「夫婦らしい会話は10年、ありません」結婚20年、風呂場までスマホを手放さない夫の正体

「夫婦らしい会話は10年、ありません」結婚20年、風呂場までスマホを手放さない夫の正体

  • mi-mollet(ミモレ)
  • 更新日:2022/06/30

「あなたの結婚生活は、幸せですか?」

この質問にまったく躊躇いなく「はい」と答えられる夫婦はどれだけいるでしょう。

おそらく多くの方が即答できず、言葉を濁すでしょう。そして驚くべき夫婦事情を口にするかもしれません。

「婚姻制度」が定められたのは、実は120年以上前の明治時代。社会も価値観も変化していく中、多くの夫婦が様々な問題を抱えているのが現実です。

この連載では、現代の夫婦が抱える問題について取材・考察をします。結婚生活は山あり谷あり。そのとき夫婦は、どのような選択をするのでしょうか?

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今回お話を伺ったのは、パート勤務中の千里さん(45)。結婚して20年近くになりますが、じつは夫と夫婦らしい会話が10年以上ありません。おまけに近居の義母とのトラブルに頭を抱えています。

「今思えば、27歳で結婚する少し前から、予兆はありました。なぜ、立ち止まらなかったのか……」と唇を噛む千里さんに、これまでの葛藤と、その中で見つけた身の処し方について伺います。

取材者プロフィール千里さん(仮名)45歳
職業:大学事務のパート
家族構成:同い年の夫、13歳の息子、9歳の娘。二世帯住宅で義両親と近居。

結婚式、新婦は100万円支出、まさかの新郎は……!?

「思えば、夫に抱いた最初の違和感は、古い話ですが結婚式のドレス合わせの時でした。私たちはそれぞれ都内の実家で暮らしていたので、その日は式場で待ち合わせをしていました。ところが、現れたのは、まだ数回しか会ったことのない義理の母と、なんとその女友達が二人。

『卓也が、今日は外せない用事ができてしまったの。楽しみにしている千里さんにどうしても言いづらいっていうから頼まれてピンチヒッターに来たわ。私が千里さんにぴったりのドレスを選んであげます!』って……。頭の中は『?』で一杯です。どうして彼は私に直接言わないの? 言いにくいからってお義母さんに頼むなんて、都合が悪くなると逃げるタイプ? しかもお義母さん、友達連れてきてるけど、誰? って、絶句でした」

取材のためカフェのテーブルに着くなり、昔の日記を見せてくれた千里さん。当時、よほど衝撃だったのでしょう、『お義母さん登場』とメモがあります。

黒目がちで大きな目が印象的な美人の千里さん。ピンクベージュのネイル、結婚指輪には年季が入っていて、恵まれた主婦のイメージそのもの。しかし夫婦関係で長年悩んでいるというのですから、外側からは分からないものです。

「ちなみにその結婚式の代金なんですが……夫に衣装代は各自で、そのほかは招待客の人数に比例して負担しようと言われました。ドレス代やヘアメイク代がかかる私は100万円ほど持ち出し、招待客が多かった夫側は御祝儀で100万円の黒字! そんなの聞いたことありますか?」

ため息をつきながら語ってくれた彼女は、二人の子どもを設けた夫に対して、胸の内で距離を取っていると言います。

千里さんにそうさせた「夫の見過ごせない振る舞い」とはどんなものだったのでしょうか?

桜子さんの「女の最高値は27歳」が判断力を鈍らせた!?

ご主人と千里さんの出会いは、いわゆる「合コン」。当時、ドラマ『やまとなでしこ』が流行って、桜子さんのセリフ「女は27歳が最高値」というセリフに憧れと焦りを感じていた千里さんは、とにかく結婚を視野にいれて、今で言う「婚活」を始めたそうです。

そこに登場したのが、税理士の卓也さんでした。寡黙な中にも、男らしさを感じ、とんとん拍子に交際スタート。

「今にして思えば、新婚旅行中にビデオカメラを地面に落としてしまったとき、彼が激高したことがありました。平謝りするしかありませんでしたが、わざとではないので、そこまで責め立てる彼に少し恐怖を感じました。『いくらしたと思っているんだ! 修理代は出せよ!』という言葉に、ああ、お坊ちゃんなのにお金には細かい人なのかなと感じました」

聞くところによると、卓也さんのご実家は都内に土地を持っていて、小さいながらにアパートや駐車場を所有しているとか。その上、ご本人は税理士なのですから、結婚をしたかった千里さんが、「彼こそ運命の人」と錯覚しても無理はありません。

しかし、一事が万事とはよく言ったものです。

「都合が悪いときに逃げる」、「お金に細かい」、「義母も少し変わっている」。これらのサインは、のちに大きくなり、千里さんを苦しめることになります。

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夜泣きには耳栓とアイマスク

結婚後は、都内に独立タイプの二世帯住宅を構え、義両親が階下世帯に住む生活が始まりました。二人の子どもに恵まれ、ときに自身のご両親の助けも借りながら、なんとか子育てに必死に向き合ったという千里さん。しかし、夫の卓也さんに対する不信感は少しずつ膨らんでいたと言います。

