【野球と音楽】仮面女子・猪狩ともかインタビュー 事故から始球式、そして今...力をくれた西武

【野球と音楽】仮面女子・猪狩ともかインタビュー 事故から始球式、そして今...力をくれた西武

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  • 更新日:2019/04/24
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仮面女子の猪狩ともかさん【写真:荒川祐史】

事故の直後に届いたサイン入りユニホーム「嬉しくて泣いてしまいました」

Full-Countがお送りする野球と音楽をつなげるインタビュー・シリーズ。今回はパ・リーグ連覇と日本一を目指す西武を熱狂的に応援する勝利の女神、仮面女子の猪狩ともかのロング・インタビューを3回に渡ってお届けする。最後は事故からわずか4か月半で人生2度目の始球式を行った彼女に、その支えとなったライオンズについて、これからの活動について語ってもらった。最終回では、猪狩ともかが選ぶ「西武歴代ベストナイン」も紹介する。

――第1、2回ではチーム、選手、球場グルメとライオンズのおすすめをたくさんお話ししていただきましたが、振り返ると事故からわずか1年しか経ってないんですよね。大きな怪我から心身ともに復活するためには、どんな人でもかなりの時間を要することは想像に難くないのですが、それを遥かに超えるスピードで猪狩さんは復活を果たしました。我々には計り知れないご自身との闘いはもちろんのこと、たくさんの方々の助けもあったとお話をされていますが、その中でもライオンズの選手の皆さんからの応援は大きな力になったとブログでも書かれていますよね?

猪狩「そうですね。事故にあった2018年4月12日の翌日の夜、ICU病棟でラジオをつけてもらうと、阪神から移籍してきた榎田(大樹)投手の初登板だったんです。途中で眠ってしまいましたが、翌朝、勝利したことを知りました。日本ハム戦で8点差をひっくり返して勝利した試合もあとから話を聞き、とても勇気付けられました。いろんな方に支えていただいた中でライオンズには入院中、試合も見ながら元気をもらっていました。そして、入院中に炭谷(銀仁朗)選手からライオンズの皆さんのサインが入ったユニホームを直接届けていただいて……」

――炭谷選手のお話はブログでも拝見しました。私たちには想像もできない大きな励みになったんでしょうね。

猪狩「はい。炭谷選手自ら選手の皆さんに声をかけていただき、ユニホームいっぱいのサインを集めて下さったんです。嬉しくて泣いてしまいました。それからも選手の皆さんやファンの皆さんからもエールを贈って下さり、ライオンズは私に大きな力をくれました」

怪我を乗り越えて迎えた2度の始球式「球場全体の温かさを感じました」

――そして見事復活を果たし、昨年9月に人生2度目となる始球式を行いました。今度は車いすでの始球式だったわけですが、そこで見た球場の景色はいかがでしたか?

猪狩「そうですね、1回目の始球式は、恐らくほとんどの方が、ライオンズ好きの仮面のアイドルが始球式をやるんだくらいの印象だったかもしれませんが、去年は事故に遭ったことやライオンズが大好きだってこともたくさんの人に知っていただき、球場全体の温かさを感じました。みんなが『頑張って!』って応援してくれて」

――怪我を乗り越えて、球場に戻ってきた仲間を『お帰り!』って迎え入れてくれた。そんな瞬間だったんでしょうね。

猪狩「ライオンズが勝った試合の後にいつも応援団の皆さんが応援歌メドレーを歌うのですが、怪我の公表をした後にその応援歌メドレーで私にエールを贈って下さって、その動画を入院中に見て、すごく感動して……。そのお礼をどうしても言いたくて、始球式が終わってから外野に行ったんです」

――子供の頃から大好きな西武ライオンズが、猪狩さんを助けてくれたり、支えてくれる存在になるなんて、思いも寄らない巡り合わせですよね?

猪狩「本当に夢みたいです。もともと自分が好きで見ていたチームで始球式や国家斉唱まで、信じられないような形で関わらせていただいたり、大変な時に皆さんに助けていただいたり、今でも信じられないです」

――やっぱり、好きなものは「好きだ」と声に出したほうが良いのかもしれませんね。

猪狩「本当にそう思います。『好き』と『夢』は言葉にするのが何より大事です」

――そういえば先日ラジオに出演された際に「車椅子はまだ初心者です」とおっしゃっていましたよね?

猪狩「はい。まだまだ全然初心者ですよ」

――猪狩さんが車椅子で球場まで行くようになって、あらためて気が付いたことってあります?

猪狩「私は西武ドームには車で行くので、車椅子エリアの近くに駐車エリアがあるんですよ。そこから専用エリアまで上がるのですが、ちなみに車椅子エリアにはレオくんとライナちゃんがグリーティングに来てくれるんです。球場で観戦するときはそれも楽しみのひとつになりました」

――猪狩さんと同じように野球を見たいと思っていても、なかなかそこまで一歩踏み出せない車椅子の人たちもいると思うんですよね。最近は各球場のホームページでもバリアフリーに関する情報が出ていたり、個人のサイトでも車椅子で観戦するためのガイドを紹介していますし、誰もが気軽に野球観戦できるような状況が、これからもっと重要になってくるでしょうね。

