藤田宜永さんが随筆で怒っている。若者が見知らぬ人と口を利けないため会...

  • 福井新聞ONLINE
  • 更新日:2021/10/14

【越山若水】藤田宜永さんが随筆で怒っている。若者が見知らぬ人と口を利けないため会社が行儀作法の特訓。子どものころ他人と交わる場を与えず学業という「世間体」を気にする親が悪い―▼社会学者の犬飼裕一さんが近著「世間体国家・日本」で他人の目を気にする世間体の構造を説く。世間体には功罪があると主張する。コロナ前に来日の外国人が「ごみが少ない」「トイレがきれい」と感嘆していたように、街の美化や公衆衛生の高い意識に寄与する▼負の事例には鉄道会社の運行規制時に、出社のため駅に長蛇の列を作るケースを挙げる。つい先頃の首都圏での地震発生の翌朝にも起こった。背景には出社に向けての努力という規律に反したら、職場での評価に影響しかねないとの世間体が強く作用しているようだ▼社会に広がる典型的な世間体には「出る杭(くい)は打たれる」に象徴される同質性を挙げる。さらに「良い学校に行き、良い企業に就職し、良い結婚をする」とひたすら外見を取り繕う「良い人生」の追求を犬飼さんは特筆する▼この生き方を多くの人は理想的だと信じているという。一方自分が他人からどう見られているのか、不安を感じる人も多いとか。犬飼さんはこう忠告する。世間体は自分の心の中にあり根拠の弱い存在。価値を外部でなく自分自身に置くこと―他人の目を意識する生き方を改めることが肝要か。

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