大阪駅「うめきた地下ホーム」開業!近未来に向かう玄関口、最先端技術の実用化進む 関西空港へのアクセス向上

大阪駅「うめきた地下ホーム」開業!近未来に向かう玄関口、最先端技術の実用化進む 関西空港へのアクセス向上

  • ラジオ関西
  • 更新日:2023/03/19

JR大阪駅北側の再開発地区「うめきた2期」(大阪市北区大深町)に18日、新たに地下ホームが開業した。

【画像】大阪駅「うめきた地下ホーム」開業!

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JR大阪駅「うめきたエリア」開業・出発式<2023年3月18日午前 大阪駅21番ホーム>

新・地下ホームでは、関西空港と結ぶ特急「はるか」(大阪・関西空港間 快速の乗車時間が従来の1時間7分から20分短縮され47分に)、和歌山方面と結ぶ特急「くろしお」(大阪・和歌山間 快速が従来の1時間30分から33分短縮され57分に)、これまで新大阪止まりだった在来線「おおさか東線」が乗り入れ、大阪・キタの中心・梅田エリアから南東部へのアクセスが向上する。

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また、駅コンコースでは「顔認証」で通過できる改札機などの駅設備を導入する。これはJR西日本にとって最も画期的な取り組みで、大阪駅・うめきた地下口と、新大阪駅・東口に「顔認証改札」を設置し、乗客の顔をキー(鍵)とする新たな”チケットレス認証手法”として、 大日本印刷などとともに検証する。

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「顔認証」で通過できる改札、実証実験を進める

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わざわざICカード「ICOKA(イコカ)」を出さず、スムーズに改札を通ることができる

そして、ホーム(大阪駅21番線 22〜24号線は今後設置予定)には、「フルスクリーンタイプ」のホームドアが設置される。高さが地下ホームの天井まである“フルスクリーン”タイプでの導入は世界初。
特急や在来線などさまざまな列車が乗り入れるホームで、列車によっては扉の数が異なる。2031年には「なにわ筋線」も開業予定で、相当な種類の列車が入線する。こうしたことから、従来の固定式のホームドアでは対応できないことが課題となっていた。
将来的には、AIロボットによる乗車券販売なども視野に入れるという。

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JR西日本はこうした取り組みを具体化するため、新ホームと地上部分を「JR WEST LABO(ウエストラボ)」と名付け、“未来駅への挑戦”を目指して最先端技術の実用化を進める。

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うめきた2期工事のエリアでは、大阪・関西万博が開幕する2025年までビル建設工事が進む。今後は段階的に地下ホームへの進入可能エリアが増えることになる。開業した3月18日現在では、新設された地下ホームへの進入は、大阪駅西口を経由する。

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「うめきた2期」工事中の様子<2023年3月17日撮影>

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建設中の「うめきた地下ホーム口」<2023年3月17日撮影>

渡辺弘幸・JR大阪駅長は「感無量の思い。これまで悲願、念願だった、『はるか』や『くろしお』の大阪駅乗り入れが実現するなど、大阪駅のポテンシャルが上がる。顔認証改札など新しい仕掛けのもと、進化する駅でありたい。 そして、その進化を後世に伝えたい。特に関西空港からのアクセスが向上するため、海外からの玄関口となるようアピールしたい」と意気込みを語った。

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「大阪駅のポテンシャルを上げる、うめきた地下ホーム開業」渡辺弘幸・JR大阪駅長

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「関空へのアクセス向上で、インバウンド(訪日外国人)にとっての玄関口に」

この日午前、新ホームで出発式が行なわれ、開業記念式典が大阪駅北側の複合商業施設「グランフロント大阪」のUMEKITA SHIP HALL(ウメキタシップホール)で開かれた。

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関西空港行き特急「はるか」出発合図をする渡辺弘幸JR大阪駅長<2023年3月18日・午前10時33分 大阪駅21番ホーム>

