Google新スマホ「Pixel 4」インプレ。基礎体力は十分だが、9万円の価値を見いだせるか

Google新スマホ「Pixel 4」インプレ。基礎体力は十分だが、9万円の価値を見いだせるか

  • Engadget
  • 更新日:2019/10/21

Googleが10月24日に発売する新スマートフォン「Pixel 4」。発売前にレビューする機会を得たので、数日使ってみた印象を紹介します。Pixel 4シリーズは5.7インチディスプレイの「Pixel 4」と6.3インチの「Pixel 4 XL」というバリエーションがありますが、筆者は小型版のPixel 4でClearly Whiteというカラーを試用しました。

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■おもちゃ箱から出てきたようなデザイン

Googleらしい、という表現が適切かは分かりませんが、オーソドックスな素材を採用しながらも、その組み合わせで奇想性を醸し出しています。Pixel 4では、筆者が試用したClearly White(明らかに白)のほか、Just Black(まさに黒)、Oh So Orange(非常にオレンジ)という3色のカラーラインナップを揃えています。

背面は磨りガラス調の仕上げで、手触りは滑らかで、ハイエンドモデルにふさわしい高級感があります。ただし、見た目からはそうは感じさせません。親しみやすく、手に馴染みそうという印象です。

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Clearly Whiteの側面フレームはつや消しの黒という組み合わせ。電源ボタンにはアクセントとしてオレンジが使われています。背面の4辺を囲う黒フレームをながめると「おにぎり」を連想してなぜか楽しくなってしまうのは、筆者が日本人だからでしょうか。ホーム画面も含めたデザインテイストは、まるでおもちゃ箱から出てきたかのようにどこかワクワクさせるものがあります。

このデザインは楽しく、質感も悪くはないのですが、64GBで8万9980円という価格帯のスマホとしては、少しチープに感じてしまうかもしれません。

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背面で気になるのは、デュアルカメラになったカメラユニットが突き出していること。最近のスマホではiPhone 11 Proをはじめとしてポピュラーなデザインですが、テーブルに置いた時の不安定な感じや、カメラユニットが他のものにあたって傷を付けることがないかなど、多少の不安を感じます。

とはいえこのスマホの場合、背面デザインはあまり重要ではないようにも感じます。Pixel 4には独特の手触りを楽しめる純正のファブリックケースが用意されています。このケースを組み合わせると、背面カメラの出っ張りは綺麗に埋め込まれ、ついでに見ていてちょっと不安になる背面の色の組み合わせも隠れてしまうので、安心して使うことができます。

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■画面が下寄りになった件

Pixel 3シリーズからの変化点として、Pixel 4では下辺ぎりぎりまで画面領域へと拡大しています。これは、Android 10で採用された新しい操作体系を考慮すると、合理的な変化といえます。

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Android 10のジェスチャー操作は、言ってしまえば「iPhone寄り」になりました。AppleがiPhone Xから導入した操作体系に近く、たとえば画面下の縁から上にスワイプしてホームに戻る操作が可能。下から上にスワイプしたまま左右にスライドさせると、アプリ履歴を表示します。

iPhoneをトレースしただけでなく、より便利なカスタマイズを加えて部分もあります。たとえば、アプリ履歴の一覧を更に上にスワイプするだけでインストールしているアプリ一覧を表示できたり、さらには「戻る」キーの操作は画面の右端から左に向けてスライドさせるだけで行えます。"iPhone X的"な操作体系を、より突き進めたものと言えます

参考:「Android 10」レビュー:未来のスマホへの基礎固め

そうしたAndroid 10のジェスチャー操作をする上では、画面下端までディスプレイが広がっているほうが使いやすくなります。利用シーンを考えた上では、合理的と言えるでしょう。

ただし、この変更のためにベゼルが上部に集中することになり、Pixel 4の前面は不格好な形になってしまっています。ノッチ形状にせず、インカメラやスピーカーを詰め込んだため、上部に太めの黒額縁が残ります。ちょうどオカッパ頭の髪型のように見え、デザインのユーモラスさを強調するかたちになっています。

■基礎体力は十分。FeliCa+eSIM対応も◎

スマートフォンとしての基礎体力については、文句のつけようがありません。Pixel 4の5.7インチ有機ELディスプレイはうたい文句通りに美しく、Android 10のダークテーマと組み合わせれば、さらに快適に使うことができます。

特にうれしいのが、高速な90Hz駆動に対応したこと。WebサイトやTwitterなど、スクロールをするシーンでは、画面の見やすさが明らかに変わります。写真でお伝えできないのが心苦しいところですが、実機を触ってみるとその滑らかさを体感してみるのをオススメします。ディスプレイの駆動速度を上げるとバッテリーが減りやすくなるとされていますが、常時90Hz駆動の設定でも、充電なしで1日使うぐらいの電池持ちは維持できています。

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チップセットはSnapdragon 855、メモリは6GBで、動作に不足はありません。カメラの起動や「ポケモンGO」でのポケストップの表示などもスムーズで、使用感として不足を感じるシーンはありませんでした。

ストレージは64GBまたは128GBとなっていますが、microSDカードに非対応な点を考慮すると、1万5000円弱を上乗せすることになっても128GBを選んだ方が安心かもしれません。

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また、Pixel 3からの改善点として、Pixel 4ではeSIMとFeliCa(おサイフケータイ)の両方をサポートするようになっています。Pixel 3では日本モデルはFeliCa対応、日本以外ではeSIM対応と、どちらか一方のみの対応となっていました。

eSIMは標準規格に準拠し、WindowsやiPhoneなどと同じ仕様のサービスが使えます(ソフトバンク版はSIMロック解除後に利用できます)。

eSIMは副回線として使えるので、たとえばメイン回線は国内キャリアのSIMを挿して、海外では現地向けのeSIMで通信するといった形にすると、通信料金を節約することができます。

