農水産物のパンデミック防止へ対策費用、来年度予算案で30億円に増額 政府が調整

  • 産経ニュース
  • 更新日:2017/12/06

政府が平成30年度予算案で、農水産物で発生する、薬剤が効きにくい性質を持った細菌やウイルスのパンデミック(世界的流行)を防止するため、対策費用を30億円程度に増額する方向で調整していることが5日、分かった。耐性菌が生まれるリスクを高める抗菌剤の過剰使用の抑制に向け、調査や管理の体制を強化する。耐性菌は人間に感染する型に変異する可能性もあり、農林水産省は対策を積み増す。

30年度予算では前年度22億円だった予算を増額。農作物や畑の土壌などを分析し、農薬による耐性菌の発生状況を調査する。これまでの調査対象は家畜や養殖魚などだったが、植物にも対象を広げる形だ。

調査は農水産業全体で抗菌剤の使用を抑制することが狙い。耐性菌の発生状況調査のほか、都道府県知事が指名した獣医師らが抗菌剤の適切な使用方法を指導する管理制度の養殖漁業への導入なども行う。

耐性菌は遺伝子の変化で、抗菌剤が効かなくなったり、効果が弱くなったりした細菌。抗菌剤を大量に使うと普通の細菌が死に絶え、残った耐性菌のみが増えるおそれがある。さらに人間に感染する型に変異すれば、食品や環境を介して人間への健康被害が大きくなる可能性がある。

抗菌剤は農薬のほか、家畜などの寄生虫や体内細菌を取り除くための飼料添加物としても使われており、過剰投与が問題になっている。27年には、中国で大腸菌の殺菌に有効とされる抗生物質「コリスチン」が効かない耐性菌が発生。農水省は今年7月、飼料添加物としてコリスチンを使うことを禁止するなど対策を強化している。

農水省幹部は「耐性菌対策は抗生物質の使用をいかに抑えて、予防するかが重要だ」と話している。

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