ転換した景子さんから呼び出された。

「愛華ちゃん。話があるから来てもらっていいかな?」

“でも、ランチが...”と言おうとしたが、慌てて口を噤む。景子さんと一緒に、部長まで現れたからだ。

思わず体が硬直する。私、何か重大なミスでもしたのかしら...?

景子さんが不敵な笑みを浮かべていた。

にゃんにゃんOL大ピンチ?!責任のなすりつけ合い戦争勃発

責任の所在はどこにある!?

訳も分からぬまま会議室まで連れて行かれると、険しい顔をした部長が勢いよくドアをバタン、と閉めた。

「昨日の会議資料を作ったの、田口さんだよね?」

「はい、そうですが...」

昨日、役員クラスも顔を出す大きな会議があり、その資料作成の一部を手伝っていた。

メインは景子さんが作成していたので、ほんの少ししかお役に立てなかったかもしれないけど。

「何かありましたか?」

恐る恐る聞いてみる。数字もデータも何度もチェックし、ミスはなかったはず。

「役員の名称表記が、間違っていたんだよ。一体、どうしたらそんなミスができるんだ!?こっちの面目、丸つぶれじゃないか!」

部長が静かに、しかし私の方を真っ直ぐ見つめながら怒っている。咄嗟に、隣にいる景子さんを見た。

景子さんは冷静に、少し微笑を浮かべながら、部長にこう言った。

「田口が、大変失礼致しました。私の管理ミスです。今後このようなことがないよう、私の方からも厳重注意しておきます。ほら、愛華も謝って!」

ちょっと待って。一体何の話だろう?それは、私が謝ることなのだろうか?

だって、その箇所を作成していたのは、紛れもなく景子さんだったから。

景子さんは、素知らぬ顔で笑っていた。

その日の夜は、タイミング良くアリサさんと『デリツィオーゾ フィレンツェ』で食事をする約束をしている日だった。

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和樹だって忙しいし、仕事の愚痴を言うのははばかられる。こういう時に会いたくなる人。それがアリサさんだった。

秋限定メニュー「イタリア産フレッシュポルチーニ茸と魚介のスパゲッティ」をシェアしながら、アリサさんは嬉しそうにこう言った。

「丸の内の秋のグルメフェア見て、気になってたんだよね」

トラットリアを彷彿とさせる店内は、適度なカジュアル感とざわつきが心地よい。限定メニューのパスタも、ポルチーニ茸の香りが効いていて美味しかった。

そしていつもと変わらぬアリサさんを目の前にして、不意に涙がこぼれてきた。

「え!?愛華どうした?私何か悪いこと言った?いつもみたいに厳しいこと、まだ言ってないよ!」

慌てふためくアリサさんを見て、思わず笑ってしまった。

アリサさんは、強い。強いからこそ、人に対し、優しさと愛情がある。厳しいことを言うにも、それは私のことを思ってくれていると知っている。

ポツポツと今日の出来事をアリサさんに話してみると、アリサさんから意外な一言が飛び出した。

「その景子って上司、愛華に嫉妬してるね。気をつけた方がいいよ。」

し、嫉妬...?仕事において、何を嫉妬するのだろうか。

恐るべし女の嫉妬。バリキャリから見ると目障りなにゃんにゃんOL

侮れない女の嫉妬

翌日、昨日アリサさんから言われたことを反芻していた。

「嫉妬しているから、気をつけて。」

別に嫉妬されるようなことをした覚えもなければ、私より景子さんの方が仕事ができると信じている。だから彼女の方が、ポジションも上なはず。

全く進まないメール作業を諦め、PCからふと顔を上げると、部長がまた凄い剣幕で突っ立っている。

「田口!大阪行きの新幹線の切符、時間が違うじゃないか!」

周囲の視線が、一斉に私に注がれている。恥ずかしくて、咄嗟に下を向くことしかできない。

「す、すみません...出張手配に、ミスがありましたか?」

しかし、謝りながらまた疑問が湧いた。

あれ?それ、私じゃない。
だって、部長の出張手配なんてしていないから。

顔を上げ、思わず景子さんを探す。デスクの向こう側で、景子さんと目があった。景子さんは、笑っていた。

ようやく、私は気がついた。景子さんが意図的にミスを犯し、そしてその責任を私になすりつけていたことに。

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「とにかく一刻も早く、切符変更して!」

景子さんから視線を外し、前を向くと部長はまだ怒っている。周囲の視線が、カラダ中を痛いほど刺す。

いたたまれず、新幹線の切符をつかんで会社を飛び出し、東京駅のみどりの窓口まで走った。

走りながら、胸が締め付けられるように痛む。私が何かしたのだろうか?どうして、景子さんはこんなことをするのだろうか。

慌てて切符を変更し、会社へ戻り、お手洗いに駆け込んだ。泣いた跡を見られぬよう、鏡で顔をチェックする。

よし、大丈夫...。そう思った矢先に、景子さんが化粧室に入ってきた。反射的に、個室に隠れてしまった。

そして景子さんが、私がいるなんて露知らずの様子で話している内容に、思わず耳を疑った。

「愛華って、目障りだったからちょっとスッキリしたわ。」

「おっとりしてそうに見えて、妙に上に媚び売ってるし。ただの事務職ならそれらしく振舞っておけばいいのにね。」

ただの事務職なら、それらしく振舞う?

会社において生き抜くコツは、目立たぬように、完璧ではなく、適度に仕事をすることなのだろうか?

私は定時に絶対上がりたい。だから、仕事は極力早め早めに片付けてきた。

メインの営業補佐の仕事だけでなく、景子さんから頼まれる資料作成や出張手配などの雑務も、個々に合わせた対応を心がけてきたのだ。

切符を握り締めながら、私は思わずドアを開け、景子さんに叫びたい衝動に駆られた。

「みどりの窓口くらい、ミスを犯したご本人が行けばいいんじゃないですか!?」

ただの事務職だと言われても、仕事はきちんとしているのだ。でも、頑張ったところで誰からも認められないのかもしれない。

景子さん自身は、私と一緒の事務職から総合職へ転換したばかりだ。この前まで、同じ立場だったのに。

言葉にならない思いを噛み締めながら、自分の存在、会社における立ち位置の正解が分からず、天井を見上げた。

▶NEXT:10月19日木曜更新予定
仕事が辛い時こそ結婚に逃げたい!と願うにゃんにゃんOL

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