猪狩「やっぱり車椅子になってから、様々な場所でバリアフリーになっているか気になってチェックするようになりましたね。球場も行ったことのない所がほとんどなので、どんな違いがあるのか気になりますね。でも、どの球場でも車椅子で移動している方がいたら『なにかお手伝いすることはありますか?』ってひと声かけてもらえると、とても嬉しいです」

「ワンマンでライブ仕様の新しい車椅子を皆さんにご披露したいと思っています」

――そしていよいよ5月1日には復帰後初となる公演です。仮面女子としても約4年ぶりのワンマンライブということですが、どんな復活ステージになるのか、ファンもワクワク・ドキドキですね。

猪狩「そうですね。やっぱり今までとは違う私が加わることで、はじめはメンバーに対して迷惑をかけないかな? 大丈夫かな?って、不安や戸惑いは正直ありました。でも車椅子だからこそできる演出もありますから、自信を持ってステージに上がりたいって思っています」

Full-Count編集部・安藤かなみ(以下FC安藤)「仮面女子のライブには『生誕祭』という定番イベントがあって、ファンに担がれたボートに乗ってアイドルがステージまで移動するんです。とても面白いので、それこそ猪狩さんは優勝パレードをしている選手の気持ちになって『生誕祭』してほしいです」

猪狩「いいですよね! 楽しそうー(笑)」

――そして音楽活動に加えて新たなチャレンジをスタートされましたね。

猪狩「はい。パラスポーツに関するお仕事をさせていただくことになりました。私にも、パラスポーツを広める責任があるくらいに思って、スポーツ関連のお仕事に取り組んでいきたいです」

――猪狩さんが前に進んだから、新しい道が開けたんですね。

猪狩「もし怪我をしていなかったら、この分野で私のことを知っていただける機会もなかったと思います。2020年東京パラリンピックがありますし、私の活動で少しでもパラスポーツを知ってもらえるきっかけが作れたら嬉しいですね」

――今後、猪狩さんのプロデュースによるおしゃれな車椅子も誕生するんじゃないかな? 勝手な想像ですが(笑)。

猪狩「実は5月1日のワンマンでライブ仕様の新しい車椅子を皆さんにご披露したいと思っています」

――そうなんですね。さすが行動が早い。それ是非見たいですね!

FC安藤「もともと猪狩さんとは同級生で今度一緒に野球を見に行こうねって話をしていたんですよ。その後、とても風の強い日にマリンスタジアムで取材をしていたら、猪狩さんが事故に遭ったという知らせを聞いて、ものすごいショックでした。でも、こんなに早く復活してくれて……そしてこうやってお話ができる機会がやってくるなんて、今日はとっても嬉しいです。猪狩さん、次は絶対に野球見に行きましょうね!」

猪狩「ね! 絶対行きましょうね」

《猪狩ともかが選ぶ西武ライオンズ歴代ベストナイン》
※敬称略
1番・センター  秋山翔吾
「入団した時からずっと見てきましたし、今もキャプテンとしてチームを支えてくれている存在です」

2番・レフト 栗山巧
「私がライオンズを好きになった時から、ずっといる選手。西武一筋と表明してくれているので、ライオンズには絶対に欠かせない人」

3番・ショート 中島裕之
「初めて私がライオンズのファンになって、その後、初めて優勝した年に活躍されていた選手。ショートは松井稼頭央さんとすごい迷ったんですが、ファンになってからリアルタイムで見ていた頃の選手を優先に選びました」

4番・サード 中村剛也
「実はこのオーダーはお母さんとあーだこーだ言いながら選んだのですが、4番は言うまでもなく、満場一致でおかわり君です」

5番・ファースト 高木大成
「現役の頃はまだ見てなかったのですが。現在は球団職員としてご活躍中で、バックステージでよく話しかけて下さったり、そのお人柄に惹かれて選ばせていただきました」

6番・DH ヘルマン
「ヘルマン選手は2008年あたりに一番見ていた選手で、現役のメヒア選手と迷ったんですが、懐かしみを込めて選びました」

7番・ライト 坂田遼
「私の姉がすごく大好きな選手で、残念ながら現役は退いてしまったんですが、現役の時によく見ていた選手だったので選びました」

8番・キャッチャー 炭谷銀仁朗
「迷うことなく選ばせていただきました」

9番・セカンド 辻発彦
「現役時代は見たことがないのですが、昨年リーグ優勝に導いてくれた監督として迷わず選びました。球場に遊びに行った時グランドから声をかけてくれて、可愛いところがあるんですよ」

代打 平尾博嗣
「ムードメーカーですから、代打として選ばせていただきました。今シーズンは2軍コーチとして若手の指導をされています」

先発 西口文也
「私の兄が西口さんのことが大好きだったんです。今もコーチとしてチームを支えています」

中継ぎ 牧田和久
「牧田さんも迷うことなく選ばせていただきました。牧田さんが登場してアウトを取る時間の早かったこと! カップラーメンにお湯を注いだら出来上がる前に3アウト取っちゃうという、安心感と安定感を伝える例え話があります」

抑え 高橋朋己
「現在は故障して育成にいるのですが是非復活してほしい投手です」

◆猪狩ともか 告知

仮面女子ワンマンライブ開催決定!!
新たなスタートを切った新生仮面女子が約4年ぶりのワンマンライブ開催!!
『仮面女子の世界』
2019年5月1日(水祝)@舞浜アンフィシアター
開場16:00 開演17:00
詳しくは公式HPへ(福嶋剛 / Tsuyoshi Fukushima)

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