現時点で国内でeSIMサービスを提供しているのはIIJなど一部の通信事業者に限られていますが、iPhoneに続きPixelで採用されたこともあり、選択肢は今後増えていくことでしょう。

参考:IIJの「eSIM」を検証、iPhoneでデュアルSIMの使い心地は

■確かな進化を感じるカメラ

カメラについてはこのレビューでは詳細には述べません。より詳しい検証記事を準備していますので、掲載をお待ちいただければと思います。

メイン端末の1台としてPixel 3aを使っている筆者が軽く試した感触を述べておくと、Pixel 4のカメラは、確かに進化を感じます。カメラのユーザーインターフェイスも改良されていて、たとえば露出のコントロールは明るい部分と暗い部分を独立して調整可能。狙った写真を撮りやすくなっています。

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とくに夕暮れから日没後の環境下で撮った写真では、複数の光源の色温度をきっちり識別し、白飛びしそうな部分もよく抑えられています。色温度については、Pixel 3aの写真と比較しても、向上していると感じられました。

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▲Pixel 4で撮影

暗所撮影性能についてもかなりの進化を感じられます。Pixel 3シリーズからのやたら強力なナイトモードは今回も健在で、ほぼ明かりがないところでもしっかりと色味を抑えて撮影できることが分かります。今のところ数枚を試し撮りしただけですが、iPhone 11 Proと肩を並べるだけの実力は十分備えていると言えそうです。

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▲Pixel 4の「夜間モード」で撮影

また、超解像ズームについても、最大倍率の8倍までズームして撮影した写真を比較してみると、その進化が如実に分かります。Pixel 4ではPixelシリーズで初めてデュアルカメラを採用しましたが、その威力が存分に発揮できていると言えそうです。

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▲Pixel 4で撮影(1倍)

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▲Pixel 4で8倍ズーム撮影

さらにポートレートモードはより高度化されていて、筆者が試した限りでは、Pixel 3aよりも正確に被写体を検出し、ボケを追加できるようになっています。人を綺麗に写し取るだけでなく、「人だけをボケをかける」写真にはならないのもポイント。人と背景に写り込んだものの位置関係も正確に認識して、自然なボケを追加するようなアルゴリズムになっています。

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▲Pixel 4のポートレートモードで撮影。人とパソコンを一体で認識してボケを追加しているのが分かります

※掲載の都合により、作例は長辺1200ピクセルに縮小しています

■目をつぶっていても解除できちゃう顔認証

Pixel 4では3シリーズまで搭載していた指紋認証が削除されています。その代わりにGoogleがアピールするのは、高速にロック解除ができる顔認証です。

ただし、この顔認証機能には「目をつぶっていても解除できてしまう」という致命的な弱点があります。たとえば眠っていたり、気絶したところにスマホを近づけても、高速にロック解除できてしまいます。

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▲Pixel 4で顔認証の設定時に表示される注意書きにも「目を閉じている時に解除されることがある」と明記されています

もちろん、指紋認証でも眠っている間のロック解除はできるので、変わらないといえばそうかもしれませんが、AppleのFaceIDのように、視線注視機能はつけてほしかったところです。Pixel 4は9万円からと、iPhone 11シリーズと同等の価格帯のプレミアムなスマートフォンなのですから。

関連:Pixel 4、目を閉じていても顔認証でアンロックできることが判明

■致命的な目玉機能の不在

Pixel 4の致命的な弱点として発表イベントで紹介された目玉機能の不在があります。

1つ目は、5年をかけて開発されたというレーダーセンサーを搭載して実現した「Motion Sense」という機能。スマホに手を伸ばすだけで顔認証によるロック解除をしたり、手をかざすだけで曲送りしたり、アラームをスヌーズしたりできるというものです。

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この機能がどれだけ実用にたるものかの検証をする以前に、Motion Senseは「日本だけ」発売時には提供されません。Googleは2020年春からの提供予定としています。レーダーを使ったセンサーを有効にするには、日本の認証を得る必要があり、延期する事情も理解できますが、発売にあわせて使えないのは残念なところです。

また、Googleらしい機能といえる「自然に話しかけて多くのタスクを処理できるGoogle アシスタント」も、日本では2020年春からの提供予定。さらにボイスレコーダーに搭載されている「オフラインでの音声文字起こし機能」も発売時は英語のみの対応となっています。

関連記事:
Pixel 4はかざすジェスチャー「モーションセンス」搭載
Pixel 4の新ボイスレコーダーは自動文字起こし対応

Pixel 3シリーズからのアップグレードを考えている場合、発売にあわせて買う積極的な理由がカメラにしか見出せないという意味では、その必要は薄いと言えるでしょう。

Pixel 4には人を選びそうなデザインや生体認証、目玉機能の不在といった厳しい点はあるものの、カメラの進化と基礎体力の向上は十分に感じられる1台となっていました。カメラやeSIM+FeliCaといった明確な目的があるならば、買っては後悔しないでしょう。

とはいえ、発売時に9万円で買うために魅力が十分かというと、筆者としては不足を感じます。

スマホの販売価格は一般に、発売日を頂点として下がっていくものなので、今後、Googleが日本向けの機能拡充を行った時点で買っても遅くはないと言えます。逆にあえて発売日に買って、機能の追加を待ちわびる楽しみを得るのもありかもしれません。

なお、Google Storeでは発売前のキャンペーンとして、Pixel 4/4 XLを10月24日までに予約購入すると、1万6000円相当のクーポンとUSB-Cイヤホンジャックアダプターをプレゼントするキャンペーンを実施しています。このキャンペーンを利用すれば、「高い」という印象はいくぶん和らぐかもしれません。

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