「近所の人に聞こえるので......」 フィリピンで拘束された「漫画村」元運営者、母親が語っていた「息子のこと」

「近所の人に聞こえるので......」 フィリピンで拘束された「漫画村」元運営者、母親が語っていた「息子のこと」

  • 文春オンライン
  • 更新日:2019/07/09

著作権を無視した海賊版サイト「漫画村」の元運営者をマニラ空港で拘束したと、フィリピン入国管理局が明らかにした。拘束されたのは星野ロミ容疑者。著作権法違反の容疑で日本の捜査当局から指名手配を受けており、今後強制送還される見通しだという。「週刊文春」は以前、星野氏の母親に接触しており、当時の記事を再公開する。(初出:2019年5月7日 文中のX氏は星野容疑者)

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〈もう一度、マンガ読もうぜ!!〉

​ いけしゃあしゃあとこう謳っていたのは、著作権を無視した海賊版サイト「漫画村」だ。紛うことなき違法行為だが、いまだサイト運営者X氏(20代後半の男性)は逮捕されておらず、所在不明。そこで、「週刊文春」が行方を追ってみると……。

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現在は閉鎖された「漫画村」

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漫画村騒動についてIT担当記者が解説する。

「政府は昨年4月に、漫画や動画を違法にアップロードする海賊版サイトについて、本格的に対策を進めることを発表。そのひとつが、サイトへのアクセスを遮断するブロッキングでした。しかし、有識者などから『明確な法的根拠がない』『通信の秘密や、表現の自由の侵害につながりかねない』などと反発が起こり、法制化は見送りになりました」

政府はこの際、主要海賊版サイトとして3つを名指しした。そのひとつが「漫画村」だった。

「漫画村には、人気漫画や写真集などが違法に掲載されており、誰でも無料で閲覧できました。昨年4月に閉鎖されましたが、直前の月間アクセス数は約1億6000万。CODA(一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構)は漫画村による被害額を約3000億円と試算しています。サーバーの解析などによって運営者は特定されましたが、それ以降、捜査に目立った動きはありません」(同前)

そんな中、都内にある運営者X氏のかつての自宅を突き止め、呼び鈴を鳴らした。

こぎれいな身なりの、母親と思しき50絡みの女性が顔を見せる。記者が質問を始めると、「近所の人に聞こえるので……」と周囲を気遣いながら小声で答えた。

「息子が本当に悪いのかわからないので……」

――X氏はいま、どこにいるのか。

「日本にはもういません。海外にいると思います」

――日本にはいつ戻ってくるのか。

「もう戻ってこないと思いますよ。私も連絡を取っていませんけれど」

――X氏が漫画村を運営していた?

「息子が本当に悪いのかわからないので、コメントすることはありません。警察も私のところには来ていません」

言葉少なにこう話すと、家の中へ戻っていった。

X氏が代表取締役を務める会社の住所も訪ねたが、まったく別人の住宅になっていた。周辺住民に聞くと母親の話を裏付けるように、「たしかにXという人物は以前はここにいたが、今はもういない」と話す。

運営者をいち早く特定したリンク総合法律事務所の山口貴士弁護士が話す。

「著作権法違反かその幇助罪に問われるでしょう。10年以下の懲役、または1000万円以下の罰金。立件対象著作物が多ければ実刑判決もあり得ます」

X氏の逃亡劇は、漫画のようにはうまくいきそうにない。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年5月2・9日号)

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