バー異業種、九州に続々 大人の居場所、サミットも開催

バー異業種、九州に続々 大人の居場所、サミットも開催

  • 西日本新聞
  • 更新日:2018/09/27
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農作業用のカゴをいす代わりに談笑する「バー洋子」の参加者=福岡県宗像市

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「バー真理子」に「バーゆかり」…。九州一の繁華街中洲にあるようなスナックではない。お代は無料から数百円と聞くと驚きだが、相手を退屈させないトークと“手土産”が必要なのはバーに共通する。その正体とは-。主婦や会社員、お堅い副市長までもが「ママ」として出迎える異業種交流の場だ。2年前に福岡で誕生して以来、ママが勢ぞろいした「サミット」も開かれるなど九州各地で盛り上がる。バーと聞けば一度は行かずにはいられない性分。取材に向かった。

バー○○の本家は、福岡県宗像市の「バー洋子」。地元主婦の中村洋子ママ(49)とデザイナー谷口竜平オーナー(38)が「農家や商店主、消費者をつなぐ気軽に集まれる場を」との思いから2016年秋に始めた。月1回、夜に谷口さんの元農機具倉庫をバーに見立て、参加者が新鮮野菜や手作り料理などを持ち寄り、酒を酌み交わす。参加した1人は「地元で価値のないと思っていた物が、市外の人も交えて話してみると価値に気付かされたことがあった」という。

洋子ママはお酌をするわけでなく、参加者の1人として場を楽しむ。ただ、さりげなく話題を振り、参加者同士の仲を絶妙に取り持つ。単なる異業種交流ではない「バー○○」のゆえんだ。本物顔負けの優しい気遣いに触れられる「地域の寄り合い」的感覚が魅力になっている。

バー洋子は会員制交流サイト(SNS)でたちまち評判を呼び、趣旨に共鳴する女性が続出。同県大牟田市の「バーさくら」がのれん分け1号店となり、福岡市や佐賀県小城市などで相次ぎ開店した。

◆昼は子ども食堂

今月9日、大牟田市の飲食店を貸し切って洋子ママら各地のママ7人が一堂に集まり、バーサミットが開かれた。7人が車座になったバー談議は「G7」(先進7カ国)ならぬ「B(バー)7」。参加者約70人がビールやワインを片手に、ママたちが語る「うちのバー自慢」に耳を傾けた。

福岡市の「バーなな」のママは地元主婦の桐島美香ママ(54)。会場は東区美和台7丁目の集会所。「なな」は7丁目から取った。昼間は子ども食堂も開いている美香ママ。バーには毎回数十人が訪れる盛況ぶり。フラガール仲間と踊って盛り上げるなど「楽しい大人の居場所づくり」となっている。ママをサポートするチーママ2人も在籍している。

福岡市の「バー裕子」の倉富裕子ママ(34)は会社員。勤め先に近く、「博多の台所」である中央区春吉の柳橋連合市場を盛り上げようと、市場内でバーを開いている。

市ナンバー2のママも。福岡県福津市の「バー美幸」は、同市副市長の松田美幸ママ(59)が切り盛りする。「先輩世代と若い世代や、役所の中と外とをつなぐ場を」との思いで“開店”。地域が誇る美しいビーチのテラスを会場にして海岸沿いのにぎわいを演出し、老若男女が集う多世代交流の場になっている。

◆島を楽しむ場所

「B7」後は、普段のバー○○のように持ち寄った料理を楽しみ、ママ志願者がママたちに手ほどきを受けた。長崎県壱岐市から駆け付けた広瀬温美(はるみ)さん(51)は「島を離れる若者が多い中、いろんな人が楽しめるコミュニティーをつくりたい」とバー開店を宣言。ほかにも数人が準備をしているという。

「家庭でも仕事でも趣味でもなく、生活を豊かにする一つの場所になればうれしい」。洋子ママは、日本酒で頬をほんのり赤くしながらバーの魅力を語った。来年のB7は福津市での開催が決定。新人ママの参加で、B7から「B20」になる勢いだ。

■新ビジネスも

「バー○○」では新規ビジネスも生まれている。福岡県宗像市の稲作農家福島光志(ひとし)さん(33)=写真=は「バー洋子」の常連。昨年春、バーの参加者らと日本酒造りを進める「宗像日本酒プロジェクト」を結成した。バーでたまたま会話した女性と意気投合し、同県久留米市の酒造会社を紹介してもらった。

その後、プロジェクトメンバーと酒蔵を訪問。無農薬、無化学肥料で栽培した一等米の山田錦800キロを原料にした純米酒造りを酒造会社に依頼し、今年夏に商品化された。好評だという。

福島さんは「人と人のつながりがあるところに新しい物、良い物ができる。時間を見つけてはバーに足を運びたい」と話した。

=2018/09/27付 西日本新聞朝刊=

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