『なん・なんだ』山嵜晋平監督、烏丸せつこの“辛口”に感謝 「行間を埋めてくださった」

『なん・なんだ』山嵜晋平監督、烏丸せつこの“辛口”に感謝 「行間を埋めてくださった」

  • Real Sound
  • 更新日:2022/01/15
No image

(左から)吉岡睦雄、和田光沙、下元史朗、山嵜晋平監督、烏丸せつこ、佐野和宏

映画『なん・なんだ』の公開初日舞台挨拶が1月15日、東京・新宿K’s cinemaで行われ、ダブル主演の下元史朗、烏丸せつこをはじめ、和田光沙、吉岡睦雄、佐野和宏、山嵜晋平監督が登壇。プロデューサーの寺脇研がMCを務めた。

参考:『なん・なんだ』には人生の真実が詰まっている 役者たちの“生々しさ”にも注目

本作は、40年連れ添った夫婦が、これまでの人生、これからの生き方について真剣に向き合い、リスタートするまでの物語。結婚してもうすぐ40年になる三郎(下元史朗)と美智子(烏丸せつこ)。ある日、文学講座に行くと出かけた美智子が交通事故に遭い昏睡状態に。途方に暮れる中、美智子の趣味だった残されたカメラを現像してみると見知らぬ男の姿が映っていた。困惑した三郎は娘の知美(和田光沙)とともに、浮気相手探しの旅を始める。

会場を見渡した烏丸は、「こんなにたくさんの方に来ていただけて、本当に嬉しいです。ありがとうございました、寒い中」と柔らかな表情。実は、今作について様々なインタビューで「設定自体がキモい」「そんな女、いるのか」などと辛辣な言葉を残してきた烏丸。公開後もその思いは変わらない様子で、「今ご覧になった方は、早く家に帰ってビールでも飲みながら、“こういうことだったんだぁ”とか、いろいろ思っていただけたら。私は、私の意見を述べただけです」と清々しく語った。

一方、寺脇から「いろんな受け取り方がある。私たちは映画に出てくるような60~70代ですけど、監督はまだ41歳と若いですから」と振られた山嵜は、「皆様と作り上げた映画を僕はすごく面白いと思っています」と胸を張り、「烏丸さんがそうおっしゃってくれたおかげで、この映画も広がった」と笑顔で感謝。

さらに「観た人といろいろなことを話せる作品にしたいと思っていたので、烏丸さんがいろいろと思える映画であれたことがすごくよかった」と続ける山嵜に、寺脇が「監督が我々くらいの歳になったときに、またいろいろと思うかもしれないけど、もうその時に私たちはいないので」と返すと、会場は笑いに包まれた。

これまで600本以上の作品に出演してきたという下元は、「70を超えて自分の生死、特に死を考えるようになりました」と、演じた三郎と自身を重ねていたと振り返る。「こういう映画がどう受け取られるのかと思いもしましたけど、やっているうちにそれは関係ないやと。自分は自分で、この映画の中で三郎として生きていこうと思って。約2週間、それを考えながら撮影していました」と打ち明けた。

また、2011年に咽頭がんを患い声帯を失った佐野のメッセージは、山嵜が代読するかたちで観客に伝えられた。佐野が「1月29日からの特別上映では声が聞けますよ」とアピールすると、寺脇が「(新宿K’s cinemaで)佐野さんの作品の特集上映がありまして。それはまだ声が出る時代のものなので、そこで僕の美しい声を聞いてくれっていう意味ですね」と補足。さらに寺脇が「5年後生存率20%と言われたのに、もう11年も生きている。こんなに悪運の強い人間を見たことない」と話すと、佐野も大笑いだった。

この日、自身の母親も鑑賞に訪れているという和田は、「家族のあり方とか、女性の生き方が、親の世代と私たちの世代ではすごく変わった時代」とし、「両親だったり、(そういった世代の方が)時代の違いや価値観の違いを内包しつつ、残りの人生をどう生きていくのか、私たちも考えなきゃいけないと思った」と作品の印象を明かす。

また、大先輩に囲まれての芝居について「なるべく考えないようにして挑みました。考え始めると、緊張で何もできなくなっちゃうので」と本音をこぼし、三島ゆり子との共演については「近所のおばちゃんみたいな感じですごく楽しくやらせていただきましたけど、お芝居をする時の迫力、空気感は、いろいろと背負ってこられた方の圧倒感を感じました」と話した。

かたや、和田のパートナーを演じた吉岡は「僕は(相手が)和田さんだったので、全然緊張しなかったですね」とニヤリ。「山嵜監督も“一緒に何かを探していこう”と考えてくれる感じで。すごく時間をかけていただいたし、やりやすくて充実した撮影だったなと思います」と語った。

最後に烏丸は「私は語り尽くしたので、みなさんのご意見、感想をどこかに書き込んでください。必ず読みますので」と呼びかけ、下元は「身勝手な男だなと思いながらやっていましたけど、それは昭和の男だからしょうがないかなって。男はみんな、そんなもんだなと思ってください」とユーモラスに挨拶。

山嵜が「ベテランの方々が、僕が埋められなかった行間を埋めてくださった。次は、烏丸さんと本を作る段階から一緒に映画を作りたいと思っています」と述べ、烏丸とほほえみ合って舞台挨拶を締めくくった。(nakamura omame)

nakamura omame

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加