現場では意外と好評だった? 営業マンが復活を熱望する絶版車 5選

現場では意外と好評だった? 営業マンが復活を熱望する絶版車 5選

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  • 更新日:2021/09/15
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時代の先取りや読み違えにより、登場時期を間違えたクルマは意外と多い。時代にはマッチングせず、短命に終わってしまったのだが、その中には名車(迷車?)が多いものだ。

ユーザーからは意外と好評だったのに、販売台数が伸び悩み消えていったクルマや、販売側としては、時期尚早に思えるドロップアウトも数多くあった。

そこで、本稿では元トヨタディーラー営業マンの筆者が、2021年の今、復活を熱望するクルマをピックアップしていきたい。

文/佐々木亘、写真/TOYOTA、DAIHATSU、MAZDA

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■トヨタ 初代カローラスパシオ

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1997年登場のトヨタ カローラスパシオ。写真の初代モデルでは、独創的なシートレイアウトを採用。2代目では一般的な2×3×2の3列7人乗り車となった

1997年から2007年まで、販売されてきたカローラスパシオ。初代は非常に独創的なクルマだった。

当時としては異色な2×2×2の6人乗りを実現し、2列目シートはベンチ式で、運転席側にオフセットしている。シートを倒したりスライドしたりすることなく、3列目へアクセスできる仕様だ。

個性際立つのが2×0×2の4人乗り仕様だろう。一般的にはサードシートが取り払われ、2列シートで4人(5人)乗りを実現するが、スパシオではセカンドシートをなくした。これにより、後席足元には、ヴォクシーやアルファードのセカンドシート並みの、広大な空間が生まれる。

2列目シートを取り払うという発想は、6人乗り仕様でも健在だ。オプションのアタッチメントを取り付けることで、2列目シート外して車外に出し、ベンチとして使用できる。キャンプ場にわざわざ椅子をもっていかなくても、クルマから取り外せばいいという、面白い発想のクルマである。

外レジャーが人気を集めるなか、全長わずか4135mmのボディで超多彩なシートアレンジができるカローラスパシオこそ、アウトドアで役立つクルマになるはずだ。

■トヨタ ラウム

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1997年登場のトヨタ ラウム。低い全高でありながらハイト系ワゴンに多いスライドドアを装備していた。運転のしやすさと乗降のしやすさを兼ね備え、写真の2代目が2011年まで販売された

乗降のしやすいスライドドアを搭載するクルマは、ハイト系ワゴンに多い。低めの運転姿勢から生まれる操縦性を残しながら、スライドドアの利便性を楽しめるクルマは、ほとんどなくなってしまった。

ラウムはスライドドアを搭載しながら、全高は立体駐車場にも余裕で収まる1535mm(ルーフレール装着車は1570mm)しかない。全長は4045mmと短く、ほとんどアクアと同じだ。

アクアやヤリスのような運転姿勢をとることができ、取り回しがしやすいクルマは、中高年層に人気が出ると思う。運転するのは楽だし、後席はスライドドア(パノラマオープンドア)で乗り降りもしやすいだろう。

コロナ禍でマイカー移動が増えた昨今、誰でもどこでも使いやすい、ラウムのようなクルマが増えれば、クルマを苦手とするユーザーからも、支持が集まるように思う。

■トヨタ セラ

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1990年登場のトヨタ セラ。ルーフのほぼ全面がガラスという開放的なルックスとガルウイング式ドアを備えたスーパーカー的な雰囲気を楽しめる車だった

ダイハツ タフトのスカイフィールトップや、SUVやミニバンではパノラマルーフを採用するなど、ルーフの大部分がガラス張りとなるクルマが増えている。そこでセダンやクーペにも、ガラストップのクルマが欲しくないだろうか。

1990年から1996年まで販売されていたセラは、ボディ上部をほぼガラスが占める。戦闘機のキャノピーのような雰囲気をもつグラッシーキャビンが用いられ、ドアの開閉にはガルウィング式を採用した。

当時のクルマとしては、もはや異次元の領域であり、初めから人気の出るクルマとは思われていなかっただろう。予想通り、大して売れずに終わったクルマだが、各所に見られるコンセプトや技術は秀逸だった。

特殊なクルマではあったが、それほど高額な値付けではなく、ガルウィングやガラスルーフを誰もが楽しめた。このように「雰囲気」を楽しむクルマが昨今増えており、セラもその一端に食い込めるに違いない。

■ダイハツ テリオスキッド

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1998年登場のダイハツ テリオスキッド。フルタイム4WDを採用した軽SUVで、走破性も快適性も良好だった。キノコミラーが時代を感じさせる

ここからはトヨタ車以外で復活を望む2台を紹介していこう。まずは、ダイハツの軽SUV、テリオスキッドだ。

1998年から2012年まで販売され、センターデフ付きフルタイム4WDを採用し、軽自動車ながら大人が後席でもしっかりと座れるクルマに仕上がっている。

走行性能は本格クロカンに負けず劣らず、快適性で比較したらジムニーやパジェロミニは手も足も出ないだろう。

現在はタフトやハスラーが軽SUVを牽引するが、テリオスキッドの性能は、走りも快適性でも、両者を凌駕する。当時は相手にされなかった、テリオスキッドのコンセプトは、現代にドンピシャでマッチングすると筆者は思う。

■マツダ MPV

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1990年登場のマツダ MPV。マルチパーパス・ビークル=多目的車という用途を、そのまま車名にしているところにもマツダの自信がうかがえた。写真の3代目は2.3Lターボ車もあり、スポーティさも光っていた

マツダのミニバンづくりは秀逸だった。プレマシーのカラクリ7thシートや、天井にポップアップ型のテントが出来上がるボンゴフレンディのオートフリートップなど、楽しさあふれるミニバンを数多く生み出している。

なかでもMPVは、ミニバンに「走りの楽しさ」を掛け合わせたクルマだ。

ブレーキ径がRX-8と同等で、たっぷりとしたブレーキ容量を確保している点や、エンジンアンダーカバーを装着し、空力にもこだわる。居住性や空間機能を高めたくなるミニバンで、マツダは走りの性能を究極的に高めていった。

トヨタ・ホンダ・日産などとは販売力に差があり、爆発的な人気は得られなかったが、クルマとしての完成度は高く、ユーザーからの支持も厚い。走りのイメージをSUVに移し、大成功しているマツダなだけに、もう一度、本気でミニバンを作ってほしいと切に願う。

*   *   *

高い実力を持ちながら、消えていったクルマは数知れない。時代やユーザーが理解しなかったのか、それともメーカーの諦めが早すぎたのか。取り上げてきた5台も、あと10年発表が遅ければ、その評価は大きく変わったはずだ。

いつの時代も、メーカーが本気になって作ったクルマは魅力的である。記録を残せるクルマではなく、人々の記憶に残るクルマが、これからも数多く生まれていってほしい。

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光雅/編集部高瀬

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