
日ハム新監督、いやビッグボスの新庄は言った。「『ファンへのメッセージ』ってシステム、もうやめません?」と。彼はなぁなぁで続いてるナゾの常識ってヤツを真っ向から拒否。新たな価値観をブチ上げようとしているのだ。この感覚をクルマの世界でカマそうとしているのが、群馬でムーンテックというショップを経営しているオーナーだ。
彼が拒否したのは、BMWらしさの根源である直6エンジン。しかもハイパフォーマンスモデルであるM3の心臓だ。「これ辞めたら、もうビーエムじゃないっしょ!」と、目クジラ立てる外野の声をガン無視して、
「だって、パワーあるエンジンのほうがおもしれぇー♪」とばかりに、アメ車エンジンの代表格・シボレーV8をエンジンルームにぶっ込んだ。
実はこの手法、アメリカではかなりメジャーなもので、載せ換えのためのキットが山ほど販売されている。もちろんエンジン本体は、アメリカの威信をかけたV8OHVだもの、チューンドパーツは選び放題やりたい放題。ここではLS1のアルミブロックにLS3のポーテッドヘッドを装着、ハイカム&強化プッシュロッドもぶち込み480psの馬鹿ヂカラを発生。純正の直6は、いかにM3といえどたったの243psしかないから、その差はほぼ倍。アクセルをグイッと踏めば異次元の加速をみせ、その反面たっぷりあるトルクのせいで乗りやすさもアリ。こう聞けば、なんか純正エンジンにしがみついてるのがアホらしくなってくる。
こんなスーパー兵器をオーナーは新品パーツでのレストア、内装のフルリメイク、エアサス、リバレルのホイールといった面々でショーカー仕立てに。やっぱカスタムって、人がやらないことやらないとダメっスね!



【画像11枚】純正フェンダーを保った美しき足元。ドイツ本国への敬意も忘れない!全貌はコチラ!

>>ボディカラーとの相性を計算して、内装のカラーにはオレンジを選択。インパネ周りからレナウンのステアリング、センターコンソール、ブリッドガイアスバケットシート、オートパワーのロールケージまで、ものの見事にオレンジ革張りに!

>>ミッションはGMの6速MTであるT56。さすがにミッションの長さが違うのでリンケージを使って前方にオフセットし、純正同様のジャストな位置にレバーが来るようにしていた。
初出:カスタムCAR 2022年1月号 Vol.519
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Base Car:1995年型 BMW M3
協力:MOONTECH & PLOOM