「とにかく、ずうっと都合が悪いときはゲームをしているんです。スマホになってからは、You TubeやNETFLIXも加わりました。

一人目の産後から、ずっとその調子でした。

子どもが泣いていてもお構いなし。私が新生児育児にナーバスになって、『うっかり世話が行き届かなくてこの子が死んでしまったらどうしよう……』と、夜中にホルモンの暴走炸裂でしくしく泣いていても、子どもと私の泣き声が耳に入らないとように耳栓。ご丁寧にアイマスクも。

確かに彼は税理士法人での仕事が忙しく、早朝から出勤なので仕方ないのですが……あまりにも他人事。数年前に、プロポーズしてきた人と同一人物とは思えません。目の前に解決すべき問題があるのに、決して向き合わない。その姿勢に気が付いて、背中がひやっとしました」

たしかに、個人でSNSやサブスク、オンラインゲームを楽しめる環境になってから、ひたすらバーチャルな世界に入り浸るパートナーへの不満をよく耳にするようになりました。

浮気や暴力、といった派手な問題点と比べると、実害は少ないようにも見えますが、過度なゲーム好き、スマホ依存は、「自分の思い通りになる世界への逃避」であり、パートナーはそれを見ているだけでも精神的ダメージを負うことがあります。

夫のそうした側面に気づきながらも、子どものため、とできるだけ家の中が明るくなるように努めていたという千里さん。

しかし、思いがけない「横やり」が入るとは、想像もしていませんでした。

「あの子が息子を大切にしないから……」

「あれは3年ほど前、下の子がようやく小学校に上がった頃です。独身時代は証券会社で働いていましたが、妊娠・出産を機に義両親が育児に集中することを勧めてきたこともあり、辞めてしまいました。ようやく二人とも小学生になったタイミングでパートを探し、週3日働き始めた頃です。コスメブランドのビューティアドバイザーとして働く親友が、話があるというので仕事の終わりに集合しました。

すると、『今日、うちの売り場に千里のお姑さんが来たの。偶然を装っていたけど……あれは絶対、わかってて来たのよ。結婚式でお話ししたとき、私、あそこで働いてるって言ったから覚えてたんじゃない? それでね、ずうっと千里の悪口を言ってたの。あの子が卓也を主として大事にしないから拗ねている、とかなんとか。息子いくつだよ、って思いながら流しといたけど……何かあった?』って。

それはもう、青天の霹靂です。ソファにどっかり座ってスマホやPCしか弄らない夫を、できるだけ責めないように頑張ってきたのに……。しかも、私の親友にそんなことを言うなんて、きっと私の耳に入るのを期待してのことでしょう。間接的に叱責しているとわかると、喉の奥が焼け付くような怒りが込みあげてきました」

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千里さんは、ついに堪忍袋の緒が切れて、その夜に卓也さんに不満を爆発させてしまったのです。義母がそのような行動に出るからには、夫が告げ口をしているに違いないと考えました。また、親友に「仕事にかまけて夕飯のおかずが3品しかない」「二世帯住宅の家周りをキレイにするのはいつも私」などと言われ、情けなく、悔しい気持ちを抑えられませんでした。

「お義母さんに私への不満を言っているの!?」と詰め寄ると、彼は心外だといわんばかりに否定。「母親が察して勝手に動いただけ、自分は関係ない」と言い張るのだとか。

ここで千里さんはおおいに混乱。夫という人が、ますますわからなくなったと言います。

夫が自分の母親さえも悪者にして、自己弁護をする様子は衝撃でした。彼が庇っているのは、母親でも、もちろん妻の千里さんでもありません。いつだって自分自身なのです。

すべては我が身可愛さなのでは。そう考えると、さまざまな辻褄が合うような気がしたという千里さん。義母の非常識な行動にも呆れましたが、それについて、庇うでも非難するでもない夫の行動が、一番冷たいと思ったそう。

モヤモヤしたものを抱えながら、しかしそれでも千里さんは前を向こうと努力します。親友に相談すると、「自分が変われば、相手も変わるかもしれないよ。もう少し頑張ってみたら」とアドバイスをされたこともあり、できるだけ会話をしたり、美味しい食事を作ったり、前向きに関係を構築しようとしました。家庭はチームプレーであり、意志なくしてはスムーズに運営するのは難しいのも事実。非常に立派で建設的な試みと言えるでしょう。

しかし、その努力はまたしても裏切られることになりました。

なんと、卓也さんは、ある日二世帯住宅を出て行き、その夜から帰らなくなったのです。浮気相手がいて、その人のマンションに「避難」しているとわかったのは1週間後のことでした。

後編は、夫婦として最大のピンチを前に、コミュニケーション不全と思われた夫との関係を千里さんがどのように着地させたのかを伺います。

取材・文/佐野倫子
構成/山本理沙

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