お酢でおなじみのミツカン。そのミツカンが4月から開始した新CMをご存知でしょうか。
この物体はなに?
CMを見ていて気になるのが、いろんな形やものに姿を変える謎の物体。
これはさまざまな可能性を秘めた「未来のおいしさ」の源を表現しており、そして、このCMは10年先の未来を見据えたミツカンの進むべき方向性を表現したものなんだそうです。
では、なぜ10年先を見据える必要があるのでしょうか?
食料や栄養が不足する世界がやってくる?
実は十数年後には極端な気候変動や人口増加により、食料や栄養が今より不足する世界がやってくると言われています。
そこで、1804年の酒粕酢作りから始まり200年以上の歴史をもつミツカンは、「人と社会と地球の健康」「新しいおいしさで変えていく社会」を実現するために、10年先を見据えた取り組みを始めたというわけなんです。
10年先を見据えた「ミツカン未来ビジョン宣言」
その10年先の未来に向けたお約束をまとめたものが「ミツカン未来ビジョン宣言」。
ミツカンのこれまでの取り組み、あるいはこれからの取り組みを3つのビジョンとして掲げています。
ビジョン1.人と社会と地球の健康
ビジョン2.新しいおいしさで変えていく社会
ビジョン3.未来を支えるガバナンス
食品メーカーにとって水は命
ビジョン1「人と社会と地球の健康」では、水に対する取り組みを中心に紹介しています。
食品を作りにはたくさんの水が使われているのをご存知でしょうか。例えば1kgのとうもろこしを生産するのに1,800リットルの水が必要なんです。また、牛はこうした穀物を大量に消費しながら育つため、牛肉1kg を生産するには、その約20,000 倍もの水が必要です。
そこでミツカンは、製造工程に応じた水の効果的な活用を心がけ、冷却水や洗浄水の再利用等での節水、工場排水の水質浄化などに努めています。
北米では全工場を対象に目標を定めてモニタリングの実施、欧州では使用実態の把握からはじめ、3R(減らす・再利用・再資源)活動への移行を検討しているんだそうです。
「おいしさ」と「健康」を一致させるために
ビジョン2「新しいおいしさで変えていく社会」では、「おいしさ」と「健康」を一致させるための取り組みをしています。
健康な食事と聞くと「おいしさ」が損なわれてしまうイメージがありますが、ミツカンでは素材の⼒を引き出し、「おいしさと健康を一致させる努力」で、新しい食のあり方を研究。その中で生まれたのが「ZENB initiative」という取り組みなんです。
「ZENB initiative」では『「食べる」のぜんぶを、あたらしく』をキャッチコピーに、野菜・豆・穀物・果物の、普段は捨てている部分まで可能な限りまるごとおいしく食べられ、栄養を余すことなく摂れる技術の開発を進めています。
この新技術により、野菜本来のおいしさを味わえるだけでなく、食品廃棄を減らし、環境への負荷を少なくすることも可能になるんだそうです。
地球の未来を考えながら、「食べる」をもう一度見つめ直すことで人や環境への負荷が少ない新しい食生活を目指しているとのこと。
さらに、「クリーンラベル」という取り組みも始めています。
「ミツカンが考えるクリーンラベル」は、分かりやすい表示やシンプルな材料で作るという考えのもと、こちらの2つを定めています。
メーカーのひとりよがりではなく、消費者に支持される取り組みにするために、新商品だけでなく、既存の商品でもクリーンラベルの商品を増やしていくんだそうです。
ミツカンらしさを世界に広げる
ビジョン3「未来を支えるガバナンス」は、未来ビジョン宣言を実現するために「ミツカンらしい」行動ができる社員を育むのが目的。
ユニークなのがSENOBI(セノビ)の考え方。これは「できないことはしない。自分の役割に向き合って、 背伸びをすれば手が届くレベルをめざしてのびのびと挑戦する」 という思想のこと。ミツカングループのコーポレートガバナンスの中心に位置するもので、「人の成長が資産である」ための真髄なんだそうです。
10年後のミツカンに期待
新CMも始まった「ミツカン未来ビジョン宣言」。この3つのビジョンを10年後のミツカンはどのように実現しているのでしょうか。ミツカンのこれからの取り組みが楽しみですね。