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地下ホーム(21~24番線)のうち、まずは21番線のみでフルスクリーンタイプのホームドアを設置

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長谷川一明・JR西日本代表取締役社長「鉄道ネットワーク・未来・街づくりの拠点に」

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うめきた地下ホームの発車メロディーを作曲した大阪府夕陽丘高校音楽科の生徒らがバイオリンの音色を響かせ、カンツォーネを披露した

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ヴァイオリン二重奏 エリック・サティ作曲「Je Te Veux(ジュ・トゥ・ヴ)」

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カンツォーネ「オーソレミオ」

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通勤で大阪駅を利用している神戸市東灘区の30代男性は、午前5時過ぎに新ホームに降り立った。「新しいホームは気持ちがいいし、とにかくきれいです。地下ホームの真上の再開発が進んで、公園も整備されると聞いていますし、家族で遊びに来たいです。2年後には大阪・関西万博も控えているし、大阪駅を中心に利便性が高まるのはありがたいです」と話した。

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顔認証改札では当面、大阪~新大阪間の「ICOCA定期券」利用者からモニターを募り実証実験を行う

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うめきたの再開発工事を見続ける女性(写真左)「地下駅開業は隔世の感。個性ある空間を望みたい」と話した。スマートフォン越しに外国人観光客と顔認証改札

大阪府八尾市の70代の女性は、地下ホームの緩やかなカーブを行き交う列車を眺め、感慨深げだった。父親が国鉄職員(旧・大阪鉄道管理局に勤務)で、今は亡き制服姿の父を思い出したという。
「貨物ヤード(梅田北ヤード)の時代から、ずっと工事の様子を見てきました。足掛け10年以上かかりましたね。大昔、この場所は堂島川から船が入れるように、水路を延ばしていたと聞いています。それが今や地下駅に。隔世の感とはこのことですね」と話した。

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女性はさらに、「便利になることは良いことだし、関西経済の活性化につながればと思います。東京でも品川や渋谷で大きな再開発をしていますが、1970~80年代の建築物を立て替えねばならない時期にきているのでしょう。40年前、大阪駅南側に複合商業施設「アクティ大阪」(1983年・現在はサウスゲートビルディング)が開業するまで、駅舎が低くて小さかった印象が強かったです」と振り返る。
一方で、最近の都市再開発について「街並みの個性が消えたというか、どこに行っても同じような風景になっているような気がします」と指摘し、今後は特徴ある街や空間の充実を望んだ。

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インバウンド(訪日外国人客)にとって、大阪の玄関口となる「うめきた地下駅」

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2031年の「なにわ筋線」開業で南海電鉄が乗り入れ、阪急電鉄も阪急十三駅から接続する予定

大阪駅は今後、関西のハブとして機能強化を図る。一部利用者からは「うめきた新駅」や「うめきた地下ホーム」と呼ばれているが、JR西日本によると正式名称は「大阪駅」。
2015年には、「(仮称)北梅田駅」の名が事業基本計画に登場。2018年に「うめきた地下駅」という名称が中期経営計画に記された。

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2020年になり、駅の構造を従来の「大阪駅」と、「うめきた地下駅(地下ホーム)」を改札内連絡通路で結ぶことが」決まった。2031年にはキタと並ぶ繁華街ミナミを経由し、大阪市内を南北に貫く新線「なにわ筋線」も開通、地下ホームに接続し、南海電鉄の車両も乗り入れる予定。

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グランフロント大阪への地下通路<2023年3月17日午後2時>

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同地下通路 一夜明け「うめきた地下口」との表示<2023年3月18日午前6時>

JR西日本によると、うめきた地下ホームに1日あたり平日で238本が発着し、約1万2000人の利用が見込まれるという。

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大阪駅1階中央コンコースから商業施設「ルクア」方面へ<2023年3月17日正午>

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同方面へ 一夜明け、ここでも「うめきた地下口」の表記がお目見え<2023年3月18日午前7時>

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